水戸ホーリーホックとのシルバーパートナー契約締結のお知らせ~「挑戦」を軸とした価値観の共鳴で地域発展と次世代育成を支援~
Marvel株式会社のプレスリリース(2025年9月12日 10時00分)水戸ホーリーホックとのシルバーパートナー契約締結のお知らせ~「挑戦」を軸とした価値観の共鳴で地域発展と次世代育成を支援~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000150941.html
こんにちは、FLARETECH株式会社(旧:Marvel株式会社)広報の渡邊です。
2025年9月、当社は水戸ホーリーホックとシルバーパートナー契約を締結いたしました。
水戸ホーリーホックは茨城県を拠点とするプロサッカークラブであり、1994年に創設されたJリーグ加盟クラブです。現在はJ2リーグに所属し、茨城県央・県北エリアの15市町村をホームタウンとして地域住民やサッカーファンから愛され続けています。
現在まではJ1の舞台に立ったことがない水戸ホーリーホックですが、2025年11月29日の最終戦を控え、クラブ史上最も重要な局面を迎えています。
この記念すべきタイミングで、水戸ホーリーホックの小島社長にお時間をいただき、クラブの現状や地域への想い、そして今回のパートナーシップについて詳しくお話を伺いました。
IT企業とサッカークラブという一見異なる業界同士のコラボレーションですが、そこには共通の価値観と未来への展望がありました。地域密着型クラブ運営に関すること、茨城県の魅力、そして両社が目指す社会貢献まで、幅広くお聞きした内容をお届けします。
株式会社フットボールクラブ水戸ホーリーホック 代表取締役社長 小島 耕 様
ⒸMITO HOLLYHOCK
こんな人におすすめ
クラブ創設31年目、念願のJ1昇格が目前に
──水戸ホーリーホックの現在の状況や今シーズンの目標について聞かせてください
──茨城県という地域において、水戸ホーリーホックはどのような存在でありたいと考えていらっしゃいますか
地域密着の真髄:プラットフォームとしての役割
──地域密着型のクラブ運営で特に大切にしていることはありますか
──実際に地域の方との交流の機会ってどのように設けられているんですか
「スポンサー」ではなく「パートナー」
──水戸ホーリーホックにとって、スポンサー企業の存在はどのような意味を持っているのでしょうか
──今回FLARETECH株式会社とのパートナー契約の決め手となったポイントを教えてください
──IT企業とサッカークラブという一見異なる業界同士のパートナーシップですが、どのような可能性や相乗効果を期待されていますか
地域のDX推進とスポーツクラブの役割
──地域のIT化やDX推進において、サッカークラブとしてどのような役割を果たせると考えていますか
茨城県の隠れた魅力を全国に発信
──茨城県の魅力や可能性について、県外の方にどのようにアピールしたいですか。
若い世代への想いと故郷への回帰
──今後、地域の若い世代に向けてどのようなメッセージを発信していきたいですか。
未来への展望:共に歩むパートナーシップ
──FLARETECHとのパートナーシップを通じて、今後どのような取り組みや活動を予定されていますか
──最後に、FLARETECH株式会社の社員やIT業界で働く方々に向けてメッセージをお願いします。
おわりに
※インタビューは10月23日に実施しています。インタビュー当時は当社社名は「Marvel」でしたが、以降「FLARETECH」と表記いたします。
小島さま:クラブ創設31年目、J2に挑戦して26年目を迎えるんですが、本当にこのタイミングでこの順位に立てているのは初めてのことで、いよいよJ1昇格が現実的に見えてきました。クラブ全体が非常に充実した毎日を過ごしており、選手やスタッフ一同、これまでにない手応えを感じている状況です。
小島さま:私たちは現在、県央・県北エリアの15市町村をホームタウンとして、人口約101万人から102万人のエリアを拠点にしています。そこに住む子どもたちだけでなく、本当にすべての年代の皆さんが、日々の生活の中で水戸ホーリーホックと触れ合うことで楽しい時間や充実した時間を過ごしていただけるような存在でありたいと思っています。
我々のブランドプロミスは「新しい原風景をこの街に」という言葉で表現しているのですが、いくつになっても人生を変えるような体験や風景を提供したい。それはトップチームの試合だけでなく、我々の様々な活動を通じて、水戸ホーリーホックに触れていただく時間の中で、地域の人々に彩りや充実感を与えられるような存在になっていきたいと考えています。
小島さま:当然、トップチームが今年のように強ければ、シンプルにそれで注目を浴びることができます。しかし、そうでない時の方が、やはりどのクラブも多いと思うんです。常に勝っているクラブというのはそれほど多くないわけで、そういう時に我々が大切にしているのは、この地域の皆さんとたくさんのコミュニケーションの接点を作ることです。
その中で皆さんがスポーツに触れる喜び、サッカーに触れる喜びを感じていただけるような時間を作ったり、地域の人同士のコミュニケーションの時間を作ったり、パートナー企業の皆さんと地域の皆さんとの接点を作ったりしています。我々は一つの大きなプラットフォームとして、そこに参加していただいた皆さんが水戸ホーリーホックを活用していただけるような場所になれるよう心がけています。
小島さま:子どもたちに向けては、サッカー教室やサッカースクールを開催しており、現在県内8拠点のサッカースクールに約800名のお子さんたちに通っていただいています。
試合を観戦して応援していただくのもコミュニケーションの一つですが、それ以外にも大人向けのワンデー教室や親子で参加できるサッカー教室なども定期的に開催しています。また、幼稚園や小学校での巡回授業も積極的に行っています。
特徴的な取り組みとして、各15市町村にPR大使を配置しており、それぞれの選手が担当の市町村を持って、工夫を凝らしたPR活動を展開しています。選手たちが各市町村の皆さんと一緒になってPRを行うことで、地域の皆さんとのコミュニケーションを深めています。このように、様々な手段やツールを活用して交流の機会を創出しています。
渡邊:選手自らも多様なPR活動に尽力されているんですね!
小島さま:そうです。先日も、私たちの練習場がある城里町のPR大使活動に私も一緒に参加したのですが、担当の選手たちが『城里町の日』(11月9日開催)に向けて、メニュー開発したコーヒーやスイーツを当日の試合会場で販売するという企画を進めていました。このように、私たちのクラブを活用していただいて、町のPRに少しでも寄与できるような活動を積極的に行っています。
スタジアムや各地域には積極的に出向く小島さん ⒸMITO HOLLYHOCK
小島さま:私たちは『スポンサー企業』とは呼ばずに、『パートナー企業』と呼ばせていただいています。まさに一緒になって歩んでいく存在だと考えているからです。
当然、私たちはパートナー企業の皆さんに支えていただいているのですが、同時に私たちもパートナーの皆さんに何かお返しをしなければならないと思っています。パートナー企業さんの課題解決を一緒に手を取り合って進めることで、お互いが前進していく。本当にファミリーとして活動していけるような立ち位置だと捉えています。
ですから私たちとしては、パートナー企業の皆さんが水戸ホーリーホックをどう活用できるか、水戸ホーリーホックの力を使うことで企業様にどう寄与できるかということを、日頃のコミュニケーションの中で模索し、そこから生まれるご縁を大切にしています。
渡邊: ありがとうございます!
実際に、当社もその効果を実感しています。以前、水戸ホーリーホックの試合を社員数名で観戦した際、試合を見に行ったメンバー同士の絆が深まっただけでなく、その試合のレポートを社内ブログで公開したところ、今までにない人数の社員がその記事を閲覧し、リアクションをしてくれました。既にスポーツの力で、水戸ホーリーホックの力で社内が盛り上がっている実感を得られています。
小島さま: ホームゲームでは、皆さまに非日常空間を提供する場でありたいと思っています。普段のお仕事の関係でお付き合いされている皆さんが、そういった場所に一緒にお出かけいただき、特別な時間を体験していただくということは、私たちにとっても非常にありがたいことだと感じています。
小島さま:私自身、オフィスにも伺わせていただいて、社員の皆さんが非常にエネルギッシュで、特に社長の河畑さんは、言葉は静かなのですが、一つ一つの言葉に力があって、会社の未来を描く言葉の力強さに私も感銘を受けました。
一緒に組ませていただいて、FLARETECHさんの前進に寄与できたらいいなと思いましたし、どんどん大きな会社になっていただき、どんどんFLARETECHさんのロゴが私たちのスタジアムの各所に掲出されるような未来が描けるのではないかと思いました。そうした可能性を感じたからこそ、私としてはぜひ手を結ばせてくださいとお願いした次第です。
小島さま:新しい価値観や、お客様に喜んでいただきたいという想い、そういったベースの部分はあまり変わらないので、逆に私は全く異業種だとは思っていません。
ましてや、御社の社員の皆さんもお若い方ばかりで、先ほどおっしゃっていただいたように、内側のブランディングとして、スポーツチームを応援しているという喜びを共有したり、一体感を醸成していただけることが私としては嬉しいですね。私たちもチームの勝利や、そういう興奮や感動を味わいたくてこの場所にいるスタッフも多いですから。そういうところから一緒に歩み出せる共通項があるのではないかと思います。
御社のエンジニアさんも、新しいサービスや価値観を創造することで社会を変えるといった、かなり大きな大義を持った方も多いと思うので、そこが私たちと変わらないのではないかと思います。
小島さま:やはり私たちも普通の一般企業なので、そういった社会のトレンドやスタンダードに対しては、もっと敏感でなければいけないと思っています。
とはいえ、スポーツ界全般としては、少し旧来の社内ムードや経営体制が往々にして見られがちなのも事実です。しかし、社会全体が今後、雇用の問題や経営効率化といった課題に直面している中で、DXやIT推進というものは避けて通れないと思っています。
ですから私たちとしても、業務の特殊性は認めながらも、一般的な社会スタンダードに追いついていくという姿勢を見せていく会社でなければ、当然、他のスポーツクラブからも選ばれない存在になりますし、もっと言えば、社会からも選ばれない存在になってしまうと思います。
このあたりは、私たちも非常に感度高く、皆さんのような会社さんからご指導いただきながら、ついていかなければいけないと考えています。
選手たちと各地域へ表敬訪問をしているときのお写真も共有いただきました!
ⒸMITO HOLLYHOCK
小島さま: そうですね!東京からも近いですし、県外在住のスタッフも、うちの3分の1以上を占めています。つまり、近いがゆえの利点がたくさんあって、観光資源も豊富で、食べ物もおいしいんです。今はちょっとPRが下手なところがあるかもしれませんが、先ほど申し上げた通り、私たちがプラットフォームの役割として、しっかりと発信していけるようになりたいと思っています。
まだまだ正直なところ、私たちのチームのファン・サポーターの方に来ていただいても、日帰りで帰ってしまう方が多いので、泊まっていただいて、観光していただいて、おいしいものを食べていただく。そういう観光大使的な立ち位置をクラブが果たしていければ、もっと魅力を発信できると思います。皆さんにもっと見ていただきたい魅力がありますし、そういったところはもったいないと思いながら、私たちもそういった存在になっていきたいと思います。
渡邊: 応援していただいているサポーターの方々に宿泊していただいて、地域そのものの魅力を堪能していただけるのは非常に理想的ですよね。
小島さま: 今、Jリーグには『アウェイツーリズム』という言葉があって、例えば週末の朝の東京駅や羽田空港に行くと、いろんなJクラブのユニフォームを着たサポーターたちが、様々な地方に応援に行くというカルチャーがあります。逆に言うと、地方から東京という首都圏に応援に行くカルチャーもあって、本当に全国を動き回る文化がある中で、水戸もそういう意味で選ばれる存在になりたい。まだまだその部分は伸びしろがあると思います。
渡邊: ちなみに小島さまの個人的な水戸の見どころは?
小島さま: これから寒くなってくるとアンコウ鍋を出すお店が多くなってきます!美味しいですよ!私は年に一回くらいしか食べませんが(笑)
あとは秋になると笠間の栗を使ったモンブランとか。観光地でいうと国営ひたち海浜公園のコキアは週末の朝でも大渋滞です。夏は海水浴もありますし、観光資源はたくさんあります。本当に東京から近いので、手軽に来ることができます!なぜか皆さん、東京の方は西の神奈川や静岡に行きがちですが、ぜひ北に上がっていただきたいと思います!
やはり「茨城に行った」と言っても、「箱根に行った」と言うよりも月曜の職場での受けが悪いんでしょうかね…そういったイメージから変えていきたいと思っています。
渡邊: 確かに、箱根って聞くだけで「=温泉」と繋がりますしね…。その一環として「水戸へ行った=水戸ホーリーホックの応援」に繋がるといいですね!
小島さま: まさしく!観光資源の一つにもなっていきたいと思っています。
小島さま: 私もそうでしたが、高校まで茨城にいて、大学で東京に出て、そのまま戻ってこない若者が多いというのが事実なんですよね。なので、プロスポーツがあるがゆえに、『茨城で仕事してみよう』とか、もっと言うと『茨城に帰ってくる回数を増やそう』とか、そういった若者が増えていくような存在になりたいと思います。
逆に言えば、私も一周回ってずっと東京で仕事をしていて、なかなかそういう感覚にならなかったんですが、少し年を重ねて、故郷の良さや、見離せない自分の感情みたいなものは絶対にそこにあるので、そこをもっとくすぐるような、プロスポーツがくすぐるような存在になっていきたいと思っています。
今は本当に、試合が終わって自宅に帰るときなどに、電車の中で、東京で働いている茨城出身の若者たちが水戸まで戻ってきてくれている、そういう風景がすごく嬉しいと思いますし、そういう人たちをどんどん増やしていきたいと思います。
渡邊: 今のお話の中でも、小島さま自身が東京でずっとお仕事をされていたというところで、故郷の良さを感じておっしゃっていましたが、実際にそれを今、地域活性化のような仕事をやろうと思った決意のきっかけは何だったんですか。
小島さま: 私も勝手なイメージで、少し閉鎖的で、一度東京に出て行ってしまったから、茨城に戻って仕事をするハードルが高いかなという感覚があったのは事実なんです。
しかし、実際に働いてみると、かつて若かりし頃の感覚や、野心に満ちた感情が戻ってきて、どちらかというと、東京から戻ってくると、なんとなくこの地域に諦めている人も多い中で、私から見るとまだまだすごく魅力があるということに気づいた部分もあって、それを自分自身がプロスポーツという仕事を通じて広げられたらいいなと思ったのが、最初の第一歩だったと思います。
小島さま:まずは御社の中で皆さんが共通の話題や共通の趣味にしていただけるように、まずはこのチームが強くなることが、多分それが一番ポジティブな話題になると思いますので、そういった存在を目指していきたいと思います。
その中で、御社のビジネスが発展・前進していただいて、先ほど申し上げた通り、さらに熱く長くご支援いただけることが一番良いと思っています。それと同時に、何か一緒にできる取り組みや、社会課題の解決といったことを共に見つけながら、理想を形にする活動ができればいいなと思います。
例えば、先ほど申し上げた通り、IT教育やDXの推進といった部分では、地域の子どもたちにも必要性があると思うので、そういったものをもしかしたら一緒に手を取り合ってやっていけるとか、そういったことに踏み込んでいければいいなと思います。
また、社長さんもサッカーをやられていたので、サッカーという競技が勝利に向けて簡単ではない作業の積み重ね、簡単ではない日々の積み重ねで、チームが一つにまとまって勝利に向かっていくという苦労を河畑さん自身が経験されてきたと思うんですね。当然、私たちのそういったところにもシンパシーを感じていただいたと思いますし、だからこそ一緒に頑張っていこうと手を取り合うという関係になれたと思います。スポーツ経験者であったことや、スポーツが好きでその難しさや喜びを知っている社長さんだったからこそ、この短期間で一緒に握手することができたのではないかと私は思っています。
小島さま: どの業界でも社会が複雑になってきているので、私たちサッカークラブも感動や興奮、熱狂という無形の価値を生み出すことが重要な仕事の一つだと思っています。
皆さんも経済的なベネフィットだけではなく、社会への貢献や世の中を変えるサービスを生み出すといった、大きなビジョンや思いをお持ちだと思うんです。そういった志を一緒に、常に目の前に掲げながら仕事をしていけたら良いのではないかなと思います。
そして心が疲れたときは、ぜひ水戸ホーリーホックの試合を見ていただいて、心を清らかにして、また月曜日から頑張っていただけるといいのではないかと思います。
今回のインタビューを通じて、水戸ホーリーホックが単なるサッカークラブを超えた、地域の「プラットフォーム」としての役割を果たしていることが深く理解できました。
小島社長のお話からは、地域と共に歩み続ける強い意志と、茨城県の魅力を全国に発信したいという想いが伝わってきます。
創設から31年間、その長い歴史の中で培われた地域との深い絆、そして「新しい原風景をこの街に」というブランドプロミスに込められた理念は、多くの人々の心を動かす力を持っていると感じました。
FLARETECHと水戸ホーリーホックのパートナーシップは、IT企業とサッカークラブという枠を超えて、共通の価値観を共有する関係です。スポーツが持つ人と人を繋ぐ力、組織の一体感を醸成する力は、ビジネスシーンにおいても大きな価値を生み出すことを、私たち自身も実感しています。
11月29日の最終戦を控えている水戸ホーリーホック。
私たちは心から応援しています。
この記事を読んでくださった皆さんにも、ぜひ水戸ホーリーホックの挑戦を見守っていただき、茨城県の隠れた魅力を発見していただければと思います!
最後までご覧いただきありがとうございました!