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(後編)女性としても役職者としても「やりにくさ」が見当たらない。「こうあるべき」をなくせ。松井証券の働きやすさとは?【コンプライアンス部:課長, 瀧本 祐紀 / 人事総務部:プロフェッショナル, 土橋 美也子 / 司会者】

▼ここからは後編

土:逆に司会者さんはどうなんですか?(笑)いろんな企業を見てこられたと思います。当社の働きやすさはいかがでしょうか?

司:非常に働きやすいですね。風土として本当にフラットですしね。選考時に離職率を確認した際、いまの上司から「3~5%です!」と回答をもらい、証券は30-40%の離職率だと思っていたので、その率の低さに大変驚いたんですけども。入ってから感じたのは「さすが離職率の低い会社だな!」という感じです(笑)。そのぐらい心理的安全性が高く働きやすい。悩みがあってもすぐ解決しますし。過去の会社で感じた「女性としての働きにくさ」はたくさんあって、貴重なのでメモして財産にしているのですけども(笑)、某企業で上司にこう言われたんですよね。「Aさんのようにもうちょっと”おしとやか”にできない?」って。半年くらい心というか脳みそに引っかかって(笑)

瀧・土:えぇ・・・その表現はちょっと・・・時代錯誤ですよね(笑)

司:まぁなんとなくその上司が言いたいことはわかるんですけどね(笑)。Aさんは女性なんですけど、たしかに物腰が柔らかくて細やかな気遣いができるんですよ。私は「役割」としてチームをいくつも持ってマネジメントして、カスタマーから声があがれば改善点はバシバシ提案・実行して、上司(である事業責任者)ともバシバシ意見を交わして、「さぁ、みんな行くぞぉ~!」と戦国武将のように大きく旗を振って…という感じでした。少し脱線しますが、女性の「特性」って存在すると思うんです。あくまで生物としてのデフォルト機能の高低ですが、大昔の時代からの名残で、男性がマンモス狩りに出てる間、女性は家と子供を守らないといけなかったわけですから「男性より視野が広い」とか、危機を察知するために情報交換することが身を守るすべだったわけですから「より物腰柔らかな物言いができる」とか。あくまで生物としての基本機能として、それらのデフォルト能力が男性よりも高いといわれるという話ですけどね。
司:それでいうとAさんはたしかに「女性らしい」人だったかもしれない。私は組織の「役割」として業務改善やマネジメントをやっていただけなんです。でも上司は私に女性らしさを求めた、そこが大きな違和感につながったんですよね。あとはもっと直接的に「仕事ができる女が嫌いだから君が嫌い」とか言われたこともあり、今となっては人事として貴重な財産ですけど(笑)、つまり社会が「こうあるべき」と設定すると、そこで格差が生まれて「ジェンダーによる障壁」につながるんだなと確信した瞬間でした。

土:たしかに「べき」という考えにとらわれると、一気に世界が狭まる感じがしますね。

司:はい。これは私の話ではないのですが、過去働いた職場でとある女性管理職が嘆いてたことにすごく考えさせられて。その女性が重そうな荷物を運ぶときに、男性の上司に「それ重いだろうからやるよ!」と言われて、その人はスイスイと運んでいったそうなんです。その女性はもともと、自分の体が小柄なことがコンプレックスだった。でも性差関係なくキャリアを積める企業に魅力を感じて頑張ってきて管理職にもなった。だからこそ「きっと運べないだろう」というバイアスをかけられたことがショックだったそうです。まずは「運べる?」と聞いてほしかったと。もし自分がその男性の上司だったらと考えると、咄嗟に「運べる?」って言葉が出ないかもな・・・と思い、自分も知らぬ間に性差別に抵触してしまう可能性はあるなと感じました。つまり働く全員が「想像力を働かせられるかどうか?」が非常に重要だと知りましたね。

土:当社の自部署でも、これは重い荷物だから迷わず男性に頼もう、ということがあるんですよね。それぞれ個人の意識が変わらないといけないのかなと思います。

司:「個人の意識」本当にそうですね。そこにはじまりそこに終わる気がします。

瀧:私が昔前職で遅くまで残業していたときに、他部署にMailしたら、「うちの部署では女性にこんな時間まで残業させるのは考えられない」と男性社員から返信がきたことがあった。「あ、じゃあ、ここの部署にいけば早く帰れるの?!いいな~」とよぎったけど(笑)、よくよく考えると「男女というよりかは、みんな早く帰れて効率的に仕事ができる環境があることが大事なんだろうな」と思ったんですよ(笑)。重たい荷物とか体力的な部分は一定しょうがないと思うんですよね。「差」はあるとして、「物理的な差ではないところにまで”差”をもちこまない」ことが大事かなと思いますね。


司:本人は「ここが物理的な差だと思っていない」かもしれないですしね。やはりバイアスで判断するのではなく、まず本人に確認をしてみることや、日常的に想像力を働かせることが大事かなと思います。

瀧:難しいですね、どこまでが「差」なのか?ということが。

土:体力がボトルネックにならない、例えばじゃあ運べる機械を使おうとか「仕組み・環境で解決しようよ」というマインドにしたいですよね。

司:先ほど瀧本さんが言っていた「うちの部署は女性にこんな時間まで残業させないけどね」というエピソードはとても印象的で、バリバリ働きたいと思っている女性って多いじゃないですか。多いというかもうグローバルスタンダードで、でも日本は「専業主婦が当たり前」という時代が長かったからか、思考が遅れているんだと思うんですよね。男女で「このように働きたい」という差はなくて、個人の希望によるものなんだと。キャリアアップを目指す人がいていいし、ワークライフバランス重視したい人がいていいし。

瀧:先ほどの続きですけど、当時は「男女とかではなくみんな早く帰れるのがいいんじゃないの?」と思っていた反面、「自分は男性と遜色なくワーク一色でやっているんだ!」という妙なプライドみたいなものもあって、逆に良い気分になってしまう自分もいて・・・当時の自分の中に「ジェンダーバイアス」があったのかなって思ったりしますね。

司:プライドは素敵だと思いますけどね!とはいえ、連日の長時間残業はあまりしたくないですけどね(笑)。チームメンバーにもそういうのは強いたくないですし、マネジメントする側としては「それぞれに合った働き方」を提供したいですね。
司:瀧本さんは初の女性課長ということで、いろいろ教えていただきたいのですが・・・2019年に課長に就任されて3年が経過しますが、課長を打診されたとき、どういう気持ちでしたか?

瀧:素直にうれしかったですね。自分のやってきた仕事が認められて、今後は管理職として自分の特性がいかせると評価されたのがうれしかったし、そう評価してくれた上司の期待にこたえたいという思いが強かったです。いまも上司の期待にこたえたいというのが原動力です。

司:実際に課長になって大変だったことはありますか?課長という役職において。

瀧:私はプレイヤー時代に、細かいところまでしっかり調べて、自分が納得いくアウトプットを出すというか、丁寧に細かいところをやりきるのが持ち味だったと思うんですよ、手前味噌ですが(笑)。いざ課長になると、見る範囲が一気に広がるので、全て自分で把握しようとすると全く時間が足りなくって「人に頼る」ということを覚えないといけなかったですね。自分でやっちゃおうかなというところも、しっかりメンバーに任せる。任せたほうが質は高くなりますしね。みんなに協力してもらうこと、自分が判断できるだけの情報をいかにみんなに出してもらうか、そのためにどのような指示をだすか?そこにかなり苦労しました。

司:私は「女性の初の課長」と聞いたときに、性差による苦労がかなりあったのかなと想像したのですが、その辺はどうですか?

瀧:・・・ないですね。新体制になってから日本株のブローキング中心から商品サービスを広げると決まったので、勉強することが増えるのは大変だけど、それは仕事のうえでどの企業でもあることです。全員に協力してもらいながら、自分を含めた全員をいかす働き方ってどうやるんだっけ?というマネジメントに不慣れゆえの苦労が最初はあったと思いますが。

司:なんだか私は自分の「バイアス」を恥じました(汗)女性として初の課長だから性差の苦労があったのだろう、バイアスですね。いま伺ったなかで1個も「女性として大変だった」が出てこなくて、生粋な「管理職としての難しさ」しか出てこなかった。これは非常にクールですよね!そして非常にフラットな会社なんだなと改めて思いましたね(笑)

瀧:上司が素晴らしいのでというのが大きいですね。課長やらないか?と言ってくれた当時の上司も「女性として」という観点がひとつもなく「私がした仕事として」評価をしてくれた。だから事実として「女性として初課長」なんだけど、私も周囲もジェンダーによる差は一切なくフラットでいられた。周囲にも恵まれたのかなと思いますね。

司:土橋さんはプロフェッショナルという役職ならではの楽しさはありますか?現状のやりにくさ等もあれば教えてください。

土:そうですね。前述の通り「プロフェッショナル職」のアカウンタビリティが明確になり、業務の幅が広がりましたね。以前は「深く」で今は「広く」という感じで、動きやすいです。旧体制の頃は「専門性を追求していればそれでOKだよね」という感じだったけど、今は「業務マネジメント」という役割も担っていて、私でいうと「いかに社員が働きやすい環境を作れるか」という観点で、逆算して必要なアクションを取捨選択しています。もちろんチームの生産性向上も重視します。多角的に新しいことを考えて企画提案ができる。「やりにくさ」が見当たらないほど、すごく働きやすい会社だと自信をもって言えます。

司:労務の業務マネジメントしている人が「働きやすい会社」と宣言できるのはすばらしいですね。

土:当社は子育てしている社員も多いんですけど「時短勤務」も小学校6年生までとれるし、「時短勤務」にして働きにくいという声も聞いたことがないんです。全社的にどの部署も周囲のサポートがしっかり存在するんだなと感じているので、キャリアの途中に出産と育児が入ってきたとしても、非常に働きやすいと思いますね。

司:夢がありますね!・・・といいますのも、私は昔から仕事が大好きなんです。両親や姉が経営者だという育ちもあるかもしれませんが、根っからの仕事人間で仕事が好きで(笑)。女性で生まれたからには妊娠・出産に挑戦してみたい。でも、前職までに感じていたことは「とてもじゃないけどこんなに忙しくて、かつキャリアアップを目指すのであれば、出産どころか子育てなんか絶対無理!」ということでした。「あぁ、私は女性として挑戦できるかもしれない大きなライフプランを、ここで手放す決断をするしかないんだ」って、そう思うととても悲しくて、でも「私は仕事で生きていくって決めたんだから!」と自分を鼓舞するような日々でした。だから、松井証券と出会って転職して、今の話を聞けてすごく夢があるなと思いましました。・・・・まぁ、まずはお相手探しなんですけどね!(爆笑)

瀧:それは思いますね。会社のサポートがあるのはライフプランも自由に立てられるのでありがたいですよね。私のチームでは2名の女性が時短勤務をされているのですが、時間内にしっかりパフォーマンスを出してくれますし、質も本当に高いんですよ。私自身、見習いたいと思っているんです。

土:時短でパフォーマンス高い点において、何か思い当たる原因はありますか?

瀧:2名とも士業のライセンス保持者なので、個人としてそもそもスキルが高いというのはあると思いますね。あとはポイントを見極める力が高くて、優先順位のつけ方や緩急のつけ方は非常にうまいです。男女問わずつけていきたいスキルですよね。どうやったらそうなれるんだろう・・・ぜひ別途「座談会」の場を作ってほしいです!

司:いいですね、ぜひやりましょう!最後になりますが「こういう人と働きたい」というのがあれば教えてください。

瀧:当社は事業規模の割に少数精鋭なので、1人1人に任せられる仕事の幅が広いんです。だから「指示待ち」ではなく「自分に何ができるか」を常に主体性持って考えながら、自分のやりたいことを表現できる人と働きたいですね。「伝える力」も大事なので、それがある人だったら、チーム全体が進めやすくなるかなと思いますね。

土:私は、現状に甘んじず、常に「より良く改善して働きやすい会社にしよう!」というマインドがある人と働きたいですね。前のめりなくらい前向きというか(笑)

司:変化を恐れずに、柔軟な対応力や挑戦的な環境で成果を発揮できる人も、当社の「求めている人物像」ですよね!本日は本当に気づきの多い対談でした。これからもどんどん会社を良く変えていきたいですね!ありがとうございました。
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