肩書きは何度も変わった。けれど、現場の当事者であることは一度も変わらなかった。
営業からD2C、そして新規事業へ──職種が移っても、軸を一本通してきた菅家の6年間を聞いた。
シリーズ累計販売枚数730万枚を超えるD2C着圧ブランド「BELMISE(ベルミス)」をはじめ、複数の自社ブランドを展開する株式会社ファストノットは、いま新しい利益の柱として新規事業「ブランドクルー」を立ち上げています。人材会社ではなく、事業会社のマーケターが、自分たちの現場感覚でクライアントの事業に伴走するサービスです。
その推進を担うのが、菅家 太一さんです。2020年、ベルミスの最初の社員として、代表とオーナーと本人の三人だけの時期に入社しました。そこから6年、ベルミス全般、新ブランドの立ち上げ、全社のダイレクト領域、タレントとのP2Cプロジェクトと、D2Cの現場を当事者として走り抜けています。
営業で培った力がD2Cで活き、D2Cで磨いた力が新規事業で活きる。職種が移っても一本の軸が通るキャリアを、これから一緒に働く仲間と、ブランドクルーを検討している方の双方に向けて聞きました。
プロフィール
菅家 太一(かんけ たいち)|新規事業推進責任者。2020年入社、ファストノットの最初の社員。前職はHR業界の営業職で、代表とは前職の同僚。入社後はプロジェクト制でのベルミス商品開発、新ブランド「ペルシー」立ち上げ、全社のダイレクト領域、タレントとのP2Cプロジェクトを経て、現在は新規事業「ブランドクルー」の推進を担う。事業戦略、クライアント折衝、チームマネジメント、KPI設計まで一通りを見る。
代表との出会いは、前職の営業フロアだった
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——まず、菅家さんのこれまでのキャリアから聞かせてください。
菅家 新卒からずっと営業職で、ファストノットは4社目です。前職はHR業界で、採用課題を抱える企業に求人媒体を販売していました。求人媒体を売るだけじゃなく、採用サイトのリブランディングまで含めて、採用をトータルで支援する形ですね。アポ獲得から提案、受注後のフォローまで一気通貫でやる、新規開拓の営業でした。
——代表とは、その頃に出会ったんですか。
菅家 そうです。前職が同じで、一緒に営業をしていた仲なんですよ。付き合いはもう長いんです。代表が先にファストノットを立ち上げて、その半年後くらいに僕が合流した、という流れです。
——声がかかったとき、すぐに「やる」と決めたんですか。
菅家 正直、即決ではなかったんです。ただ、代表から話を聞いたあとにオーナーを紹介していただいて。三人で食事をしているときに、この人たちとなら、また新しい人生のスタートを切れそうだと、直感みたいなものがあって。ぜひお願いします、となりました。
——もともと、挑戦したい気持ちは強かった。
菅家 強かったですね。過去にも新規プロジェクトに携わった経験があり、起業を志すメンバーとシェアハウスに住んでいた時期もあります。ゼロから何かを起こしたい気持ちがずっとあって。ちょうどキャリアが一区切りついたタイミングで代表から声がかかり、オーナーの持っている夢に惹かれて、ついていきたいと思ったんです。
——営業時代に培った力で、いまも効いていると感じるものはありますか。
菅家 相手の課題を仮説で立てて、当てにいく力ですね。新規開拓は、初対面の相手が何に困っているかを短い時間で見抜かないと、提案が刺さらない。その筋力は、D2Cでユーザーの心理を読むときにも、いまクライアントの事業課題を紐解くときにも、そのまま効いています。売る相手は変わっても、相手を起点に考える姿勢は一度も変えていません。
世の中の広さに、打ちのめされた6年の始まり
——入社して、最初に感じたことは何でしたか。
菅家 世の中は甘くないな、自分は意外と仕事ができないんだな、と痛感しました。知っている世界が狭すぎると。営業時代は勢いだけである程度の成績は出せていたので、少し自分を過信していた時期もあったんです。でもWebマーケティングを一から学び始めたら、知らないことが多すぎて。
——具体的には、どんなところでつまずいたんですか。
菅家 ユーザーの動きが、こんなに細かく数値化されているのかと驚きました。しかも、その数字の裏側にあるユーザーの心理をどう見極めるか。そこが全然できていなかった。足りないものだらけだと気づかされました。だからファストノットで走った6年は、毎年大きな壁にぶつかって、乗り越えて、また次の壁が来る。その繰り返しでしたね。
——その6年で、いろんな現場を担当されています。印象に残っている仕掛けはありますか。
菅家 ベルミス全般を見ていた時期の、インフルエンサーチャネルの開拓ですね。売上が急角度で伸長していく現場を目の当たりにしました。当時、「ファッションに溶け込む着圧」という業界にはまだあまりなかったコンセプトを立てて、商品づくりの現場に携わり、それをどう認知度を上げていくか、の開拓フェーズでの仕掛けです。
——どう開拓していったんですか。
菅家 すでにSNSを攻略している先行ブランドがいたので、どう追い抜くかが課題でした。そこで、比較訴求をインフルエンサー本人の言葉で可視化してもらう仕掛けをつくったんです。これがヒットして、自社にとって最大の売上チャネルに育っていきました。あれは自分の中でも特に印象に残っている施策です。
——成果が出るまで、迷いはなかったんですか。
菅家 もちろんありました。先行ブランドの背中は遠くて、最初は本当に追いつけるのかと。ただ、数字を毎日見ていると、どの訴求が伸びてどれが伸びないかが少しずつ見えてくる。仮説を立てて、試して、外れたらすぐ新しい検証を行う。その回転を止めなかったことが、結果につながったんだと思います。考え込むより、まず手を動かす。これはいまも変わりません。
成功のあとに来た、横展開の失敗
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——うまくいかなかった経験も聞かせてください。
菅家 新ブランド「ペルシー」での経験ですね。2021年に立ち上げて、主力商品のCVRと売上を大きく押し上げました。商品コンセプトと商品名から見直して、広告クリエイティブのファネル層や訴求の検証、LPOまで、とにかく検証を重ねて。地道にチューニングを続けるうちに、ある時からCVRを5pt押し上げ、売上を前月比の10倍まで伸ばすことができたんです。
——それが失敗、というのは。
菅家 失敗は、その成功体験のあとに起きました。仮説検証に自信がついてきたタイミングで、新商品を横展開しようとして、まったく売れなかったんです。同じブランドで商品ラインナップを増やそうとしたんですが、コンセプトの横展開と商品設計が、振り返れば大きくミスマッチしていた。結局、リサーチ不足だったとしか言えません。これは大きな失敗でした。
——その経験から、何を学びましたか。
菅家 成功体験が主観的なバイアスを生んで、検証を甘くする。その怖さを身をもって学びました。主力商品はいまも会社のトップ3に入る売れ筋に育っていますが、増やそうとした新商品は撤退しています。成功したときほど、もう一度ゼロから市場を見直す。いまはそれを徹底しています。
——ダイレクト領域を引き継いだときも、苦労があったと伺いました。
菅家 新規獲得の施策全般を担う領域で、もともと代表が一人で見ていたものを約4~5年ほど前に引き継ぎました。僕は広告運用の経験はなかったので、代理店ごとの追うべきKPIの違いや、当時担っていた領域との構造の差に最初は戸惑いました。画面上の細かい数字を理解するところからのスタートだったんです。
——どう乗り越えたんですか。
菅家 ある代理店の担当者たちが、休みの日や業務外の時間に、僕が分からないところを根掘り葉掘り聞ける時間を定期的につくってくれたんです。媒体のアップデート情報と数値の動きを照らし合わせながら、一緒に解像度を上げていって。外部にもう一つチームがあるような感覚でした。結果、Web領域の売上と獲得効率は大きく改善して。その方も、ベルミスの売上のおかげで階級が上がったと報告してくれて、一緒にできてよかったと心から思いました。仕事は、結局は人と人なんだなと改めて感じた出来事です。
当事者だから届く──D2Cから新規事業へ
——P2Cプロジェクトは、会社にとって初めての挑戦だったそうですね。
菅家 影響力を持つタレントとのコラボは、会社で初めてでした。持ち込んだのは僕自身で。インフルエンサーの会社と相談する中で、自社ブランドを愛用してくれているタレントと出会ったんです。代表は当初、人の知名度がブランドの価値を先行してしまうリスクを慎重に見ていました。それでも、新しい切り口は会社に必要だと考えて、稟議を通しました。
——やってみて、どうでしたか。
菅家 瞬間風速が違いました。これまでベルミスが届いていなかった層にも届いたんです。D2Cで身につけた事業設計の感覚と、P2Cならではの推進力。その二つが組み合わさった感覚がありました。一つの型を覚えると、それを次の挑戦に転用できる。その手応えが、いまの新規事業にもつながっています。
——そこから新規事業「ブランドクルー」に移ります。重い決断でしたか。
菅家 いえ、重くはなかったんです。新しい利益の柱をつくるという明確な意図があって、代表が「得意領域を活かせる場所で力を発揮してほしい」と言ってくださって。自分がやります、と自然な流れで決まりました。6年やってきたことを手放す寂しさより、それを別の形で活かせる面白さのほうが勝っていました。
——ブランドクルーとは、どんな事業ですか。
菅家 人材会社ではなく、事業会社が自分たちの現場感覚でマーケターをアサインできるサービスです。代理店やコンサルとの違いは、当事者として現場に踏み込めることにあります。自分たちで売上をつくってきた人間が、クライアントの事業を自分ごととして一緒に紐解いていく。提案して終わりではなく、成果が出るところまで伴走する会社だと思っていただけたら嬉しいです。
——代理店やコンサルとの違いは、どこに一番あらわれますか。
菅家 踏み込める深さです。代理店は、決められた範囲の施策を運用するのが仕事になりがちです。コンサルは、戦略は描けても実行まで手を動かさないことが多い。ブランドクルーは、自分たちが事業会社として売上をつくってきたので、戦略も実行も、どちらも当事者の目線で見られる。「この施策、本当に意味あるんですか」とクライアントに言えるかどうかは、自分の手で痛い思いをしてきたかどうかで変わるのではないかと思っています。
——関わったクライアントには、どんな変化が起きていますか。
菅家 業界は言えませんが、共通して起きるのは「打ち手の優先順位が変わる」ことです。やりたい施策は山ほどあっても、限られた予算でどれから当てるか。そこに当事者の経験から順番をつけられると、無駄打ちが減る。結果、同じ予算でも成果の出方が変わってくる。派手な魔法ではなくて、優先順位の精度を上げる地道な仕事です。
——いま一番注力していることはなんですか。
菅家 少数精鋭で運営しているからこそ、やることを徹底的に絞っています。注力しているのは二つだけ。一つは、クライアントの本当のニーズに、最適な人材を届けること。もう一つは、アサイン後の品質を管理し、成果が続く状態を維持すること。この二つに全リソースを集中できる仕組みづくりに、いま一番時間を割いています。あれもこれも手を広げるより、「届ける」と「続ける」の精度を上げることが、最もクライアントの成果に直結すると考えているんです。
役割の枠を、自分で広げにいく
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——D2Cを少し離れてみて、客観的に見えたことはありますか。
菅家 D2Cで扱っていた予算は、改めて大きかったんだなと。ものづくりにも広告にも、相当な初期投資をしていた。それだけの規模を任されていたんだと、外から見て気づきました。その規模の現場で成果を出してきた経験が、いまの事業に活きています。当事者として大きな金額を動かした経験は、外からは得られないものです。
——ファストノットで伸びる人には、共通点がありますか。
菅家 二つあると思います。一つは、思考が深くて主体性がある人。指示を待つのではなく、自分から動いて自分で判断できる人です。もう一つは、構造の解像度が高くて、会社を主語にして動ける人。自分の役割の範囲だけで考えるのではなく、「会社全体で見ればこれが必要になる」という視点を持って動ける人が、結果的に活躍しています。
——「成果を出す人」と「役割をこなす人」は、どこで分かれるんでしょう。
菅家 渡された仕事の枠を、自分で広げにいけるかどうかだと思います。頼まれた範囲をきれいに片付けるだけでなく、その仕事の先にある事業の目的まで見て、必要なら越境してでも前に進める。後者の姿勢を持っている人は、肩書きが変わっても成果を出し続けるんだと思います。僕自身、職種が何度も変わってきましたが、この姿勢は意識し続けてきました。
——外から見ると驚かれそうな、意思決定のスピードはありますか。
菅家 あると思います。やりたいと手を挙げてから、実際に動き出すまでが早い。代表との距離が近くて、必要な判断をその場でできる。もちろん、根拠を持っていくのが前提ですが、筋の通った提案にはためらいなく乗ってくれる。このスピード感は、大きな組織から来た人ほど驚くところだと思います。
——菅家さん自身も、フェーズごとに新しい挑戦を任されてきました。
菅家 三人体制の初期から、新ブランドの立ち上げ、新規事業と、フェーズごとに任せてもらってきました。ファストノットは、挑戦を取りに行く人間を止めない会社だと思っています。事業を動かす経験を積んでみたい人、自分で何かを作ってみたい人ほど、ここで活きるはずです。
これから出会う人へ
——ブランドクルーとして、この先の目標を教えてください。
菅家 まずは事業として安定した収益の柱を作ること。それを仕組み化すること。そして、プロのマーケター集団としてブランドクルーコミュニティをもっと大きくしたいです。いまは一人ひとりをアサインしていますが、チームでプロジェクトを支援できるモデルにしていけたらと思っています。事業会社で成果を出してきた人が、その経験を持ち寄って戦える場所にしたいですね。
——「ファストノットだからこそできる挑戦」を一言で表すなら、何でしょう。
菅家 事業を、自分の手で最初から最後まで動かせることです。立ち上げて、伸ばして、ときに畳んで、また次をつくる。その一連を当事者として経験できる会社は、そう多くありません。大きな会社では役割が細かく分かれていて、事業の一部分しか触れないことも多い。ここは、やりたいと言えば、事業まるごとを任される。だからこそ、力がつくし、責任も重い。その重さを面白いと思える人には、最高の環境だと思います。
——最後に、これから一緒に働く仲間と、商談前にこの記事を読んでくれた方へ、ひと言お願いします。
菅家 現場で培ってきたスキルを注いで、事業課題を一緒に紐解いていく。それがファストノットであり、ブランドクルーです。この施策を打ちたい、そもそも何を打ち出すべきか分からない、どんなフェーズでもいいので、気軽に声をかけていただきたいです。そして、事業を動かす経験を積みたい人にとっても、ここはきっと面白い場所だと思います。一本の軸を持って働ける場所が、ここにあります。
いきなりエントリーでなくても大丈夫です。まずは1時間ほど、私たちの取り組みやチームのことをお話しさせてください。少しでも興味を持っていただけた方は、カジュアル面談からお気軽にお声がけください。
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