私はいま、軽井沢で働き、軽井沢で暮らしている。
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SANU 2nd Homeはサービス開始から5年目を迎え、北はニセコ、南は奄美大島と、全国40拠点規模へ拡大している。拠点の拡大に伴い、運営を支える現地パートナーと密に連携をとりながら、高い水準のサービスを維持するための運営基盤を整えることはとても重要だ。
「心を動かす体験を、紡ぐ。」
このチームミッションを胸に、ゲストの一番近くで、現地パートナーと想いをひとつに感動の瞬間を創り続けているのが、SANUの拠点運営チームだ。私は軽井沢エリアの拠点運営を担当しており、約15名のフィールドスタッフと共にSANUの最前線に立っている。
なぜ東京でのキャリアを手放し、SANUの現場に飛び込んだのか。
そして、無人運営の宿泊施設において「心を動かされる体験」はどう作られているのか。
移住のリアルから、チームづくりの泥臭さまで、包み隠さず語りたいと思う。
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自然と共にあった幼少期から、SANUの扉を叩くまで
私の原点は、岩手県奥州市にある。すぐそばには親戚の家、朝起きたら畑に直行、手伝いを終えたら採れたての野菜で作った朝ごはんを食べて急いで幼稚園へ向かうような、まさにSANUのブランドコンセプトである「Live with nature. / 自然と共に生きる。」を体現する幼少期だった。
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小学生になるとスキーにはまり、学校のない日はバスで市営スキー場に通い詰めた。私の家は天気がいい日に家にいると怒られる家で、太陽が沈む時間に合わせて家に帰る毎日。振り返ると、家の中で過ごした記憶がほとんどない。それくらい、外にいることが当たり前だった。
しかし、高校進学を機に盛岡市へ出て、初めて劣等感を覚えた。これまで塾にも通っていなかった自分とは違い、周りは入学当初から大学進学を見据えて動いていた。そのギャップに圧倒され、のびのびと過ごしてきた自分が急に恥ずかしくなった。井の中の蛙だったかもしれない。
でもそれと同時に、こんな暮らしができたのは岩手だからだとも思った。同じ岩手でも、盛岡の同級生たちとは違う時間を過ごしてきた。僕がこれまで当たり前だと思っていた毎日は、そうじゃなかった。地元の同級生にも、同じように感じていた人が何人もいた。
もっと地元を誇れる世の中をつくりたい──その思いが、地域課題への関心の原点となり、実際に地域課題を専門に学べる山梨の大学へ進学した。
大学時代には、山梨にある宿泊施設でのインターンも経験し、地域で働く面白さに触れた。
ちょうど同じ頃、山梨で展開がされ始めたSANUの「二拠点生活」というコンセプトを知った。都会と地方、どちらかを選ぶのではなく「両方の良いところを取る」という考え方に、強く共感した。
将来は地域で活躍できる人間になりたい。そのためにはまず東京で力をつけなければ──そう思って新卒でIT企業に入社した。
しかし現実は、朝7時に出社し夜10時に退社する生活。
冬は出社時も退社時も真っ暗。仕事中はコンビニにも行かずにずっと高層ビルの中にいた。オフィスはブラインドが閉まっているので、本当に太陽を見ない日々が続いた。
太陽に合わせて生活していたあの頃と真逆だった。あんなに身近だった自然が、いつの間にか一番遠い存在になっていた。地域で、現場で働きたいという思いが加速していった。そこで頭に浮かんだのが、大学時代から気になっていたSANUだった。東京での3年間を経て、都会で暮らす楽しさも経験し、いつの間にか自分自身が地方と都会の両方に魅了されていた。
そこからもう転職先は『SANUしか受けない』と決めて、SANUに応募する前に会社を辞めると宣言した。
ややリスキーな選択を取ったが、内定まで無事進んだ。今思うとSANUで働くという確信めいたものがあったからこそ、その選択を取れたのかも知れない。
その後、入社6か月のタイミングで面談があり、ファウンダーの本間貴裕からの言葉が印象的だった。
「kaiseiはアクセルとブレーキを一緒に踏んでいる。若いうちは失敗全然できる。アクセルを一回踏んでどんな世界が待ってるかっていうのを、一回この20代で味わった方がいい」と言われたのだ。
SANUに転職できたことに浮かれていた自分を振り返り、何のためにここに来たのかと初心に返った。アクセルを全開に踏んで、再出発しようと思った。
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軽井沢で「働く」、軽井沢に「住む」
入社当初は、ほとんど東京の自宅でリモートワーク。出張は月に1回程度だった。各拠点を訪問し、状況を確認して東京に戻る。それでも運営は回っていた。
でも、本気で向き合えば向き合うほど、物足りなさを感じるようになっていた。
自分たちのチームをゼロから作るには、自分自身が現場にいなければ始まらない。誰がどう動いているか、どんな空気が流れているか、何が上手くいっていて何が詰まっているか──それは月1回の出張では絶対に見えない。そこで決断したのが、軽井沢への移住だった。SANUとして初めての試みだった。
着任してみると、たしかに運営は回っていたが、「全然上手くいっていなかった」と実感した。私自身が現場に入り続けたことで「強いチームを作る」「軽井沢でできた事例を全国に広げていく」という勝ち筋を、言葉と行動で示し続けることで、チームの空気が少しずつ変わっていった。覚悟を持って現場に立つ姿勢が、チームに伝わる──その手応えを感じた。
チームで紡ぐSANUの拠点運営
デスクではなく、フィールドへ
現在の業務はデスクワークではなく、フィールドに出ることが中心だ。清掃が行われる11時から15時には現地でフィールドスタッフと働きつつ、その前後も含めて1日6〜7時間は現場で過ごす。
数字やレポートだけを追う仕事ではない。現場に出て、自分の目で、耳で、肌で感じることが仕事の起点になる。
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今、私は軽井沢エリアを支える約15名のフィールドスタッフと一緒に、最強の清掃チームを創っている。
オペレーションは、マニュアル以上のことが求められると実感している。フィールドスタッフは年齢もバックグラウンドも様々だ。だからこそ、一人ひとりに合わせてコミュニケーションの取り方を変え、良好な関係性を保つために常にアンテナを張る。その神経を使う難しさが、同時にこの仕事の最も面白い部分でもある。
マネジメントの経験は、SANUに入るまでなかった。それでも今、チームで働くことに、これまで味わったことのない楽しさを見出している。自分だけでやれることって、たかが知れている。でも、みんなと協力することでプロジェクトが前に進んだり、チームのみんなの成長も見られる。楽しさも学びも、掛け算で増えていく感覚がある。
人間にしかできない仕事
人と人との信頼関係を築き、臨機応変にトラブルを解決していく泥臭い業務は、AIにもマニュアルにも代替できない。
その価値を象徴するエピソードがある。ある日、海外からのお客様が部屋にクレジットカードを忘れたことがあった。翌日には帰国するという状況で、郵送では到底間に合わない。たまたま翌日に東京出張の予定があった私は、手土産を持参して品川駅まで足を運び、直接お客様にカードを手渡しした。
その行動を突き動かしたのは、「絶対に間に合わせる」という執念だったと思う。マニュアルには書いていない。誰かに指示されたわけでもない。でも、目の前のお客様のために最後の一踏ん張りができるかどうかが、ただの運営と、心を動かす体験の差になる。SANUは無人運営の施設。だからこそ、いざという時に見せる「人の温もり」が、お客様の心を強く動かす体験に繋がっていくと私は信じている。
軽井沢に住むということ
軽井沢というと、高級リゾート地のイメージを持つ人も多いだろう。しかし実際に住んでみると、その見え方は変わってくる。
地域を知れば知るほど、いろんなコミュニティが見えてくる。住んでいるだけではわからなくて、誰かとつながることで初めて見えてくるイベントの場もあって、それが日々の新しい発見になっている。
SANUのメンバーを通じて地域の人と繋がり、「何か困ったらここに行けば誰かを紹介してくれる」というネットワークができてきた。東京では1対1の繋がりが薄くなりがちだが、軽井沢のような地域ではコミュニティに入り込みやすく、人との距離が近い。
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もちろん、移住には苦労もある。
車移動が基本の軽井沢では、気軽に飲みに行くことができない、、、(笑)。同世代のコミュニティが都市部に比べて少ない点も、正直なところ物足りなさを感じることもある。
それでも、金曜日には東京本社に出社して、夜は友人と飲んで友達の家に泊まり、翌日軽井沢に戻ることもある。
軸足がどっちになるかというだけで、完全移住という感じでもない。
SANUが提案する『都市と自然を行き来する新しいライフスタイル』を、自分の働き方でも体現できている感覚がある。
これからもっと街やコミュニティに入り込んでいくことで、新しい面が見えてくるかもしれない。
もしかしたら、いつか『kaiseiさんが来たから良くなったね』と言われるような、地域を作っていく立場になれるのかもしれないと思っている。
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変化を楽しみ、心を動かす体験を紡ぐ
前職はIT企業、東京勤務。SANUに入社してからも、最初は東京ベースで働いていた。それが気づけば、軽井沢に移住していた。
でも、この環境を自分は求めていたし、これこそがSANUらしい働き方だと思っている。軽井沢に移住することへの不安がなかったといえば嘘になる。オペレーションは日々進化していくし、マニュアル通りにいかないことが当たり前だ。辛いことも絶対にある。
それでも今は、アクセルを踏んでみてよかったと思っている。そういう状況でも「楽しい」と思いながら仕事に向き合えるマインドセットさえあれば、大丈夫だと実感している。
自分の手でチームを作り、地域と関わり、ゲストの心を動かす体験を生み出す。日本中の自然豊かな場所で働く、暮らすという選択肢が、もっと当たり前になってもいいと思うようになった。そんな生き方に興味があって、覚悟を持って現場に飛び込んでくれる仲間を待っている。
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