前職では有形商材(医学書)の販売しておりました。
医学専門書の特性として、研究者が実際に手に取って内容を評価する『見計らい』というシステムによる販売方法があり、あらゆる出版物の電子化が進んだ現在でも、ドクターの現物確認による選書方式が一般的でした。
当社は学術データベース『無形商材』を販売しております。同じ学術市場とはいえ、有形から無形商材販売への挑戦は、まったく違うアプローチが必要となりました。
営業上のポイントは、書籍は「誰が読むか」「いくらで売れるか」が明確なため、商品力と価格勝負になる傾向があります。一方学術データベースは「どのように研究に役立つか」「導入のROIはどうなるか」といった提案営業が重要です。当たり前のことですが、物理的な在庫の保管・配送が不要となったのは、衝撃の一言でした笑
無形商材であるデータベース販売の特徴
・継続課金(サブスクリプション)による安定収益が見込める
・納品が即時かつコストレス
・アクセス分析による提案・改善が可能
・顧客への価値説明が必要(無形のため)
・著作権・契約条件の理解が求められる
書籍販売は物理的で直感的な分、取り扱いやすく即決も多いが、在庫リスクと単発収益の課題あったのに対し、学術データベース販売は無形で導入説明が必要だが、継続収益化やスケーラビリティに強みがあります。価格が高額になる傾向があり、即時に結果がでるという世界ではないですが、どちらが良い、という議論ではなく、最先端の研究者や大学・研究機関と直接関わることで、知的刺激に満ちた環境に身を置けます。
学術市場の営業とは、「学びの支援者」として研究者や学生の背中を押す仕事。
短期的な売上よりも、長期的な信頼が価値になると考えています。
売上の先に、「社会の進歩」や「未来を育てる」という意味があることが、最大の喜びです。