こんにちは。佐藤carboと申します。
皆さんは、新しい技術が登場したとき、どんな気持ちになりますか?
ワクワクする反面、「自分についていけるだろうか」という不安を感じることもあるでしょう。この連載では、2025年でRPA(※)歴8年を迎える私が、1年目から現在に至るまでの成長や失敗の経験を振り返りながら、皆さんにお伝えしています。
今回は、生成AIの進化が目覚ましい今、RPAエンジニアとしてどのようにスキルを磨き、未来に向けて価値を提供していくべきかを、私自身の体験も交えながらお話しします。
(※RPA:「Robotic Process Automation」の略語。パソコンで行っている様々な作業を自動化できるソフトウェアロボット技術)
急速に進化する生成AIの衝撃
2022年末、ChatGPTが登場し、世の中に大きなインパクトを与えました。
その後も画像生成AIや音声合成AIなどが次々と登場し、技術の進化はまさに目を見張るものがあります。
私自身、正直なところ、最初は半信半疑でした。
「本当にそんなにすごいのか?」「使えるのは一部の分野だけではないか?」と。
しかし、業務でRPAを使う中でも、「もっと柔軟に情報処理ができれば」「人の判断を代替できるようなロボットが作れたら」と考える場面が増えていたため、生成AIにはどうしても興味を抱かずにはいられませんでした。
そこで私は、業務とは別に、生成AIを自分の手で使ってみようと決意しました。
個人的挑戦:生成AIでLINEスタンプを作る
私が最初にチャレンジしたのは、LINEスタンプ作成でした。
「どうせなら楽しく勉強しよう!」と思ったのがきっかけです。
画像生成AIを使ってキャラクターイラストを作り、それを編集してLINEスタンプに仕上げる。
当時はまだ画像生成AIも発展途上でしたが、それでも想像以上にクオリティの高い絵を出してくれました。
もちろん、一発で思い通りの画像ができるわけではありません。
何度もプロンプト(指示文)を調整し、修正し、イメージに近づけていきました。
それでも、「自分一人では絶対に描けなかったレベルのイラスト」が短時間で生まれるのを見たとき、私は衝撃を受けました。
「これが生成AIの力か……!」
この体験は、私にとって単なる趣味を超えた、大きな気づきとなりました。
創造的な作業でさえ、AIは人間のサポート役となりうる。
そして、発想力と技術を組み合わせれば、個人でも新しいものを生み出せる時代が来たのだと。
RPAエンジニアとして、これから求められるスキル
この経験を通して、私は改めて考えるようになりました。
RPAエンジニアは、単なる「作業自動化の技術者」ではいられないと。
これからの時代に必要なスキルは、以下のように変化していくと感じています。
- 生成AIを活用できるリテラシー
単にAIを恐れるのではなく、どう使いこなすかを考える力。 - システムや業務全体を俯瞰する力
「ここをAI化すれば効率化できる」という視点を持つこと。 - 人との対話力と要件整理力
AIだけで完結できない仕事も依然として多く、人間同士のコミュニケーションはますます重要になる。 - 問題発見・解決のクリエイティビティ
「今あるものをより良くする」「新しい使い方を提案する」といった創造力。
要するに、単なるロボット開発スキルにとどまらず、「AIと人の橋渡し役」になれるかどうかが、これからのRPAエンジニアの勝負所だと思っています。
業務への活用:AI+RPAの未来
実際に私たちの現場でも、少しずつ生成AIとRPAを組み合わせた取り組みが始まっています。
現場で「オフィス用GPT」が運用開始されたのは、先月お話した通りです。
さらに今年はより進んで、もっとAIを使って業務を改善していこう、とあるAIサービスを使ったプロジェクトも発足しました。
もはやAIとの協業、AIの活用は避けられないどころか、この流れは加速していくことでしょう。
これからは「人間しかできない」と思われていた作業が、どんどん自動化可能な範囲に入ってきます。
RPAエンジニアが「設計者」から「プロデューサー」へと進化する時代が始まろうとしているのかもしれません。
未来への決意:進化を恐れず、飛び込む
技術の進化は止められません。
むしろ、進化をチャンスとして受け入れ、活用していくことこそが、今後エンジニアとして生き残る道だと私は思います。
AIの進化は凄まじく、以前はできなかったことがたった1ヶ月で人間以上にできるようになっていることが当たり前に起こります。先日もChatGPTが画像生成で○○風(ジブリ風など)の画像を自然に生成できるようになったことが大きな話題になりました。
LINEスタンプ作成を通じて私が体感した「AIのすごさ」は、単なる脅威ではなく、可能性の象徴でした。
これからも、仕事でもプライベートでも、新しい技術に飛び込む勇気を忘れず、進み続けたいと思います。
そして、「RPA×AI」で、もっと面白いことを生み出していける、そんなエンジニアでありたい。
これが、今の私の素直な気持ちです。
これまで全8回に渡ってお送りしてきた連載、いかがでしたでしょうか?
RPAの開発現場のリアルを上手くお伝えできていれば、そしてこれを読んでいる人の中に興味を持って一緒に働きたいと思ってくれる人がでてきてくれたらとても嬉しく思います。
次回からは少々趣向を変えて、今回お話した「LINEスタンプ作成」についての苦労や苦悩、売上などについてお話したいと思います。
次回:「LINEスタンプ作成記」
それでは、また次回お会いしましょう!