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CINRAが運営しているメディアの一つに、カルチャーWEBマガジン『CINRA.NET』(シンラネット)があります。
このメディアの編集職の募集がはじまり、人事から「何か書いて!」というオーダーがやってきましたので、今回のテーマは手前味噌ながら、自社メディア『CINRA.NET』です。
なぜこのメディアをやっているのか、うまく書けるかあやしいですが、できるだけ直球で書いていきたいと思います。
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CINRA.NETは、音楽、アート・デザイン、映画、演劇、書籍などのカルチャー情報を扱うWebメディアです。ニュースやインタビューが毎日公開されています。
現在、編集長の柏井万作を筆頭に10名強のスタッフと、多くの外部のライターさんやカメラマンさんのサポートにより、日々運営されています。
スタートしたのは2003年(TOPの写真は、当時このサイトと同時につくっていた無料のCDマガジンです)。その後2007年に現在のニュースメディアっぽいサイトになりました。気づけばそこそこ長い歴史を持っています(本人たちはいつでもフレッシュなつもりですが、「老舗」と言われて凹むこともしばしば)。
なぜこのメディアをやっているのかと言われれば、それは第一に、私はもちろん、それ以上にこのメディアを支えるメンバーが、音楽やアートや映画と呼ばれるものが、とてつもなく好きだからです。前提として、好きじゃないと勤まりません。
そして、始めた頃から今も変わらない、このメディアを通して実現したいことは1つ、「自分たちの手で新しい文化をつくる」ということです。
「新しい文化」と言えば聞こえはいいですが、単に「自分たちがいいと思った作品や思想が、もっと当たり前に受け入れられる世の中をつくりたい!」ということです。見方を変えれば、ずいぶん身勝手な話しかもしれません。
『STUDIO VOICE』や『relax』など、先輩メディアのかっこいい背中を追いかけて始まり、気づけば10年以上が経ち、当然山あり谷ありでしたが、この想いは初めからずっと変わらないものとして『CINRA.NET』の根底に流れています。
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いつも人前でご紹介するのはこんなところなのですが、もう一つ、CINRA.NETというメディアが、どうしても芸術やカルチャーにこだわりたい理由があって、それを書きたいと思います。
唐突で、使い古された表現かもしれませんが、人が生きる世界には、もっと想像力が必要だと思っています。
想像力がないと、自分が今見えている世界だけで世界が完結して、思考停止してしまうからです。
世界のどこかで、もしかしたら自分のすぐ隣で、猛烈に生きづらさを感じている人がいるかもしれない。もしくは逆に、悶々としている自分のすぐ横で、めちゃくちゃハッピーな世界があるかもしれない。
だけど、その存在を知ることができず、想像することすらできないから、自分も、他の誰も、その扉をこじ開けてはくれない。
想像力がないと、幸せは増殖しないし、不幸も解決されません。
だから時には、「お前の見えている世界など知らんわ!」と言わんばかりに、誰かに土足で踏み込んできてほしいです。
たまにそういうことがあると、「まだまだ知らないことはあるんだなあ」と、想像力に満ちた視点で世界を眺めることができます。
その土足で踏み込む感じは、お説教や教科書みたいな難解な正論で来られちゃうと難しい。そこで、芸術です。
かろやかに人の世界を(いい意味で)壊してくれるのが、CINRA.NETが扱っている芸術などの「表現行為」だと思っています。
芸術作品には、自分の知らない世界を提示したり、世界や自分の隠された居心地の悪さを告発したり、生きづらい人を救済したりする効能があると思います。
そういうわけで、CINRA.NETというメディアは、想像力を世界から絶やさないために、芸術やカルチャーと呼ばれる人間の表現行為を中心にしてやっています。
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「Webメディア」という存在がここ数年で随分活況ですが、そもそもメディアには、伝えるための伝播力だけでなく、何を伝えて社会をどう変えたいのかという意志が必要です。
意志と言えばかっこよく聞こえますが、どちらかと言えばそれは、メディアをやらずにはいられなかった人間がすべからく持つ、身勝手な正義感のようなものではないでしょうか。
「自分がこうなりたい」だけならまだしも、「社会をこうしたい」という巨大で独善的な欲求を持ってしまった人が、ふんばって続けていくための自分なりの正義が、メディアには必要なのだと思います。
CINRA.NETにとっての身勝手な正義は、ここに書いたようなことです。
もしこのアイデアに共感し、この仕事に興味を持ってくれる方がいらしたら、ぜひコンタクトしていただけたらうれしいです!