■ 令和初日、小さな一歩から
2019年5月1日――令和初日。
世間が新しい時代の幕開けを祝う中、私は「令和ホルモン」という飲食店を、ひっそりとオープンしました。
特別なマーケティング予算はなく、頼れるのはSNSだけ。
でも「ちょっとおもろいことをやろう」と思ってつけた店名と雰囲気が話題になり、気づけばSNSで拡散。
Yahoo!ニュースにまで取り上げられました。
しかし、このニュースが会社に知られ、副業禁止規定に触れたことで、会社を退職することに。
ショックもありましたが、同時に「自分の力で食っていく覚悟」を決めた瞬間でもありました。
振り返れば、これがすべての始まりでした。
■ フルーツ大福で全国へ
会社員を辞めて次に挑んだのが、「金沢フルーツ大福 凛々堂」。
フルーツを丸ごと包んだ断面が美しい大福は、まさにSNS映えする逸品。
Instagramに投稿した写真や動画は瞬く間に拡散され、オープン初日から行列ができるほどに。
その勢いのまま、1年で全国19店舗へ展開しました。
ここで学んだのは、「商品やサービスが本当に魅力的であれば、SNSは強力な武器になる」ということ。
単なる広告ではなく、体験そのものがユーザーに“語らせる”仕組みを作ることが、ビジネスを大きく動かす鍵でした。
■ くまの手が出てくるカフェ
2022年には「ANAKUMA CAFE」を立ち上げました。
壁の穴から“くまの手”がコーヒーを手渡す、というちょっと変わった仕掛け。
これが海外SNSでバズり、1200万回再生を突破。
来店客の半数以上が外国人という日も珍しくないほど、世界中から注目を集めるお店になりました。
この時、「おもろい体験」は言語や文化を超えると確信。
観光やインバウンドの世界においても、エンタメ性やユーモアは最大の武器になると感じました。
■ まちアカ誕生 ― 地域の魅力を再発掘
こうした経験から立ち上げたのが「まちアカ」プロジェクトです。
これまで私は、飲食・スイーツ・カフェといった事業を通じて、まちに賑わいを生む瞬間をいくつも見てきました。
その中で痛感したのは、「地域にはまだまだ眠っている魅力やストーリーがある」ということです。
「まちアカ」では、SNS・リアルイベント・コミュニティを掛け合わせ、地域の“やってみたい”に火をつけます。
地元の人たちと一緒に、まちを盛り上げる仕掛けを考え、全国へ、そして世界へ届けていく。
それはただの集客活動ではなく、地域そのもののブランド化でもあります。
■ 目指す未来
私の原動力はシンプルです。
「日本をおもろくする」。
地方の商店街でも、観光地でも、小さな集落でも、面白い体験が生まれれば、そこに人は集まり、経済も動く。
そしてそれが地域の誇りになり、世界中の人が訪れたくなる場所になる。
これからも私は、日本全国の“おもろいこと”に挑戦し、地域と人を笑顔にしていきます。
SNS、リアル、コミュニティをかけ合わせた仕掛けで、もっとワクワクする日本をつくる。
その先には、世界から愛される「おもろい日本」がきっとあると信じています。