温度、圧力、流量……さまざまなデータをもとに工場の安全と効率を支える「計装設計」。聞き慣れないかもしれませんが、実はプラントづくりに欠かせない、非常に重要な仕事です。
今回は、新卒で入社し、11年にわたって計装設計に没頭してきたHさんにインタビュー。今では後輩を育てる立場としても活躍しています。
そんなHさんに、計装設計の仕事のリアルややりがい、そして今後のキャリアについてじっくり伺いました。ぜひご覧ください!
▼Inteviewee
設計本部 設備設計部 計装設計:Hさん(2015年入社/青山学院大学 電気電子工学科出身)
私のキャリアは、知らなかった世界を“調べてみた”ことから始まった
大学では電気電子工学を学んでいたこともあり、就職活動当初は漠然と「電気関係の設計業務に就きたい」と考えていました。家電や電気機器メーカーなどを中心に見ていたのですが、ある時ふと出会ったのがテックプロジェクトサービス(TPS)でした。
「面接で、すごくフランクに話してくれたんですよね。『いろんな部署があるから、自分に合う場所を探せばいいよ』って。そんなふうに、長く働くことを前提に“人を大事にしている”雰囲気に惹かれました」
企業としての安定性や将来性に加え、生活に役立つものを生産するプラントや工場の建設に携われるという点にも魅力を感じ、最終的にTPSへの入社を決めました。
プラントの“頭脳”をつくる計装設計のやりがい
入社してから、ずっと携わっているのが「計装設計」という仕事です。
……と話すと、「何それ?」と聞かれることが本当に多いんです。実は私自身、学生の頃はこの仕事の存在を知りませんでした。
電気電子を専攻していたので、当時は家電や製品設計など、目に見える“ものづくり”の仕事を想像していたんです。でも調べていくうちに、工場やプラントを動かす“しくみ”の設計”という世界を知って、惹かれるものがありました。
計装設計は、温度や圧力、流量といった数値を測定・制御して、プラントを自動的に・安全に動かすための“しくみ”をつくる仕事です。たとえば、薬品を混ぜる工程で「このくらいの量で撹拌したい」といった条件に合わせて、どんなセンサーやバルブを使って、どう動かすかを設計していきます。
簡単に言えば、プラントの“頭脳”や“神経”をつくる仕事なんです。
私がこれまで関わってきたのは、主に医薬品や化学系のプラント。1つのプロジェクトで数百点に及ぶ計装品を扱うこともあり、規模感もダイナミックです。さらには、計装品の選定やシステムの構成だけでなく、実際の現場での設置や動作確認、発注者との調整など、最初から最後まで関われるのもこの仕事の醍醐味です。
設計職と聞くと「黙々と図面を描く」イメージを持たれがちですが、実際は人と連携することの多い仕事です。仕様調整ではお客様と、計器設置では施工業者と、社内外問わず密なコミュニケーションが求められます。
一筋縄ではいかないことも多いですが、その分、システムが動き出したときの達成感は格別です。
「自分の設計がプラントを動かしている」──その実感が、次の仕事へのモチベーションになっています。
知識を深め、チームを引っ張る存在へ
11年間、計装設計に携わってきて実感しているのは、「終わりのない学び」の面白さです。
この分野では、常に新しい技術や製品が登場します。制御機器やセンサー、システム構成の考え方も、時代とともに進化しています。だからこそ、好奇心を持って情報を追いかけることが大事ですし、それ自体が楽しいんですよね。
普段の情報収集は、業界誌を読んだり、メーカーの展示会に足を運んだり。新製品の紹介や技術動向を社内でも共有し合って、チームとして知識の底上げを図ることもよくあります。
こうした積み重ねが、現場での選定判断やトラブル対応の質を上げていくのだと感じています。
今後のキャリアとしては、さらに専門性を深めるとともに、チームを引っ張るリードアサインエンジニア(LAE)としての役割も果たしていきたいと考えています。
自分一人で完結する設計ではなく、メンバーの力を引き出しながら、チームとして良い成果を出していけるような存在になりたいですね。
また、キャリア入社の方々と一緒に働くことも増えてきました。
それぞれ異なるバックグラウンドや経験を持ったメンバーから学ぶことも多く、お互いに刺激し合いながら成長できる環境があるのはこのチームの強みだと感じています。
これから仲間になるあなたへ
計装設計に必要だと感じているのは、入社後も学び続ける姿勢です。
受け身ではなく、自分から情報を取りにいける人と、一緒に働けたら嬉しいですね。
新しい技術や機器の情報は、展示会や業界誌、メーカーからのPRなど、さまざまなところに転がっています。そういった情報にアンテナを張って、チーム内で共有しながらアップデートしていく──それが、計装設計の“日常”です。
キャリア採用の方に対しては、「業界経験がどれくらいあるか」よりも、これまでに培ってきた知識や視点をチームに持ち込んでくれることに期待しています。
最近もキャリア採用として入ったメンバーがいて、それまでにはなかった目線の意見をくれたりして、自分自身も良い刺激をもらっています。
知らないことはお互い様。一緒に学び合い、盛り上げていける関係を築けたらいいなと思っています。