介護請求代行サービス『ケアチーム』を提供する雲紙舎は、昨年12月に企業理念を改定しました。今回は、同サービスの本格運用開始から1年足らずのタイミングで、なぜ企業理念をアップデートすることになったのか、介護業界の「超」生産性の向上に挑戦する代表の長屋がその背景を詳しく語ります。
目次
ーはじめに
ー経営理念(ミッション)を改定した背景について
ー新しい行動方針(スタイル)に込めた想い?
ー最後にケアチームで働いてみたいとお考えの皆さんへ
ーはじめに
企業理念(ミッション・スタイル)を改定の内容としては、以下の通りです。
- 理念体系(構造)を変更 (Vision,Mission,ValueからMission,Styleへ)
- 使命・存在意義として、ヴィジョンとミッションを一体化
- 行動指針として、バリューをスタイルへ変更
【新・企業理念】
ミッション:介護業界の「超」生産性の向上に挑戦する
スタイル: 我々は自立したプロである
プロスポーツのようにチームで勝利する
神は細部に宿る ー品質に妥協しないー
【旧・企業理念】
ミッション:事務作業に追われない働きやすい介護業界の実現
スタイル: チームで協力して成果を上げよう
教え合い、分かち合おう
変化を受け入れ積極的に楽しもう
これまで雲紙舎の1部門だった介護請求代行サービスにリソースを集中投下し、主力事業として2024年4月にサービス名称を「ケアチーム」へ一新した際の最初のMVVです。
ー経営理念(ミッション)を改定した背景について
個人的には「ミッション」と「働く環境や条件」は同じぐらい重要ですが、皆さんにとってはいかがでしょうか。後者の目先のことも非常に大切ですよね。会社はあくまでもフィクション、概念的なものに過ぎません。弊社がどこかの大手企業に買収されて、その結果、働く環境やスタッフの収入がより良くなることも起こり得るでしょう。
しかしながら、今あえてミッションを改定した理由は、2022年に登場した生成AIの影響が大きいです。もちろん現在のケアチームのサービスも、介護業界の生産性向上に大きく寄与していると確信を持って言えます。例えば、制度の理解が足りない事業所の請求業務を代行することで、事業所の売上向上や本来業務への集中が可能になるからです。しかし、生成AIの影響は、日本に住んでいるとまだ実感が沸かないかもしれませんが、あらゆる産業の一般事務をほぼ無くしてしまうことになると感じています。
近年、人の暮らしをサポートするヒューマノイドの研究開発が注目されてます。すぐにでも量産化され、乗用車1台分の価格で一般家庭に導入されるようになると期待されています。
生成AIのおかげで、ロボットが家事代行をしてくれる世界がもう間もなく訪れようとしています。まるでドラえもんの世界のようですよね!生成AIが一般事務を代替する日は、もっと早いでしょう。
10年後にケアチームで働くスタッフが、単純な入力作業やある程度の制度理解や加算算定の判断を出来るだけではなく、介護報酬や診療報酬のプロフェッショナルとして活躍していること。そのために、スタッフの誰もがAIを活用した働き方が出来るように、ケアチームの進む方向性を定めていく必要があると強く認識しています。今のままでは、10年後のスタッフが「AI失業」してしまうかもしれません。町の本屋さんやレンタルビデオ屋さんが消えていったように。
ー新しい行動方針(スタイル)に込めた想い?
「我々は自立したプロである」
→「自立の意識を持つ」と「自立の意識を持たされる仕組み」の両輪が大切です。スタッフに主体的に動いて欲しいとリーダーが一方的に思うだけではなく、スタッフが主体的に動きやすい環境(一気通貫)をリーダーや会社側が用意する。ケアチームの全員が、切磋琢磨してユニットを盛り上げていく必要があると感じています。
「プロスポーツのようにチームで勝利する」
→子育てや親の介護等でも皆で協力し合える働きやすい職場でありたい。日中のスタッフが対応しきれなかった仕事は夜専門のスタッフが対応したり、その逆も然りです。リーダーはスタッフを気遣い、スタッフは仲間やリーダーを気遣うことで、ユニットのパフォーマンスを最大化していけると信じています。
「神は細部に宿る—品質に妥協しないー」
→結果に向き合うこと、その姿勢が大切です。労働集約的な仕事のミスの大半はうっかりミスです。誰誰さんが~といった人に原因を求めていくのではなく、うっかりミスが起きやすいプロセスや仕組みに注目し、それを改善していくことが肝要です。
ー最後にケアチームで働いてみたいとお考えの皆さんへ
10年後、もしかしたら介護請求も含めてバックオフィスの代行サービスは無くなってしまうのではないか。そんな不安を覚える方もいらっしゃるのではないでしょうか。私自身も今の事務の仕事スタイルは維持されないだろうと予測し、会社の方向性を舵取りしています。
遠くない将来、私たちの仕事は介護報酬や診療報酬のプロフェッショナルとして、AIのワークフロー構築や見直し、AIの仕事ぶりのチェックやフィードバック、今まで3人で1顧客を担当していたところが1人や2人で1顧客対応へと変わっていくことでしょう。
人手不足が深刻な介護業界では、生産性の向上が喫緊の課題です。弊社は、社会的使命として介護業界の「超」生産性の向上に取り組んでいます。ケアチームを利用する介護事業所のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、さらにはAIの恩恵を得られるサービスへと発展させていきたいと考えています。そして介護業界における持続可能な仕組みを構築してみたい、そんな意欲と能力を持った方とぜひお話が出来ればと思っています。