営業の世界は、いま大きな転換期を迎えています。これまでの「訪問してなんぼ」「気合と根性で数字を作る」といった営業スタイルから、「誰がやっても再現できる仕組みで勝つ」営業へ。
株式会社Marooでインサイドセールスディレクターを務める藤島さんは、仙台から全国の企業をリモートで支援し、営業組織改革の最前線に立っています。営業の仕組み化とは何か。なぜMarooを選んだのか。営業3.0時代に求められるインサイドセールスの本質について、お話を伺いました。
目次
営業組織を支援する藤島さんのキャリアの歩み
営業組織を「仕組み」で作るMarooとの出会い
営業は「人」ではなく「仕組み」で勝つ時代へ
成長を実感した瞬間「Marooに変えてよかった」の顧客の声
入社からわずか2カ月でディレクターへ───Marooで働く魅力は営業組織を「上流から実行まで」支援できる点
Marooに対するモチベーションが社会人になってから一番高い
営業組織を支援する藤島さんのキャリアの歩み
───まずは自己紹介と、これまでのご経歴を教えてください。
藤島と申します。宮城県仙台市出身で、現在も仙台に在住しています。完全フルリモート体制で、全国のクライアントに対し営業支援を行っています。営業キャリアは約8年、そのうちインサイドセールスには4年間携わってきました。キャリアのスタートは、スマートフォンや通信回線の法人営業です。
当時は、従業員10名以下の中小企業を中心に訪問営業をしており、「ガラケーからスマートフォンへの切り替え」を提案したり、スマートフォンにLINE WORKSを導入して業務効率化を支援するような提案営業を行っていました。ただ、より大規模な企業や、テクノロジーを活用した先進的な営業活動に関わりたいという思いが強くなり、SDR(Sales Development Representative)としてインサイドセールス領域にキャリアをシフトしました。
その後はSaaS企業でインサイドセールスに従事し、フリーランスとして独立。2025年2月よりMarooに業務委託として参画し、同年7月から正社員となりました。複数の企業と並行して関わる中で、Marooだけは明らかに「裁量の広さ」と「責任領域の深さ」が際立っており、単なるプレイヤーとしての稼働ではなく、営業組織そのものの変革に携わっている実感を得られたことが、正社員としてのジョインを決断する大きな要因でした。
───なぜ業務委託から正社員になったのでしょうか?
当初は業務委託か正社員かといった雇用形態には特にこだわっていませんでした。しかし、複数の企業案件に関わる中で、「自身のキャリアを本質的に成長させるならMarooだ」と実感するようになりました。Marooでの経験が今後のキャリアの中核になると確信し、正社員として正式にジョインする決断をしました。
フリーランスとして独立した際には、「時間や場所に縛られずに働きたい」「さまざまな企業の営業手法を見てみたい」と考えていましたが、実際に一社に深くコミットすることで得られる成長のスピードや学びの質の違いを強く感じています。
営業組織を「仕組み」で作るMarooとの出会い
───Marooに興味を持ったきっかけは何ですか?
最大の理由は、代表の山梨から直接学びたいと強く感じたことです。
独立後、さまざまな企業の営業支援スタイルや思想に触れる中で、山梨の営業に対する知見と理論の深さは群を抜いていました。特に印象に残っているのが、「インサイドセールス1.0/2.0/3.0」の概念です。
1.0は属人的なテレアポ型のインサイドセールス、2.0はSalesforceなどのSFAを活用した営業プロセス設計、そして3.0は、トッププレイヤーの行動をテンプレート化し、自動化するステージです。Marooはまさに、この営業3.0の実現に取り組んでいる組織であり、その思想に非常に惹かれました。
営業が「個人のスキル」に依存する時代から、「組織として再現性のある仕組みを構築する」時代へと変化している中で、Marooはその変革の最前線にいると感じたのです。
───実際に面談してみて、どんな印象を持ちましたか?
面接では、限られた30分の中にもかかわらず、アウトプット量と内容の濃さに圧倒されました。特に印象的だったのは、インサイドセールスエンジニアリングについての熱量ある説明で、Marooが単なる営業代行ではなく、「営業組織そのものの仕組みを構築する会社」だと強く実感しました。
山梨から「営業とは作業の切り売りではなく、再現性ある組織づくりである」と語られた言葉は、これまでの営業に対する常識を覆されるような体験でした。
一方で、最近はAIの進化に対して少なからず脅威を感じています。「今の自分の業務はAIに代替されてしまうのではないか」という不安があるからです。だからこそ、AIに代替されにくい領域で専門性を深めていきたいと考えるようになりました。
具体的には、AIを“使う側”に回ること。たとえば、Wevoxのようなツールを活用した組織改善やエンゲージメント向上のためのコンサルティングなど、構想や設計といった上流工程に携わるキャリアを目指したいと考えています。
営業は「人」ではなく「仕組み」で勝つ時代へ
───現在の具体的な業務内容を教えてください。
インサイドセールスディレクターとして、クライアント企業のインサイドセールス組織の立ち上げから支援しています。商談創出におけるプレイヤー業務も担っていますが、それにとどまらず、営業プロセスの設計やCRM(顧客管理システム)の構築といった上流工程から、仕組みづくり全体に関わっています。
営業組織の立ち上げ初期では、「まずはアポイントを取ることが最優先」という短期的な発想に偏りがちです。しかし、それでは持続的な成長やスケーラビリティは実現できません。だからこそ、Marooでは営業プロセス全体を構造的に設計し、最適化することに注力しています。
───具体的に「仕組み化」とはどういうことですか?
CRM上に「シーケンス」を設計・実装し、営業プロセスの一部を自動化しています。たとえば、リードに対してどのタイミングでどのアクションを行うかをシステムで制御し、誰が対応してもトップセールスと同等の行動が再現できる状態を構築しています。属人的な手法から脱却し、再現性のある営業活動を仕組みとして実現する。これが私たちが定義する「営業3.0」です。
従来は「成果を出している営業パーソンの録音を聞いて学ぶ」といった属人的・暗黙知ベースの育成が一般的でしたが、Marooでは成果の根拠となる行動そのものをプロセスに落とし込み、ナレッジを明文化・標準化することで、誰でも同じ成果を出せる状態を目指しています。
正直なところ、SDR(Sales Development Representative)の業務は、今後マッチングサービスやAIによって代替されていく可能性があると考えています。たとえば、適切なソリューションをAIがトラッキングし、最適なタイミングで自動提案するような世界観も現実味を帯びてきています。資料請求後の架電や一次対応といった業務は、今後AIやチャットボットに置き換わっていくでしょう。
一方で、ウェビナーを通じたコミュニケーションや、相手の課題に深く踏み込んだ提案といった高度な対人対応は、引き続き人間の役割として残ると見ています。特にBDR(Business Development Representative)の領域では、「仮説構築力」が極めて重要になります。顧客の発言の背景やニュアンスを汲み取り、最適な切り口で返すといった対応は、まさに人間ならではの価値提供です。
成長を実感した瞬間「Marooに変えてよかった」の顧客の声
───ご自身の成長を感じたことはありますか?
特に成長を実感しているのは、前職(SaaS企業のSDR)で“常識”として身につけていた手法や考え方が、Marooで次々にアップデートされている点です。たとえば、メールの文章量については、前職では「読了率を考慮して400文字以内に抑えるべき」と指導されていました。しかし、「内容に価値があれば長文でも読まれる」という前提で、実際に500〜1000文字のテンプレートを使ってみたところ、きちんと成果が出たんです。まさに、これまでの固定観念が覆される“アハ体験”の連続です。
また、「インサイドセールスでは必ず相手の役職を聞くべき」と思い込んでいたのですが、「役職ではなく“役割”を聞けばいい」と指摘され、その意図に納得しました。役割であれば相手も答えやすく、より実務に直結したヒアリングが可能になります。こうした気づきの積み重ねが、日々の学びと成長に直結していると感じています。
───インサイドセールスの立ち上げをする中で、どんなやりがいがありますか?
クライアントごとに置かれた状況や営業体制がまったく異なるため、毎回異なる課題に向き合い、個別最適なソリューションを考える必要があります。それが非常にやりがいに感じられる点です。
たとえば、私が担当しているある企業では、以前に他社の営業代行を利用していたそうですが、「Marooに変えてよかった」と評価いただきました。リード対応のスピードを徹底するだけでも商談化率が大きく向上することがあり、改めて営業における“基本動作の質”の重要性を実感しました。
また、Marooでは月に一度、社内でフレームワーク勉強会を実施しており、ナレッジの相互共有が活発です。他の案件の成功事例や実践知がオープンに共有される環境は、個人としても組織としても継続的に学び成長できる非常に良い土壌だと感じています。
入社からわずか2カ月でディレクターへ───Marooで働く魅力は営業組織を「上流から実行まで」支援できる点
───Marooで働く魅力はどこにありますか?
最も魅力に感じているのは、裁量の大きさです。「まずはやってみよう」という前向きなカルチャーがあり、自らの意思で手を挙げれば任せてもらえる環境が整っています。
Marooでは、いわゆる営業代行ではなく、営業組織のコンサルティングとしてプロジェクトを受託するケースが多くあります。そのため、営業戦略の策定、KPI設計、プロセス構築、実行支援まで、営業組織構築の全フェーズに一気通貫で関与できます。単に商談をつくる業務だけを担当したい方にはフィットしないかもしれませんが、「ゼロから営業組織をつくりたい」と考える方には、非常にやりがいのある環境です。
実際、私自身も入社からわずか2カ月でディレクター職を任されました。ここまで早い段階で裁量を持たせてもらえる組織は、なかなかないと思います。
また、Marooのカルチャーとして共感しているのが、「仕組みにベットする」という思想です。テクノロジーが担える業務は積極的にシステムに任せ、人間がやるべき業務に集中する。一般的には「人がやるほうがいいのでは」と慎重になる組織も多いですが、私自身は「仕組み化に全振りするくらいがちょうどいい」と考えています。
───自分が良い仕事ができたと感じる瞬間は?
フィールドセールスが受注につなげてくれたときが最もやりがいを感じる瞬間です。ただし、その成果はチームの連携があってこそ。私自身が担うべき役割は、リードとの適切なコミュニケーションを通じて「この提案が最適です」と提案内容を明確に引き継ぎ、フィールドセールスが良質な商談を行える状態を整えることだと考えています。受注という成果につながれば、自分のミッションは果たせたという実感があります。
例えるなら、インサイドセールスはサッカーにおける「ボランチ(守備的MF)」のようなポジションです。マーケティングがディフェンダー、フィールドセールスがフォワード、ゴールが「受注」だとすると、ボランチはリード(ボール)を前線まで運び、「あとはシュートを打つだけ」の状態で渡すのが役割です。
時には、フォワードに「ここは少し走ってもらえますか?」と無理をお願いする場面もあります(笑)。また、ボランチはトップ下と違い、守備・攻撃の両面で調整役を担うポジション。サイドチェンジやリスクコントロールもしながら、状況に応じて多様な選択肢を持って動くことが求められます。
もちろん、フォワードのタイプによっても対応は変わります。「どんどんパスをくれ」というアグレッシブなタイプなら、精度よりスピードを重視して早めに展開しますし、「ゴール前でないと力が発揮できない」というタイプであれば、こちらが丁寧にリードを運ぶ必要があります。そのチューニングも含めて、インサイドセールスの重要な役割だと感じています。
───具体的に「向いている人」と「向いていない人」を教えてください。
Marooで求められるのは、「自ら裁量を持ち、営業組織の構築にコミットしたい」という志向を持つ方です。営業の仕組みそのものを設計し、成果の再現性を高める仕組みづくりに興味がある方には、非常にマッチする環境だと思います。
一方で、「与えられた業務だけを遂行したい」「テレアポだけをやりたい」といった志向の方にはフィットしづらいかもしれません。Marooが提供しているのは、単なる営業代行ではなく、「インサイドセールスエンジニアリング」です。これは、営業活動を構造的に設計し、テクノロジーとオペレーションの力で、再現性のある営業組織を構築する専門性の高い仕事です。
Marooに対するモチベーションが社会人になってから一番高い
───今後の目標を教えてください。
現在の目標は、代表・山梨と同等レベルのコンサルティングスキルを身につけ、クライアントと対等に議論・提案できるようになることです。少し格好をつけて言えば、「自身の市場価値を継続的に提供し続けられる状態」を確立するためのステップだと捉えています。
今後、AIが代替可能な業務領域はさらに広がっていくと考えていますが、上流工程——すなわち、構想・設計・意思決定といった領域に携わることができれば、AIには代替されにくい価値を発揮できると確信しています。
Marooに対するモチベーションは、これまでの社会人経験の中でも最も高いと感じています。裁量の大きさに加え、山梨との1on1を通じたフィードバックの機会が豊富にあることも大きな要因です。学びが深く、成長実感のあるこの環境こそ、自分が求めていた場所だと強く実感しています。これからも貪欲に吸収し続けていきたいと思っています。
───最後に一言お願いします!
Marooが大切にしているのは、クライアントとのコミュニケーションにおいても、ただ論理的に正しいことを提示するのではなく、相手の状況や感情に寄り添いながら物事を前に進めていく姿勢です。
「今、何が足りていないのか」「どこに課題があるのか」を冷静に分析し、そこに対して的確に伴走してくれる。Marooメンバーのロジカルな姿勢の根底には、相手に対する深い思いやりがあると感じています。
だからこそ、Marooで活躍するには、単なる行動力だけでなく「課題にしっかり向き合う覚悟」が求められると思います。うまくいかないことがあっても、逃げずに事実と向き合うこと。それが難しいときでも、「あのとき向き合えていなかった」と後から認める勇気を持てれば、それが成長につながると信じています。
───ありがとうございました!