【社員インタビュー#3】自動運転の次に、僕が選んだ「最後のフロンティア」。元自動運転ソフトウェア企業エンジニアが語る、Physical AIの衝撃と未来
こんにちは!Dexterity-SC Japan採用担当です。
「5年後、10年後、エンジニアとして自分はどこにいるべきか?」
技術の進化が加速する現代において、多くのエンジニアが自問しているのではないでしょうか。世界のトップエンジニアたちが自動運転に未来を賭けた数年前。では、その“次”に来るものは何か?
今回ご紹介するのは、まさにその「次なる戦場」にキャリアのすべてを賭けて飛び込んだ、Robotics Deployment & Operations EngineerのKah Hooi Tan(タン カフーイ)。
マレーシアから来日し、IoTロボット開発、そして自動運転のトップ企業でソフトウェア開発とプロジェクトマネジメントの最前線を経験した彼が、なぜ今、Dexterity-SC Japanの「Physical AI」という新世界を選んだのか。
その決断は、技術トレンドの未来を予見しているのかもしれません。
プロフィール
マレーシアサインズ大学でメカトロニクス工学を専攻。卒業後来日し、Robotics会社で組込みLinuxやROSを用いたIoTロボット開発に約3年半従事。その後、自動運転ソフトウェアのトップ企業に転職し、ソフトウェアエンジニア、プロジェクトマネージャーとして約3年間活躍。2025年2月、AIが物理世界に挑戦する「最後のフロンティア」に魅了され、Dexterity-SC Japanに参画。現在はチームの中心として、ベンダーとの協働や中途社員のサポートも担う。
目次
自動運転の最前線から、AIの「最後のフロンティア」へ
僕の仕事は「AIの社会実装」。シリコンバレーと日本の現場を繋ぐ、日々の挑戦
ソフトウェアの先に、物理がある。メカトロの知識が活きる瞬間
国籍は関係ない。「技術」が僕らの共通言語
未来の仲間へ。次の10年、あなたはどこにいる?
自動運転の最前線から、AIの「最後のフロンティア」へ
――本日はよろしくお願いします!Tanさんは、多くのエンジニアが憧れる自動運転のトップ企業でご活躍されていました。そこから転職を決意された理由、そしてなぜDexterity-SC Japanを選んだのか、教えていただけますか?
Tanさん:自動運転ソフトウェア企業での経験は、私のキャリアにとってかけがえのない財産です。世界トップクラスのエンジニアたちと、自動運転という社会の未来を創る仕事は、非常に刺激的でした。ソフトウェアエンジニアとして、そしてプロジェクトマネージャーとして、大規模で複雑なシステム開発に携われたことは、大きな自信に繋がっています。
ただ、その最前線に身を置く中で、ある種の「ソフトウェアの限界」と、同時に「次なる挑戦」への渇望を感じるようになったんです。
シリコンバレーで生まれる世界最先端のAI技術に、誰よりも早く触れ、それを日本のリアルな現場に実装していく。このポジションは、まさに僕が求めていた「未来」そのものでした。
僕の仕事は「AIの社会実装」。シリコンバレーと日本の現場を繋ぐ、日々の挑戦
――Physical AIの最前線で働く、具体的な面白さは何ですか?「Robotics Deployment & Operations Engineer」という役割について、詳しく教えてください。
Tanさん:僕の役割は、コードを書く開発者ではありません。一言で言うなら、「シリコンバレーの最新AI」と「日本の物流現場」を繋ぐ、ブリッジエンジニアです。
日々の業務は、非常にエキサイティングなサイクルで回っています。 まず【受信】。アメリカ本社の天才たちが創り出した、世界最先端のAIソフトウェアの最新バージョンが、私の元に届きます。 次に【翻訳(テスト)】。その最新AIを、日本のリアルな物流現場という、予測不能な「カオス」の中で動かします。光の反射、段ボールの僅かな潰れ、多種多様な荷物…。シミュレーションでは決して見つからない問題が、ここでは次々と顔を出します。 そして最後に【返信(提案)】。現場でしか得られない貴重なデータと、発見したバグを的確な「インサイト」としてアメリカの開発チームにフィードバックします。
自動運転ソフトウェア企業でのPM経験は、このフィードバックの質を上げる上で非常に役立っています。単に「動きません」と報告するだけでなく、「この条件下で、この操作をした時に、10回中3回の確率でこのエラーが再現します」といった再現性の高いレポートを作成する。さらに、「日本の現場ではこういう使い方が多いから、こういう機能を追加してはどうか」と能動的に提案することも、僕たちの重要なミッションです。
これは「単なるテスト」ではありません。アメリカで生まれた技術も、日本の高品質を求めるお客様の環境で鍛えられて初めて「本物の製品」になる。僕たちはその品質を世界レベルに引き上げる役割も担っている。最先端AIを社会実装する“最前線”であり、製品の成否を分ける極めて重要な役割だと自負しています。
ソフトウェアの先に、物理がある。メカトロの知識が活きる瞬間
――この仕事で、Tanさんのメカトロニクスというバックグラウンドはどのように活きていますか?
Tanさん:非常に重要な役割を果たしています。Physical AIの現場では、「ソフトウェアの問題」と「物理的な問題」が複雑に絡み合っているからです。
つい先日も、AIモデルが特定の照明下で段ボールの色を誤認識するという問題がありました。これも、現場で何百パターンもの照明条件のデータを追加収集し、アメリカチームと協力してAIモデルを再学習させることで解決しました。 どのデータをどう集めればモデルが賢くなるか、そのデータ収集戦略を立てるのも我々の仕事です。
また、ある時は「ソフトウェアのバグかと思ったら、実はセンサーの物理的な接続不良だった」ということも。大学で学んだメカトロニクスの知識と、Robotics会社で培ったハードウェアの経験から、ロボットの異音や僅かな振動からハードウェアの問題を推測する。この「現場力」がなければ、解決はもっと遅れていたでしょう。Physical AIの社会実装には、ソフトウェアだけでなく、物理世界を深く理解するエンジニアリングがいかに重要か。それを日々実感しています。
国籍は関係ない。「技術」が僕らの共通言語
――マレーシアご出身ですが、英語力はやはり必須なのでしょうか?
Tanさん:正直に言うと、英語ができた方がコミュニケーションはスムーズです。アメリカチームとのミーティングもありますからね。でも、「英語が完璧でないと働けない」というのは全くの誤解です。
実際、チーム内の日常的なコミュニケーションは日本語が中心ですし、僕自身も技術的な議論では、図を描いたり、実際のコードやデータを見せたりしながら話すことが多いです。大切なのは、流暢な英語力よりも、「技術で語り合える」こと。翻訳ツールも進化していますし、何より「問題を解決したい」という強い意志があれば、言語の壁は乗り越えられます。
この会社では国籍やバックグラウンドは一切関係ありません。評価されるのは、ただ一つ。「技術へのリスペクト」と「問題解決への意欲」です。
未来の仲間へ。次の10年、あなたはどこにいる?
――最後に、この記事を読んでいるエンジニアへメッセージをお願いします。
Tanさん:5年前、僕を含め多くのエンジニアが自動運転に未来を見ました。そして今、僕にはPhysical AIの、さらに大きな可能性が見えています。AIが物理世界と融合するこの領域は、間違いなく次の10年のテクノロジーの中心になります。
Dexterity-SC Japanでの仕事は、単にコードを書くことではありません。世界最先端のAIを「社会実装する」という、壮大なプロセスそのものに関わることです。このブリッジ役を経験することで、将来的には日本市場向けのプロダクト導入をリードするプロジェクトマネージャーや、お客様の問題を根本的に解決する提案をするソリューションアーキテクトマネージャーも開けています。
もしあなたが、画面の中だけでなく、現実世界に確かな価値を刻みたいと願うなら。 そして、次の10年のキャリアを、最もエキサイティングな市場に賭けてみたいと思うなら。
ぜひ、一度話を聞きに来てください。未来を創る最高の舞台が、ここにあります。
――Tanさん、本日は刺激的なお話をありがとうございました!
Dexterity-SC Japanでは、潮さんのように、変化を恐れず、幅広い経験を武器に成長し続ける仲間を募集しています。「専門性」だけでなく「変化力」で勝負したい方。ぜひ一度、お話しましょう!
※記事内の情報は2025年9月時点のものです。