TOOLBOXは『日本の住空間に楽しさと豊かさをもたらす』をミッションに掲げ、それを実現するために”自分の空間を編集するための道具箱”をコンセプトとしたウェブサイト「toolbox」を運営しています。さまざまなバックボーンを持つ個性豊かなメンバーが、どのような想いで仕事と向き合い、どんな未来を描いているのかをインタビュー形式でお届けします。
今回は、2022年5月にMD(商品企画)チームのメンバーとして入社した大迫にインタビュー。前職では大手複合型書店のデザインチームに所属し、全国のT書店の立ち上げにも携わった大迫に、キャリアチェンジがもたらしたものについて語ってもらいました。
大手企業の設計施工・デザインを経てTOOLBOXへ
ーTOOLBOXは3社目とのことですが、今までのキャリアについて教えてください。
新卒で入社したのは店舗設計・施工会社です。クライアントがいて、クライアントのオーダー通りに空間をかたちにしていくのが仕事でした。働きながら、これからのキャリアをどうしよう、と漠然と考えていた30歳前後のときに、当時はクライアントだった前職のデザインチームから「一緒にやらないか?」と声をかけてもらったんです。大手企業の新業態の立ち上げに携われるという恵まれた条件でしたし、受注側から発注側に立場が変わることで、見えてくる景色が違うだろう...とワクワクする気持ちもありました。大きな会社で働くという経験は、その先のキャリア形成に好影響があるだろうとも考えました。
ー前職にジョインしてからは、インハウスのデザインチームの一員として全国のT書店の立ち上げにも携わったと聞いています。空間や場のみならず、新しいカルチャーをつくるような仕事で、やりがいも面白さもありそうですね。
社運をかけた新規事業だったので、大変でしたが楽しかったですね。一号店の開業から10年以上経った今、カルチャーの発信拠点のような場所に育っていることはとても嬉しいです。新規事業の立ち上げ後は、全国にある既存店舗のリブランディングにも取り組みました。さまざまな制約があるなかで、いかに知的好奇心を刺激する店舗を再構築するか。難しい案件なうえに地方出張も多く激務でしたが、目の前にある仕事をがむしゃらにこなしながら30代を過ごしていました。
ライフステージの変化と偶然の出会い
ー新規事業はクリエイティブな業務で、リブランディングは課題解決を前提に細かい調整を進めていく業務。どちらも手掛けられるオールラウンダーで、キャリアは順風満帆のように見えるのですが、そこから転職を意識し始めたのにはどんな理由があったのでしょうか。
直接的な理由は、ライフステージの変化によって仕事の内容が変わってきたことです。2016年の出産を機に、出張のない業務へシフトさせてもらって、会社として導入したてのリモートワーク制度も利用しながら働いていました。ですが、そういう縛りのある環境化ではどうしてもできることも限られてしまって。デザイナーの図面のサポート、契約関連の調整、経理処理などが主な業務で、時間に余裕があるから「なんで私はここにいるんだろう」と考え込んでしまうこともありました。
もともと、大企業的な個々の社員の裁量の狭さや、承認ルートの長い道のりといった「組織の仕組み」の部分に違和感も感じていたので、もっと自由に、自分のやりたいことをやれる環境で仕事をしたいという気持ちが芽生えていったんです。
ー転職を考えたときに多くの選択肢があるなかで、TOOLBOXを選んだ理由は何だったのでしょう?
ぼんやり仕事を変えたいなとは思っていましたが、いわゆる転職活動はしていないんです。toolboxのことは、他にはないパーツや素材を扱っているECとして仕事でもプライベートでもたまに覗いていて、偶然MDの中途採用をしていることを知りました。
実は自分で、フックやミラーといったパーツの輸入販売業をやろうかなとも考えていました。でも今までやったことがない事業ですし、想像したら色々な制限がありそうだなと思いとどまっていて。そんななか、TOOLBOXのMD募集を目にして、やろうとしていたことに近いし、企業の中なら個人でやるよりも広い範囲の仕事ができそうだし、結果的に多くのお客様に商品を届けることができると考えたんです。
「自分のしごと」を生み出してプロダクトを作るおもしろさ
ー大きな組織から小さな組織へ。仕事の進め方や働くことへの考え方などに変化はありましたか?
働きやすさは向上したし、なにより人に対するストレスが減りました。誰かの承認がないと進まないことがなくなり、自分で考えて自分のペースで仕事ができる環境です。逆に、裁量と責任を持ってすべてのスケジュールを管理して進めなければならないので大変かもしれませんが、私には合っていると思います。
大規模なものを大きなチームで作り上げていた前職では、「これを私が作った」という感覚があまり得られなくて。でも今は自信を持って「自分がこのプロダクトを作った」と感じられます。もちろん、良い商品づくりにはMDチームをはじめとするスタッフの協力は欠かせませんが、自分が主体的に関わっているからそう感じるのだと思います。
前職で什器はたくさん作ってきているので一部の知識は応用できますが、今の仕事はある種のジョブチェンジ。商業施設に関わる空間づくりやものづくりは、とにかくスケジュールがタイトで、頑張って作ったものがなくなってしまうことも多いんです。一方、toolboxの商品は、住まいのなかで長く使ってもらうことが前提。サンプル製作と検証を繰り返して、改良を重ねてリリースするので、同じものづくりでも時間の流れが全然違います。商品が形になるまでのプロセスも違いますが、仕事と向き合うときの心構えや作ったものに対する思い入れといった気持ちの部分も、大きく違うなぁと感じますね。
いつかやってみたいのは「理想のキッチン」づくり
ー今、TOOLBOXでMDチームの一員として仕事をしていますが、具体的にどんな商品に関わっていますか?これからやってみたいことは?
照明やウォールディスプレイパーツなどの商品開発に携わっています。
【入社してから手掛けたプロダクトたち】
カプセルライトとボールライトは、仕入元の事業撤退に伴いtoolboxでリニューアルした商品。廃盤扱いにするのではなく、どうすれば継続販売できるのかを考えて、入荷を待つお客様のためにスピード感を意識してリリースしたプロダクト。
もともとホワイトベースしかなかったミルクガラス照明は、お客様のニーズを読んでブラックベースも追加で開発。大迫もお気に入りのブラックは、プランニング中の自宅にも採用予定。
ウォールディスプレイパーツに、新たなシェイプを追加。存在を主張せず、飾るものを引き立ててくれる「テーパー」など、既存商品のコンセプトを守りながら、空間にあたらしい表情をもたらす商品を生み出した。
いつかは、キッチンの商品開発に携わってみたいです。今、自宅をつくっているのですが、「これが欲しい!」というキッチンにはなかなか出会えなくて。家づくりを自分ごととして体験して、改めて理想のキッチンを製品化できたら...という思いが、今まさにむくむくと湧き上がってきたところです。
オンとオフがなめらかにつながる働き方
ー現在、TOOLBOXではどのようなワークスタイルで働いていますか?仕事とプライベートのバランスは?
基本的には自宅でリモートワークをしていて、サンプルを実際に確認する時や商品撮影の時にオフィスに来ています。出社のスケジュールが決まったら、その日に集中してオフィスでやるべき業務の予定を入れて、効率良く進められるようにしています。
仕事もプライベートも同じラインの上にあって、完全に分けずに、無意識のうちにバランスをとっているような気がします。昔はオンオフを分けたいと思ったときもありましたが、子どもも少し成長して働き方も変化した今は、あえて分けなくてもいいかなと思うようになりました。
「住まい」というくらしと切り離せない事業に携わっていると、自分自身の日々の生活はニーズや課題、発見の宝庫です。日常のなかの「小さな気づき」が商品開発や改善につながって、大きな価値を生み出すことがあるのは、この仕事の面白さのひとつ。自宅づくりをしながら、ついつい仕事のことも考えてしまいます。でも、それが楽しい!今は、それが私の生き方で、自分らしい仕事の仕方なんだと思っています。
TOOLBOXでは一緒に働く仲間を募集しています
TOOLBOXで働くのに向いているのはどんな人?という質問に「型に縛られたくない人。私もそうかもしれません」とにこやかに答えてくれました。最近、休みの日は家づくりのプランニングに没頭しているとのこと。彼女にとって、働く場所でもありくらしの舞台でもあるマイホームが、どんな空間になりこれからどのように変化していくのか、また機会があればご紹介します。
TOOLBOXでは一緒に働く仲間を募集しているので、興味が湧いた方は是非気軽に話を聞きに来てください。