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立ちはだかる壁に、試行錯誤した日々|理想的な組織ができるまで。〜第2章〜

みなさん、こんにちは。アクセルマーク人事の綱島です。

第1章の記事ではCTOの佐野のこれまでのキャリアから、トップダウン組織への違和感をもち、どのような試行錯誤を行ったかについて話しました。(記事はこちら

第2章は試行錯誤の末にたどり着いたボトムアップ組織にするために必要だと感じたことや、現在の心理的安全性の組織に至るにあたって私が直面していた「壁」と「変化」について話したいと思います。

それではご覧ください。

※本記事はCTO佐野の自分語り形式でお伝えします。

1. ボトムアップ型組織を作るために、必要なこと。

ボトムアップ型組織を構築していくために、必要な要素はたくさんある。

チーム全員が、意見や提案をオープンに表現できること。
失敗も前向きに受け止めて、新しいことに挑戦できる風潮。
お互いの意見を尊重できる文化。
共通の価値観や目標が明確になるような、情報の透明性。
持続的なイノベーションの追求。

私が特に重要性を感じていたのは、「メンバーの一人ひとりが、しっかりと自走できる環境を作ること」だった。

アクセルマークの開発チームは、チームが複数あり、1チームは基本的に3~5名の少人数だ。

その中で必要な権限は委譲し、チーム単位で意思決定して、どんどん先に進められるような体制を取っている。

そのひとつとして、KPT法を用いながらチーム単位で週に1回振り返りをする習慣を、とても大切にしている。

こまめに振り返り、良かった取り組みや課題点を都度明らかにして、次のアクションを決めていくのだ。

例えば、コーディング規約のアップデートや開発のワークフロー整備など、チームにとって必要なアップデート内容が明らかになることもある。

その場合、チーム内で合意が取れれば、すぐアップデートを進めてよい仕組みになっている。

チーム単位で振り返りと改善を繰り返すことで、スピード感を持って開発を進めていける。

そして、最終的に良かった取り組みについては、全体に周知して広げていく。

こうして振り返りと改善を習慣化することで、自然とボトムアップ型の組織が作られていくのだ。

たったひとりのエンジニアが提案した取り組みであっても、それが良いものであれば全体に広めていけるのである。

こうしてアクセルマークは、結果的に心理的安全性を持つ組織となっていった。


心理的安全性の真の価値を引き出す「結果論」

「心理的安全性」という考え方は、皆さんもご存知だろう。

 2010年頃からトレンドになり始めた、Googleが提唱する組織の考え方だ。

「Googleが取り組んでいるから」という理由で、心理的安全性をまねようとするIT企業も出てきている。

私は2016年頃から、アクセルマークをトップダウン型からボトムアップ型の組織に変革するべく、カルチャー構築に着手してきた。

その結果、上記のような今のアクセルマークのカルチャーが生まれ、心理的安全性も担保されるようになった。

アクセルマークの場合、心理的安全性は「結果的についてきたもの」だったのだ。

心理的安全性自体の実現を目的にしてしまうと、「その結果どうしたいか」という本来の目的が損なわれてしまい、本来の意味をなさなくなってしまう。

まさにアクセルマークのような、「結果としての実現」が、心理的安全性の本来の価値を引き出すといえるだろう。

しかしそんなアクセルマークの組織づくりも、以前はとある壁に直面していた。

2. 立ちはだかる壁に、試行錯誤した日々。

直面した壁とは、メンバー間の「価値観のすり合わせ」だ。

さまざまな価値観を持つメンバーを束ねていくのは、なかなか大変だった。

ボトムアップ型の組織を目指しているのに、当初はボトムアップどころか、チーム内で揉めていることもあった。

そして、私自身の目標達成意欲が強いことも、ひとつの壁となった。

適性検査「eF-1G(エフワンジー)」の結果でも、「目標達成意欲」が強いという結果が出ていた。

そのため、2016年頃までは、メンバーに対して業務コミットを強いていたこともあったのだ。

「なぜこういうことができないのか?」

「普通、これはできるだろう……」

目的達成のために、メンバーにも自分と同じレベル感で仕事をしてほしい。

しかし、そう思っても上手くいくことばかりではない。

その葛藤は、組織のレベルを上げていきたいがゆえの壁であり、私にとっての大きな試練だった。

また、価値観のすり合わせにかかる時間が、人によって違うことも感じていた。

私と価値観が近いメンバーなら短期間で合意が取れることでも、価値観が遠いメンバーの場合はもう少し時間がかかる。

結果として、価値観の遠いメンバーが退職してしまうこともあった。

いくつもの壁に阻まれながらも、2020年頃に転機が訪れる。


一人ひとりの価値観を把握し、そのうえでチームを作る

転機となったのは、会社の事業状況を踏まえて実施した受託開発・協業開発だった。

私自身を含むメンバー皆に、大きな変化が訪れたのだ。

まず、メンバーたちの主体性が増した。

受託や協業を通じ、外部エンジニアや外部環境に触れることで、メンバーたちの考え方が変化していったのである。

そして私自身も、他人の価値観を許容できるようになった。

これまでは、他人にも自分と同じような価値観を求めていた。

しかし、人にはそれぞれメンタルモデルがあり、それは簡単には変えられないことを知った。

他人との違いを不満に思っていること自体が、自己の正当化であることに気付いたのだった。

他人にも独自の価値観があるように、自分の価値観にも偏りがある。

そう認識することで、価値観の違いを不満に感じないような、セルフコントロールができるようになっていった。

その結果、「価値観のすり合わせ」という大きな壁は、少しずつ乗り越えられるようになった。

メンバーには適性検査を受けてもらい、まず個々の価値観を把握して、接し方や距離の取り方、アプローチなどを意識するようにした。

メンバーの中には、変化を好んでどんどんアップデートしていきたいタイプもいれば、まず足場を固めて徐々にアップデートを重ねたいタイプもいた。

そこで、メンバー間の相性を考慮したり、メンバーによってマネジメントを変えたりと、個々の価値観を大事にしたチーム設計をするようになったのだ。

小さなチームだからこそ、まずは一丸となることが大事だ。

メンバー全員のキャリアプランや興味の方向性をしっかりとヒアリングし、その内容もチーム設計に活かした。

さらに、チームとしての定量的・定性的な目標もしっかりと定めた。

その際、上長からメンバーまで、皆の方針がずれないよう目標を定める。

それをしっかりと踏まえて動くことを、今でも大切にしている。

3. 壁を乗り越えた先には、心理的安全性があった。

こうして試行錯誤を繰り返した結果、2023年現在において、アクセルマークは心理的安全性を体現するようになった。

そしてその要素が一体何なのかも、整理できるようになってきている。

次回は、一体どんな要素がアクセルマークの心理的安全性を構成しているのか、その要素の詳細に迫る。


続く。

最後までご覧いただきありがとうございました。
続きが気になる方は下記の記事をご覧くださいませ。

第三弾の記事はこちら

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