日本の男性育児休業取得率は上昇傾向にありますが、現状では5.14%(厚生労働省「平成29年度雇用均等基本調査」)と、非常に低い数値です。
アバナードにおける育児休暇取得率は、女性100%、男性は64%におよび、特に男性が取得するケースが年々増えてきています。(2019年8月時点)
この数字は「柔軟な働き方」が実践できている現れに見える一方で、気になるのは、「実情はどうなのだろうか…」というところではないでしょうか。
そこで今回は、マネジャー職に就きながらも育児休暇を取得し、ライフステージに合わせて柔軟に働く、グループマネジャーの藤井さんにお話を伺いました。
藤井 幸平(ふじい こうへい)/ソフトウェアエンジニアリング/グループマネジャー
日系SIerにて、VB.NET, C#, C++, SQL Server, Oracle を利用したアプリの開発案件において社内をリード。約11年間勤めたのち「クライアントの近くでものづくりに関わり続けたい」との想いから、2011年アバナードへ転職。2019年にはマネジャー職でありながら育児休暇を取得し、ライフステージに合わせた柔軟な働き方を実践している。
第二子誕生で2ヶ月間の育児休暇、現在は在宅勤務も
— 第二子誕生おめでとうございます!今年取得されていた育児休暇についてお話を聞かせてください。いつ、どのくらいの期間、休暇を取得されましたか?
第二子が生まれたのは、2019年の3月です。僕の場合は、出産直前からゴールデンウィーク終了まで、約2ヶ月間の育児休暇を取得しました。
— 2ヶ月間の育児休暇を取得した背景を聞かせてください。
今回、第二子の出産にあたって育児休暇を取ろうと思ったのは、「成長を見逃したくない」という子どもに対する素直な気持ちからです。
というのも、5歳になる長女の成長ぶりを見ていて、子どもの成長の早さに日々驚かされるんです。だから、“今”を逃したらもう二度と見られない成長を、見逃すことなく、ちゃんと時間を取って向き合って見ておきたい、そう思ったからです。
第一子が生まれた時もすでにアバナードに在籍していたのですが、育児休暇は取得しませんでした。今振り返って取得しなかった理由を考えてみると、その当時は、社内に男性が育児休暇を取得する雰囲気はあまりなかったように思いますし、そもそも僕自身に、「男は働くものだ。子どもが生まれたらもっと働かないと」そんな意識がどこかにあった気がしますね。
ここ数年、会社が成長するにつれて、福利厚生制度は年々充実してきています。その中で、男性社員が育児休暇を取得するケースもどんどん増えてきていて、身の回りでも耳にするようになりました。男性が育児休暇を取得する文化が、社内に根付いてきているように思います。
そのような会社の環境と、自分の思いが合致したので、育児休暇を取得するに至りました。
ー 本音をいうと、「育休取得しにくかった…気まずかった…」ということはなかったですか?笑
それはなかったですね(笑)アバナードは、自分がやるべきことさえきちんとしていれば、休むことに対して誰かが何かを言うような雰囲気はありません。
当時僕はマネジャーとして約20人のメンバーを取りまとめていたのですが、休暇の半年前くらいから、メンバーにも上司にも育児休暇を取得する旨は伝えていました。ですから、僕としてすべきことは、自分が抜けることでプロジェクトに迷惑がかからないように、リーダーがいなくともチームメンバーが動けるように段取りをすること。入念に準備をして、休暇に入りました。
数ヶ月も仕事から離れるのは初めてでしたから、準備をしたとはいえ不安なところもありますし、当然、現場で何かがあったら対応する心持ちで休暇に入ったのですが、その心配は全くなかったですね。
休暇中、対応が必要な連絡は全くなく、2ヶ月間しっかり育児に専念させてもらいました。
現在はすでに通常業務に戻っていますが、家庭の事情で出勤が難しい日もあります。そんな時には、在宅勤務も活用させてもらっています。
ーどのような時に在宅勤務をしていますか?
つい先日は、妻が怪我をして家事や子どもの世話が一人では困難な状態になってしまったので、一週間自宅で家事と育児のサポートをしながら仕事をさせてもらいました。子育てはずっと続くものなので、そういう時に柔軟に対応できる制度と、それを取っていい雰囲気や文化があるのは、子どもを持つ親として助けられていますね。
育児休暇取得によるマイナス評価なし
ー 休暇は取得できたとしても、その後「キャリア的には大丈夫なの!?」と思う人もいるのではないかと思います。正直なところ、不安はありませんでしたか?
もちろん、不安がなかったと言えば嘘です。数ヶ月も仕事から離れたことなんて、これまでないですからね。
それでも育児休暇取得に踏み切れたのは、「アバナードは、その人がプロジェクトでどれだけ貢献できているかを、きちんと評価してくれる会社だ」という認識を、会社に対して持てていたからです。
前職は日系SIerにいたのですが、昇進するのに5年くらいかかるのが普通で、2年で昇進したときには、最速記録だと言われたほどです(笑)
でも、このアバナードには、明確な評価基準があって、入社してからは前職に比べると驚くべき速さで昇進してきていました。
そういう体感もこれまでのアバナードで働く中で持っていましたし、周囲を見ていても、仕事での成果を評価してくれる会社だなと感じます。
先日、前年度(育児休暇を取得した年度)の年次評価を受けるタイミングだったのですが、いい評価をしてもらいました!
ー いい評価といいますと…?
つまり…グループマネジャーに昇進が決まりました!
ー おめでとうございます!具体的に、どのような点において評価されたのですか?
大きく評価してもらったのは、マネジャーとして実施してきたマネジメント部分です。自分がいなくてもチームが稼働する体制を構築できたことも、評価していただきました。
結果として、育児休暇を取得するための準備活動も評価ポイントにつながったんです。
これは、かなり嬉しいポイントでしたね。
経験してわかった、育児の大変さ
ー 育児休暇はご家族にとってどのような時間になりましたか?
とても充実した時間でしたね。妻からは感謝されましたし、柔軟な働き方ができる会社にいることを喜んでくれています。個人的には、長女にとっても、いい影響があったのではないかと思っています。
2人目の育児にありがちですが、上の子は多くの場合“赤ちゃん返り”をしてしまいます。もしワンオペの出産・育児だったら、その赤ちゃん返りに対して「それどころじゃない…」という状態になってしまうと思いますが、僕がいたことで長女のケアもできました。それはきっと、子どもにとってもいい時間だったんじゃないかなと思っています。
そして、経験してみてわかったことは、育児は仕事と比べ物にならないくらい大変だということですね(苦笑)母親の苦労を目で見て、少しの期間であっても一緒に経験できたことは大きかったですし、今後の人生において、すごく貴重な経験になりました。これからも家庭と仕事のバランスをきちんととっていきたいなと考えています。
ー これからライフイベントを控えている若い世代に、ぜひメッセージをお願いします。
人生において、仕事ってすごく大事な時間だと思っています。でも、もし子どもを持つ機会があるのであれば、子どもとの時間はもっともっと大事にしたい時間だと、僕は思うんです。
子どもの成長は、たった1ヶ月の成長も凄まじいものがあるんですよ。同時に、その成長を見ていると、ふと自分を振り返ってみたときに、自分はこの1ヶ月でどれだけの成長できたんだろうかと考えるわけです。
成長を見逃したくないという思いとともに、そこに負けないよう頑張らなくてはという思いも出てきます。
アバナードにはありがたいことに、仕事もプライベートも両立できる仕組みがあります。チャンスがあれば是非、活用をおすすめしたいですね。