「ゾス!」の超体育会系から社会を優しく守るIoT企業へ。異色の経営者が語る「信頼と挑戦」のマネジメント
「優しい社長」――。TSPの小川社長に初めて会った人は、誰もがそう口を揃えます。しかし、その物腰やわらかなたたずまいの裏には、伝説の「究極の管理社会」を生き抜き、数々の挫折や葛藤を乗り越えてきた強烈な熱量と人間味が隠されていました。
なぜ今、TSPは若手が圧倒的なスピードで成長し、現代日本のドロドロした社会課題を次々と解決できているのか?小川社長の激動の半生と、会社の未来を熱量そのままに、ストーリーにリライトしました。
1. 「ゾス!」に明け暮れた日々。管理の極致を知る男
採用T: 小川さんとお話ししているとすごく優しい印象を受けるのですが、かつてはあの某通信会社で働かれていたんですよね。かなりハードな環境だったのではないでしょうか?
小川: 確かに私の根っこは泥臭いですよ(笑)。当時は凄まじかったですね。まだハラスメントという言葉もなく、全員が同じような声で「ゾス!」と本当に言っていましたから。一挙手一投足を数字や力で管理され、詰められる。気合いと根性の極致みたいな世界を叩き込まれましたね。
採用T: その究極の管理社会を経験した小川さんが、なぜ今は「自主性」や「信頼」を大切にする経営に行き着いたのでしょうか。
小川: 結局、数字で人は縛れても、心までは動かせないんですよ。 確かに数字は大事だし、仕組みで業績が上がることも分かっていましたが、それだけだと人情味が欠けていく違和感があったんです。 私は上から厳しく押さえつけるのではなく、一人ひとりが自主的に責任を持って仕事に取り組み、皆が活き活きと働ける会社を実現したかった。その思いがあったからこそ、たった2人からこの会社をスタートさせました。
(写真)現在の小川社長。「ゾス!!!」っと挨拶する姿が想像つかない。
2. ゼロベースでの海外挑戦と、逆境を楽しむ「楽観性」の原点
採用T: 通信会社でキャリアを築いた後、オーストラリアに渡られたそうですね。あえて未知の逆境に飛び込むポジティブさはどこから来ているのでしょうか。
小川: 当時は「一旗揚げよう」という若者が大勢いました。私も負けじと、これまでの成功体験もキャリアもすべて日本に置いて、「ゼロから現地でどう生き抜くか」を試したかったんです。だからあえて英語も事前に学ばず、勢いだけで飛び出しました(笑)。
実は、15歳の時に父親を亡くしているんです。その時に「人間いつ死ぬか分からない。絶対に悔いを残して終わりたくないな」という想いを強く抱きました。だから、経営で行き詰まったり、どんな壁にぶつかったりしても前を向いて乗り越えようと思える。負けず嫌いな部分も、そこで養われたのかもしれません。
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【小川社長の経営哲学・座右の銘】
「為せば成る、何事も。為さねばならぬ, 何事も。」 簡単ではないことでも、まずは自分たちが本気で向き合い、やり切る覚悟を持つ。
◆ TSPの理念:「人の思いを信頼に変え、挑戦を通じて安全な未来を創る」
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何かを決定する際、それが「お客様や仲間の思いに本当に応えているか」、そして「社員が自主性を持って取り組める環境づくりに寄与するか」を常に問いかけています。難しい要望に対しても、最初から「できない」とは言わず、「どうしたらできるか」を考える。そうした判断の積み重ねが、お客様からの信頼にも、社員の成長にもつながると考えています。
(写真)南インドでの人材育成支援や事業展開を見据えたグローバル志向は今も揺るぎない
- 管理と放任の狭間で。TSPが直面した最大の壁
採用T: TSPを創業されてからも順風満帆とはいかず、かなり苦労があったとお聞きしました。
小川: 最大の壁は、やはりマネジメントでした。最初は前職の経験から「管理しすぎるのは違う」と思い、あえて自由な体制をとっていました。しかし、そうすると今度は「放任しすぎ」になってしまった。ある時、現場を引っ掻き回すような人物が現れてしまい、組織がボロボロになりかけたこともありました。
採用T: 「自由」と「放任」は紙一重ですからね。そこからどのように立て直したのでしょうか?
小川: 結局、試行錯誤の中で「抑えつけすぎず、与えすぎない」というマネジメントの中間点(最適解)を見つけるしかありませんでした。
× 管理型(抑えつけすぎ) ⇒ メンバーの心が離れる
× 放任型(与えすぎ・放置) ⇒ 組織の統制が崩れる
◎ 信頼と挑戦の型 ⇒ 心理的安全性を守りつつ、挑戦を背中から支える
小川: だから今のTSPには「やりたいことをやらせる」という土壌がありますが、それは決して放任ではありません。「信頼しているからこそ、挑戦させる。でも、背中は会社がちゃんと支える」というスタイルです。
最初はたった2人だった会社が、今では約40名の規模に成長しました。価値観の共有やコミュニケーションの壁にぶつかる時期もありましたが、根気強く対話を重ね、社員を信じて任せることで乗り越えてこれた。人は信頼され、自分の立場で考え行動する環境を与えられれば、想像以上のスピードで成長していくのだと気づかされました。
今、同じ方向を向いて共に走り、この組織を一緒に創り上げてくれているメンバーには、本当に感謝の気持ちしかありません。
4. 31歳のリーダーが50代のベテラン職人を束ねる組織
採用T: 実際にその「信頼と挑戦」を体現して成長しているメンバーの例を教えてください。
小川: 象徴的なのは、フィールドエンジニアの菊池ですね。彼は高卒で入社して、現在は31歳ですが、現場では40代や50代のベテラン職人さんたちを何十人も束ねています。最初から優秀だったわけではなく、前向きになれない反抗的な時期からの出発でした(笑)。
でも、現場で揉まれる中でどんどん頭角を現していきました。正直で現場に遅れることはなく、お客様からの問い合わせには圧倒的なスピード感で対応する。依頼を受けたら決して「No」と言わず、どうすれば希望を叶えられるかを考え行動し続けています。彼の存在と成長の軌跡こそが、当社の風土や評価文化を体現する最高のロールモデルになっています。
採用T: TSPは若手を引き上げる仕組みや独立支援についても積極的に行ってますよね。
小川: 独立したいという希望があれば、自分の裁量で動ける制度も作っています。私はよく「経営とは一人でやるんじゃない。人を雇ってみろ」と伝えています。人を雇い、自分で責任を取る難しさを知って、初めて経営者として「本当の成長」だと言えると思うんです。
これは管理職においてもいえます。今、組織としてまだ足りないピースは、若いメンバーが現場の最前線(プレイヤー)として活躍するだけでなく、組織全体を見渡し、次の世代を育成する「マネジメント層」へともっとステップアップしてほしいということ。これからはAIの時代が本格的に始まります。ただ与えられた仕事をこなすだけではなく、変化を前向きに受け止め、AIを使いこなし、適切に指示を出せるような人材になってほしいと期待しています。
(写真)フェードカットが人一倍似合う31歳若手エースの菊池部長。優しいお顔は募集記事でご確認ください!
5. 「監視」ではなく「見守り」。現代日本の課題を解くIoTビジネス
採用T: 今、社会情勢的にもセキュリティへのニーズは非常に高まっています。未来への展望はどうお考えですか?
小川: ありがたいことに、営業の提案も施工の現場も需要は爆発的に増えています。ただ、実は「カメラで見張られるのを嫌がる人」もすごく多いんですよ。
採用T: 確かに、四六時中バッチリ録画されて監視されるのは抵抗がありますね。
小川: そうなんです。だから僕たちは、カメラの代わりに『人センサー(IoTデバイス)』を使った提案に取り組んでいます。「監視」ではなく「見守る」。具体的には、今、日本のあちこちで起きている顕在化した社会課題の解決に役立っています。
TSPがセンサー技術で解決する3つの社会課題
① クマ(害獣)出没対策: 最近、新興住宅地までクマが出て住民の命を脅かしています。そこに僕たちのセンサーを仕込んでおくことで、侵入をいち早く検知して地域にアラートを飛ばし、命を守ります。
② 置き配の盗難対策: ネット通販の普及で置き配泥棒が増えています。かと言って玄関に露骨にカメラを向けると近隣とのプライバシー問題になる。センサーなら、プライバシーを守りながら「荷物の異変」だけをスマートにキャッチできます。
③ 独居老人の孤独死対策: 一人暮らしの高齢者の方の部屋にカメラをつけるなんて猛反対されます。でも、冷蔵庫につけるようなセンサーなら「24時間、動きがない」という生活リズムの異変だけをそっと検知できます。
小川: 自分たちが設置したセンサーが、明確に『社会貢献(ソーシャルグッド)』をやっている実感が持てる仕事です。ガチガチの数字で人を縛るんじゃなく、こういう社会的意義のある面白い仕事に、みんなで積極的にチャレンジしていく。それこそが、僕の考える会社のあり方ですし、これから新しく入ってくる仲間とも、ぜひ一緒に共有したいワクワク感ですね。
日本人がこれまで当たり前だと思っていた「安心・安全」が、今は少しずつ揺らいでいます。かつて日本が優れていた分野に世界が追いつき、追い抜かされている現状がある。
だからこそ私たちは、この誇るべき「日本品質のセキュリティ」を、テクノロジーと人の力で紡ぎ直し、将来的にはグローバルな視点で世界へとさらに展開していきたいと考えています。
最後に:小川社長から求職者の皆さんへメッセージ
TSPは、決して完璧な組織ではありません。私自身、失敗だらけの経営者です。でも、だからこそ、壁にぶつかった時にあきらめずにどう乗り越えるか、そのプロセスを一緒に楽しめる仲間が欲しい。
「今の環境に満足していない」「もっと手応えのある挑戦がしたい」という方、ぜひ一度話をしましょう。
昔のゾス!みたいな詰めはしませんが(笑)、会社を信頼して支えてくれている今の最高のメンバーたちと共に、 情熱だけは当時のまま、皆さんを待っています!
(写真)TSP一同、みなさまと一緒に働けることを楽しみにお待ちしております!
【取材を終えて】 優しさだけではなく、小川社長の強烈な熱量と人間味。かつてのスパルタ文化や挫折を知っているからこそ、今の「人を活かす、背中を支える経営」に深い説得力があるのだと感じました。何より印象的だったのは、会社を大きくしてくれた社員への深い感謝が、言葉の端々から滲み出ていたことです。需要が急拡大しているセキュリティ・IoT業界において、同社は「監視」ではなく「見守り」という独自の優位性で社会課題を解決しています。社会的意義を感じながら、温かい仲間に囲まれて挑戦したい若手にとって、これほど面白い環境はないはずです。