店舗ビジネスにとって、アルバイトスタッフとはどのような存在でしょうか?
お互いに(雇用する側もされる側も)時間と時給だけで契約を結ぶ一時的な関係でしょうか?
私たちは直営とフランチャイズ、正社員とアルバイト問わず、勉強カフェのパートナーとして関係を築いていきたいと考えています。
そこで実際に「勉強カフェパートナーズ」ではどのような取り組みをしているのか、少しずつご紹介していきます。
第1回目は「学生アルバイト」を対象にしたキャリアサポートの取り組みについてお伝えしていきます。
勉強カフェは2008年に1号店を代表の山村がひとりで立ち上げ、当初は終日ワンオペで営業していました。
会員さまが増え、スタッフも加わり1号店には300人を超える会員さまが集まり、1店舗では手狭になったころに2号店ができ、従業員も徐々に増えていきました。
14年目を迎える今年、フランチャイズを含めると勉強カフェは19店舗(アライアンスを含めると32店舗)になります。
店舗が1店舗だけならば、勉強カフェに込める思いを山村が直接会員さまにお伝えすることができましたが、店舗も会員さまも増えた今、山村が会員さま全員に直接思いを届けることはできません。
19店舗の多くの時間を支え、盛り上げてくれているアルバイトスタッフは、その代弁者で、私たちにとっては欠かせないパートナーです。
そんなアルバイトスタッフの約半数は大学生です。
大学生のスタッフは1年生から働き始めてくれると長い人は卒業までの4年間、勉強カフェにコミットしてくれます。
大学生の4年間は学校の授業とアルバイトだけでなく、サークル活動や自動車免許取得、インターンやバイトの掛持ち、長期の旅行や短期留学、大学院への進学、卒論、そして就職活動など、たくさんの「イベント」があります。
そんな学生スタッフにとって勉強カフェはどのような環境でしょうか?
とくに「働く」ことに向き合い始める就職活動を通して、勉強カフェはどのように見えているのでしょう?
「社会人の方とたくさん話すことができて社会勉強になる」
「今まで知らなかった資格や職業を知ることができた」
「面接で“勉強カフェでアルバイトをしていた”というと興味を持ってもらえる」
「マネジメントレター(山村が従業員向け不定期で発信)で経営者の視点が覗けるのが役に立つ」
など、勉強カフェを就職活動に上手に生かしてくれている声をよく聞きます。
同時に、
「就活とアルバイトの両立が厳しい」
「就活がうまくいっていなくてアルバイトをする余裕がない」
などを理由にやめてしまうスタッフがいるのも事実です。
勉強カフェのスタッフの仕事は、
Welcome!と迎え入れた会員さまを覚え(step1)、興味を持って話しかけ(step2)、目標に寄り添ったコミュニケーションをとって(step3)、会員さまと信頼関係を深めていくことです。
ですから信頼関係が深まるタイミングでの本意でない退職は、勉強カフェにとっても、信頼感を持ちはじめてくれた会員さまにとっても、仕事が楽しくなってきたスタッフ本人にとっても、とても残念なことです。
働きながら勉強を続ける大人たちを応援する場を運営する私たちは、これから「働く大人」になる学生スタッフたちにも、たくさんの「やりたい」を並行し実現できる機会を提供したい。
それが勉強カフェに貢献するスタッフのためにもなるし、採用や育成に時間やコストをかけてきているフランチャイズを含む雇用主への貢献にもなると考えていました。
そこで数年前から気になっていたのが塚田農場のツカラボという取組み。
塚田農場で働く人の特性や、仕事でに身に付く強みと相性のいい企業とのマッチングを目指す就職支援を自社で行っています。
「こんなサポートがあれば安心して卒業までアルバイトを続けてくれるのでは?」
でも、塚田農場と我々は規模がぜんぜん違う、勉強カフェで取組むことができるのはずっと先になると思っていました。
そんな中、私は国家資格キャリアコンサルタントを取得し、細々と資格を活かした複業を開始したことをきっかけに、株式会社ワークアズライフと出会いました。
ワークアズライフのビジョンを一目見て「なんて親和性があるんだろう!」と感じました。
私たちは「学びを通じて」幸せになる人を増やすことミッションに掲げていますが、ワークアズライフのミッションは「働くことを通じて」幸せになる人を増やすことでした。
サービスのひとつ「KANPAI Hütte Career」(学生のキャリアサポート)は、単なる人材紹介ではなく、メンターとのキャリア面談を通して自己理解を深めることができたり、イベント(KANPAI)を通し、本音の価値観で人と組織を結ぶことをコンセプトにしていました。
この点も、スタッフの紹介や交流会などのイベントを介して、同じ勉強をしている方や共通の趣味を持っている会員さま同士をつなぐ勉強カフェの価値観に近いと感じました。
「KANPAI Hütte Career」は自社のサービスに共感できる学生を集めたいし、それを利用する企業も価値観にマッチした学生を採用したいと思っているはず。
(ですが私が業務委託で携わり、外部サービスから誘導できる学生は必ずしもサービスを上手に活用できる人だけではないと感じていました。)
私たちとしては、勉強カフェスタッフの強みや価値観を理解したキャリアのサポートがしたい。
そして、多くの学生スタッフたちは本来なら学業もアルバイトも両立しながら、よりよいキャリアの選択をしたいと思っている。
「これは、うまくいけばみんながHAPPYになれるのでは?」
そんな思いから担当の岡田さんにスタッフ向けの就活サポートができないかをご相談したところ、快く引き受けていただき、1回目の勉強カフェスタッフ向けキャリアサポートイベント「『働く』ってなに?~“勉強カフェ”での経験を社会で活かすには?~」を9月に開催することができました。
働くということは「価値を提供する側になる」という大前提を通し、勉強カフェが誰にどのような価値提供をしているのか、それを通して身に付くスキルが、企業からはポテンシャルとしてどのように評価されるか、自己分析ワークに取り組みながら考えました。
参加者からは
「アルバイトを通して成長するビジョンを考える機会になった」
「自分を振り返ることで深掘りしたことをアウトプットでき楽しかった」
「他者からのフィードバックや、他スタジオのスタッフからの参考になる話しを聞けて自分を客観視出来た」
などのうれしい声を聞くことができました。
イベント中に私が感じたことは全員が「自分から話し出せる」ということでした。
順番に発表する場面で「どうする???」という間がなく、すかさず誰かが「じゃんけんで決めましょう!」「自分から発表しますね」と声を発する「勉強カフェスタッフの強み」を見ました。
突然ですが、自分の強みは「コミュニケーション力」だと思っている人がいます。
面接で「自分の強みはコミュニケーション力です」答えたらどうなるでしょう?
きっと「そのコミュニケーション力ってなんなの?」と聞かれます。(聞いてもらえない場合もある)
そんな時、経験を振り返えると「なんなの?」は分析できます。
例えば、勉強カフェでの仕事を通して「ファンづくりの3step」を使って簡単な分析をしてみます。
自分がどのステップが得意か?どこでワクワクしているか?を考えてみます。
ステップ1「Welcome!の気持ちで迎え入れ、顔を覚えて名前で呼ぼう」が得意な人。
初対面の人に物おじせず自分から話しかけることがき、2回目にはもう名前で呼べる。
もしかしたら新規開拓などが得意かもしれません。
ステップ2「相手に興味を持ち自分から話しかけよう」が得意な人。
「人に興味を持つ」ことがポイントかもしれません。
じっくりと相手を観察し、表情やしぐさからノンバーバルなコミュニケーションを読み取るのが得意な人もいれば、何気ない会話から糸口を見つけ、積極的に質問する力が高い人もいるかもしれません。
ステップ3「相手の目標に寄り添おう」が得意な人。
目標(ニーズ)を引き出す聞く力がある人、適切なサービスや話題を提供する提案力がある人、相手が欲しいと思っている勇気づけの言葉がけが上手なサポート上手な人かもしれません。
それは顧客相手の場合もあるし、チームのメンバーかもしれません。
こうしてみると「コミュニケーション力」が具体的になり、自分が仕事でその能力を活かしている場面が想像しやすくなります。
企業の採用担当者にとっても同じです。
これが「ポテンシャル」です。
自分が目指すキャリアを描く >>> 伸ばしたい強み、積みたい経験、身につけたいスキルが明確になる >>> 勉強カフェの仕事やそれ以外の経験を通じてどうやって得ることができるかを考える。
このキャリアサポートは目の前のこと(学業、趣味、アルバイト)をビジョンにつなぐお手伝いをする場です。
勉強カフェでの仕事が自分のビジョンにつながる実感が持てると、すべては「自分ごと」になります。
それは、会員さまに提供する価値が上がることを意味します。
会員さまに価値の高いサービス提供することに能動的なスタッフは勉強カフェにとって欠かせない存在ですし、スタッフ本人にとっても勉強カフェでの時間を時給+αの価値にします。
次回は10月20日に「次につながる自己紹介をしよう!」というテーマで開催します。
相手の心に残る「自己紹介」は自己分析なしにはできません。
就職活動でも勉強カフェの仕事でも必ず生きる自己紹介を通して、自己理解を深めませんか?深まった自己理解を元に、KANPAI Hütte Careerが就活までサポートしてくれます。