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キャリア教育を正しく理解している人が世の中にどれだけいるんだろうか

こちらのストーリーは、代表 伊藤のnote『伊藤かるろす@BEYOND CAFE』を転載したものです。

キャリア教育を正しく理解している人が世の中にどれだけいるんだろうか|伊藤かるろす@BEYOND CAFE
日本のキャリア教育を少しでもよくしたいという想いでBeyond Cafeという会社をやっています。今日は日本のキャリア教育の現状を理解していただける人が少しでも増えればと思い筆を取りました。お付き合いくださいませ。 教育ってなんだろう 教育=国力 国の経済力や技術力を向上させるために、国民一人一人に教育を施し、生産性を向上させ、国力を豊かにさせるために教育が存在すると考えています。 ...
https://note.com/carlos_ito/n/nf49b0da3995e

日本のキャリア教育を少しでもよくしたいという想いでBeyond Cafeという会社をやっています。今日は日本のキャリア教育の現状を理解していただける人が少しでも増えればと思い筆を取りました。お付き合いくださいませ。

教育ってなんだろう

教育=国力

国の経済力や技術力を向上させるために、国民一人一人に教育を施し、生産性を向上させ、国力を豊かにさせるために教育が存在すると考えています。

例えば韓国は1997年の経済危機に直面し、「このままじゃ今後国がやばい!今後生き残るにはIT、教育にしか道がない!」とガラッと政府がIT教育に舵を切ったのがいい例です。

2010年には全学校のクラウド環境を整え、小中高のeラーニングの利用率がなんと74%まで向上させます。日本がデジタル教科書を導入したのが2014年なので、すでに4年の遅れが生じていますね。ヤバし。

また、同時期に"教員能力評価制度"を導入し、「同僚教師」「専門家」「学生」「保護者」など、関係者全員が教員を評価する仕組みを作り、ITを使わない先生の評価は下がるなど徹底したIT教育を国が推し進めました。
今の日本でこれを推し進めるとどうなるんだろう。

その結果、中学校から高校への進学率は2011年で99.5%、大学や専門大学への進学率は89.3%と驚異的な数字を叩き出しています。
(なお日本の大学/短大への進学率は56.9%、専門学校や高専への進学率を入れたとしても80.1%と乖離があります。)

上記は別に、韓国すげーとかそういう話をしたかったのではなく、国力を向上させるための一つとして、「教育」が重要な手段であるという当たり前のことを伝えたかったので例に挙げさせていただきました。

今の教育と働くってズレてない?

ここで次に話をしたいのが、今の時代に社会(働く)で求められているものと、現在学んでいる教育とのズレが大きくないか?という疑問です。

高度経済成長期、日本が大量生産大量消費の時代はいかに同じものを早く、安価で品質の良いものを作るかが大事になった時代なので、協調性や勤勉さ、処理能力の速さを競い合う教育でよかったと思います。

でも今の時代は一人一人によってカスタマイズされるものが望まれる時代だし、何より機能的価値よりも情緒的価値が好まれる時代だからこそ、教育の場で求められるものって異なると思うんですよ。

「右向けーみぎっ!」とか典型的で、なんで右向く必要があるんだろうとかを考えられる子がたくさん生まれれば最高だなと思います。

そこで国は国力に関わる教育に対して、どこまで考えているんだろうかと思い、文部科学省のサイトを片っ端から調べることにしました。

結論、国はちゃんと考えてた。

文部科学省のHPを色々と検索するのは本当に骨が折れました。
もう少しわかりやすいサイトの構成にしてもらえると助かります。

またこんなの誰が見るんだよと思わせるものも数多くありました。
参考までに一例をあげておきます。(2015年のデザインと思えない)

キャリア教育×HERO:文部科学省
キャリア教育と映画「HERO」タイアップ特設ページ。
https://www.mext.go.jp/career_hero/index.htm

そんな四苦八苦している中で非常に良い資料を見つけました。
キャリア教育の必要性と意義に関する資料です。
(タイトル設定しとこうよ…拡散されること意識してない証拠。)

第1節キャリア教育の必要性と意義

上記資料を本当であればみなさんに片っ端から目を通していただきたいのですが、抜粋して以下に要点をまとめます。

そもそものキャリア教育とは、の定義を以下のように定めています。

1999年からキャリア教育という言葉が生まれ、そこから様々な取り組みを行なったようですが、そもそものキャリアという言葉の意味が各世代によって異なることから語弊や混乱があったようで、キャリアの定義も以下に記されています。

上記は弊社のコアコンセプトである、"Meet yourself=自分だけの意義に出会う"と非常に近しい考え方だと感じました。

働くを通じて自分の人生を自分らしく生きることを国が提唱しているなんて正直かなりびっくりしました。

またキャリア教育の定義に出てくる「キャリア発達」という言葉に関しても以下のように定められています。

自分の才能が何かを理解し、その才能が花開く環境に身を置きながら、社会に役立っている実感を得ることが、人生の豊かさに繋がるのではないかと考えている自分にとって、「そうそう!」と言わざるを得ませんでした。

またそのためにキャリア発達を促すために必要な能力と、それらを時系列毎にどのように学校が関わるべきなのかも詳細に定められていました。

当たり前やけど、ちゃんとしてるやん。なんでこれ伝わってないの?

国がしっかりと方針を定めて考えているにも関わらず、なぜこれが正しく実行されていないのか。甚だ疑問に感じました。

  • 人間関係形成能力
  • 情報活用能力
  • 将来設計能力
  • 意思決定能力

Beyond Cafeを立ち上げてから何百人という人事と関わってきましたが、これらの能力の有無が、学生の採用の合否に大きく関わることはうなづけます。

ただ国がこれを定義しているってことは、本来教育を受ける学生まで届いていなければいけないのに、何千人と大学生と関わってきた自分の体感値としては1mmも伝わっていなかったように思います。

学校現場に変革を起こすのは大企業を変えるのと同じ?

「なぜ作者の心情を答えなければいけないのか」
「なぜ因数分解を勉強しなければいけないのか」

高校生の僕は全くもって理解していませんでした。

でも今ならはっきり答えられます。

国語で作者の心情を考える理由は、人の気持ちを理解できなければ仕事ができないから。仕事は一人でできないし、お客様のニーズを正しく読み取る力がないと営業もできない。部活でも人の気持ちを考えずに自分勝手なことをやっていればみんなから嫌われて協力してくれる人が少なくなるよね。それと一緒だよ。

数学で因数分解を学ぶ理由は、分解して物事を考えることが仕事で非常に大事だから。仕事とはお客さんの問題を解決して、その対価を得ること。その問題のほとんどは複雑化されていて、お客さん自身が解決できないから代わりに解決するんだ。その際に、問題をどう分解して、どうアプローチすべきかがとても大事なんだ。例えば部活で上手くなりたいからと闇雲に練習しても上手くならないよね。自分に足りないものは何かを「分解」してそれを補うから上手くなるよね。数学で因数分解を学ぶのは「数」というものを用いてその訓練をしているんだよ。

キャリア教育の定義がしっかりと定められているのにも関わらず、これを上手く伝えられていないのは、学校現場で伝えられる人がいないからだと思います。よくある「社会に出て働いていないにも関わらず〜」問題です。

そもそも学校側にとってそんなにメリットがないから変わっていないのではとも思います。今の日本のほどんどの学校のKPIは大学の合格実績であって、どれだけ点数が上がったかの方が大事です。キャリア教育が大事なのはわかるけど、自分たちにとってメリットがなければ変えることに腰が重いのかもしれません。

また現在校長や教頭先生を行なっている方々が50、60の世代なので「キャリア教育?わしらの若い時代はなぁ〜」と30年前の彼らの時代と比較して考えてしまうのが問題かもしれません。

さらに学校の先生方も様々な業務に忙殺されて、「これ以上大変になるのは嫌だよ。給料も上がんないし。」みたいな問題かもしれません。

色々考えていると、「みずほらしくない人に会いたい」が浮かびました。

みずほ銀行の新卒採用の広報活動で話題になりました。

このニュースを見たときに、
「上が変わっていないのに本当にみずほらしくない人が会社に入って、定着するのだろうか。」
「そもそも今までみずほらしい人が必要じゃなかったみたいな言い方で、愛を持って働いている社員の気持ちはどうなんだろうか。」
という想いを感じてしまいました。

大企業が変わろうとしているのは良いことだけど、本当に変わるのは難しいんだろうなと感じたことを、今回の学校に照らし合わせて考えていました。

学校教育に関わる人以外の人たちも、キャリア教育を真剣に考えれば少しは変わるんじゃないの?

安易ですがそういう風に行き着きました。

ただ一人でもキャリア教育に関わる人が増えればと思う一方で、
人のキャリアに自分の成功体験だけをぶつけてマウント取る人や、
通説っぽい「べき論」を語る人では断じてありません。

「成長したいのなら大手じゃなくてベンチャーに行くべきだ!」
「ベンチャーから大手に転職するのは難しいから大手に行くべきだ!」

こういうことを平気で言っちゃう人材の会社のCAや、企業の人事、また最近では就活団体を運営している学生がいれば、本気でアホかと言ってやりたい。

上記に挙げたキャリア教育の中にもあるように
「一人一人に」そった自分らしい生き方ってものがあると思います。

様々なバックグラウンドがあって、人には様々な才能がある中で、型にはまった「べき」論で語るなんて本来できないと思います。

少し熱くなってしまいましたが、学校教育に関わる人以外の人たちが、上記のような形ではない形で、キャリア教育の場に携わっていただくことが今の日本にとても重要なことなのではないかと思います。

特に人事という仕事は社会でどんな能力が求められていて、その学生の才能がどこでどう開花しそうなのか、数多くの求職者と出会っているからこそ、他の職種の方よりも伝えられることが多いのではないかと思います。

また就活を経験した大学4年生だからこそ、一人一人に寄り添って伝えられることもあるのではないかと思います。

最近では自社への採用を度外視し、企業名を隠して本気で学生のキャリアに関して徹底的に向き合う愛のある人事だけで構成されたコミュニティ「BEYOND CAREER SUPPORTER」を立ち上げました。

まずは小規模で試験的に、どのように変化が起きるのか探りながら実施していきたいと考えています。

またこれから全国の大学生を巻き込んで、キャリア教育をよくしたいと思う方々を一人でも多く巻き込んでいきたいと思っています。

もし興味がある人事の方や大学生の方がいらっしゃればお声がけください。
一緒にキャリア教育を良くしていきましょう。


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