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【特集SHARPのリーダーたちに聞く】 ~IT部門システム開発編~“他社がまねするものをつくる”。シャープイズムを受け継ぐ若きIT開発者の養成部門!

シャープ全社のDX化・内製化に取り組むIT部門の中で、システム開発エンジニアの登竜門的な役割を担う部署があります。それが『システム開発グループ』 。部署を率いるのは、シャープが誇る数々のユニークな商品の開発に携わってきた荻野部長です。プロダクトの開発経験をどのように活かし、次世代のITエンジニアを育てているのか。実際に取り組んでいることやそこに掛ける想い、キャリア採用入社者に期待することなどを幅広く聞きました。

ザウルス、スマホ初号機、ロボホンなど、シャープらしさ溢れる商品を開発

シャープに入社して28年。その大半を、商品開発の現場で過ごしてきました。私が携わったのは、小型情報機器の分野。電卓や電子辞書にはじまり、PDA、携帯電話、スマートフォンまで、様々な小型デバイスの組込ソフトウェア開発を手掛けてきたエンジニアです。PDA製品の「ザウルス」やKDDI(au)向け携帯電話の立ち上げ、シャープのスマホ初号機などに関わる中で感じていたのは、“何か新しいものを生み出そう!”という開発部内に漂う情熱。今思えば、それは“シャープらしさ”そのものだったと思います。

たとえば、スマートフォンとヒューマノイドロボットを融合させたヒト型携帯電話「ロボホン」の開発現場は、当初極秘プロジェクトとしてスタートし、独特の高揚感がありました。電話機能がついたコミュニケーションロボットをつくろうなんて本気で考えるメーカーは、シャープ以外にない。世の中を驚かせるモノづくりにどっぷりと浸かれるのですから、面白くないわけがありません。こうした開発業務を通じて私は、“他社がまねするものをつくる”というシャープイズムを学びました。


モノづくりから社内ITへ。与えられた新たなミッションとは

AIoT家電の開発業務を経て、社内ITに関わるプロジェクトに携わったのが約7年前のことです。当時、「スマートフォンを使った新しい内線システムに切り替える」というプロジェクトが立ち上がり、Linuxに詳しかった私が、そのサーバーソフトの開発を任されました。その後、チャットシステムやWeb会議システムの開発を経て、社内ITを担う現在のITソリューション推進部に異動しました。異動後1年ほど経ち去年の10月に発足したのが、今の『システム開発グループ』。ここで私は、次なるミッションに取り組むことになります。

まず、私たちのグループが所属する「ITソリューション推進部」についてお話しましょう。ITソリューション推進部が挑む大きなテーマは、“シャープ全社のITシステム開発業務を内製化すること”。現在、自社データセンターの運営や、SAPを導入し基幹システムの統合・標準化を図るなど、完全内製化に向けての動きに拍車が掛かっているところです。

ただ、ここでひとつ大きな課題が持ち上がりました。それは、内製に必要な“開発エンジニア”がまだまだ少ないということです。しかもノウハウもまだ確立していない。つまり、開発業務を基礎から習得できる「若手エンジニアの養成機関」をつくる必要があり、白羽の矢が私に立ったのです。

『システム開発グループ』は私も含めて約30名。うち管理職を除く担当者は平均年齢28歳という若いメンバーで、日々ここでシステム開発の経験を積んでいます。ゆくゆくは開発のスペシャリストとして活躍する道と、開発経験を活かして上流工程へと進む道があり、それぞれが目指すキャリアに進めるよう基礎から学んでいるわけです。

私自身のミッションは、“高品質かつ効率的にソフトウェア開発ができる人材”を育てること。入社以来培ってきたソフトウェア開発の経験とスキルを活かして、私なりに若手エンジニアの成長をサポートしたいと思っています。もちろん一人でできることではなく、そこには若手を指導してくれるリーダーが必要。現在、管理職は3名と少ないため、一緒に若手を育ててくれる開発経験者を積極的に迎えたいと考えています。


新たなチャレンジの前に、何の障壁もない!それがシャープの魅力

「モノづくりが好き、開発が好き」という方にとって、ここは思う存分力を試せる場所です。なぜならここは、“シャープ”ですから。商品開発だけでなく社内ITの分野でも、従来の発想に囚われず、まだ他がやっていないこと、他がやりそうにないことにどんどんチャレンジできます。

たとえば、オープンソースのプロジェクトを活用して、「スマートフォンを使った内線システム」や「チャットシステム」、「Web会議システム」を、ユーザーの要望に合わせてカスタマイズし自社で内製するなど、自由なアイディアをカタチにしています。

まだあまり知られてないような新しい技術を見つけてきて、「これ使えそう!」と提案することなどは日常茶飯事です。みんなで比較検討し、活用できるという話になれば即採用されています。とにかく、面白いことがあったらやってみる。そこに何の壁もないというのが“シャープらしさ”だと思いますね。

商品開発と比べて、社内システムは開発のライフサイクルが短いことも魅力です。社内で使うものなので、まずは実証実験的に一度導入してみることができますし、それで失敗してもまた違う方法を試すことも可能。しかも大きい組織なので、一部の部門でパイロット的に導入してそれを全社に広めていくなど、いろんなやり方ができますよ。


社内ITシステムの“標準化”も重要なミッション

若手エンジニアの養成機関であると同時に、私たちのグループはITソリューション推進部の中で“システム開発の標準”を決める部署でもあります。今までは使っていなかったけれど、これからは標準化しますと言える立場。新しいやり方をつくっていくことがミッションでもあるので、その点でもやりがいを感じられると思います。

たとえば、「こんなシステムをつくってほしい」という個々の要望に応えるだけだと、似たようなプログラムがいくつもできてしまうかもしれないので、私たちは“共通設計”にこだわっています。

依頼されたのは別々のシステムだけれど、2つのシステムを共通化すればまた違う活用法が生まれるかもしれない。もしくは、共通化によりできあがったシステムをさらに別の分野に展開できるんじゃないかなど、より広い視野で開発業務に取り組んでいるのです。

実際、「共通基盤」というものを自分たちでつくり、その基盤をどんどん活用しながら、効率的に様々なシステムを生み出しています。


求む、「開発」が大好きな経験者!自分の設計思想をもつ方を積極的に迎えたい

日進月歩で進化を続けるITの世界。いかに新しいソリューションを探索し、それを取り込んで新たなシステムをつくれるかが、私たち開発エンジニアの課題です。そこに情熱を注げる人をお迎えしたいですね。

求める人物像としては、「新しもの好きな人」。前例のないことにも躊躇なくトライできる人は、シャープの風土にピッタリ合っていると思います。その上で、ぜひ自分なりの“設計思想”を持っていてほしい。これまでの開発経験をもとに何かひとつ“芯”がある方は、今後AI全盛の時代が来ようとも活躍していけるはずですから。

正直な話、「AIを使うだけならプログラマーはいらない」という時代は来るでしょう。けれど、AIにプログラムを書かせるにしても、どういう設計思想でつくるのかというところから与えなければ、より良い成果物はできてこない。つまり、「どう指示するのか」を思想的に設けることがとても重要になってくるのです。

言い換えれば、エンジニアがプログラム以外のところでも価値を見出してAIと共存できる姿を描けたならば、私たちは将来にわたり必要とされるはず。エンジニアとしての立ち位置をどう堅持できるのかを考えていける人、すなわち“設計思想を持つ人”がシャープにも必要になっていくと思います。

そういう方と一緒に、「AIをうまく活用しながら、いかに新しいものを作っていくか」という仕組みづくりをしていきたいですね。自分たちの未来を自分たちで切り拓きながら、もっと面白い仕事をしていきましょう。


 事業の新たな軸となるような、シャープらしいものを生み出したい

シャープは今、危機を乗り越えて生まれ変わろうとしています。その原動力となるのは、やはりシャープが大切にし続けてきた“モノづくりへの熱い想い”だと私は思います。新しい事業の柱になるような、世の中を驚かせるようなヒット商品を生み出すことこそ、成長のカギになる。ITの力でそこに貢献していくことが、私のこれからの目標です。もちろんプロダクトでなくてもいい。私が今携わっているITシステムの分野でも、他社がまねするような画期的なものはできるはず。新しいモノづくりに、仲間と一緒に挑み続けていきたいと思っています。

※記事内の部門名、役職名、内容はインタビュー当時ならびに掲載当時のものです。

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