なにをやっているのか
PM・PMOの求人で、「複数案件を同時にマネジメントした経験」が必須要件に入るケースが増えています。背景にあるのは、一人の担当者に要員計画から進捗管理まで任せることで、案件間の判断を集約したいという企業側の事情です。予実管理や課題管理を案件ごとに別の担当者が抱えるより、横断で見られる人に集約したほうが、リスク管理の抜け漏れが減るという判断があります。
一方で、応募書類を見ていると「複数案件を兼任していました」という一文で終わっているケースをよく見かけます。この一文だけでは、企業側は経験の中身を判断できません。同時に何本を見ていたのか、それぞれどのくらいの期間だったのか、進捗管理まで踏み込んでいたのか報告だけだったのか、資源が競合したときにどちらを優先したのか、書かれていなければ読み手には伝わらないままです。
私たちは大阪でインフラ事業を営む会社として2022年に創業し、2026年からは東京でSES事業を立ち上げています。紹介できる案件は日に複数件届く一方で、お願いできる方がまだ足りていない立ち上げ期です。そのぶん一件一件の応募書類を丁寧に読んでいて、複数案件経験の書き方一つで案件とのマッチング精度が変わることがあります。
なぜやるのか
PM・PMOの求人票が複数案件の経験を求めるのは、要員計画とリスク管理を一人に集約したいという意図があるからです。書類の段階でその経験の深さが伝わらなければ、面談で一から確認することになり、選考にかかる時間が延びます。同時に見ていた案件の本数と期間、資源が競合したときの裁き方、案件ごとに異なる関係者との調整をどう回していたかが具体的であるほど、企業側はその場で判断しやすくなります。
たとえば、AWS基盤の刷新案件とJavaの業務システム案件を同時に持つケースもあれば、PHPの改修案件とPythonを使った分析基盤の案件を掛け持つケースもあります。技術領域が違えば、関係者も体制図上の位置づけも別々になります。優先順位を決める基準を持っているかどうかが、そのまま裁く力の差として書類に表れます。「上長の指示で優先順位を決めていました」という書き方と、「納期とコストへの影響度で優先順位を判断していました」という書き方では、任せられる範囲の見え方がまったく違います。
どうやっているのか
カジュアル面談では、その日の案件在庫から合いそうなものを3件、その場でお見せしています。合うものがなければ、その旨を正直にお伝えしています。複数案件の経験がある方には、まず同時に見ていた案件の本数と期間、体制図上の立ち位置を伺い、その内容をもとに在庫と照らし合わせます。曖昧な一文だけでは、この照らし合わせ自体が成立しません。
あわせて、スキルシートと客先面談の想定質問を一緒に詰めています。「複数案件を兼任」という表現が出てきた場合は、資源が競合したときにどちらを優先したか、案件ごとに異なる関係者とどう調整したかを、具体的な言葉に置き換える作業を一緒に行っています。この作業を経た書類は、客先面談でも同じ質問が来ることが多く、想定問答としてそのまま使えます。
こんなことやります
契約形態は準委任です。稼働形態は、専任か複数案件の兼任かを含めて案件によって異なります。求めているのは、複数案件を同時に見た経験を、本数・期間・優先順位の基準・関係者調整のレベルまで自分の言葉で説明できる方です。書類の一文で終わらせず、中身を一緒に言語化するところから始めたい方は、まずお話ししましょう。