アクセンチュアとマイクロソフトの戦略的合弁会社として2000年に米国で生まれたアバナード。「戦略×テクノロジー」の支援により、これまで多くのクライアントのイノベーション創出を支えてきました。
AIの進化によって、コンサルタントに求められる価値も大きく変わりつつあります。技術やツールを使いこなす力と、顧客の課題を理解し変革を導く力、その両方を併せ持つ人材を、アバナードはどのように育てているのでしょうか。
今回は、2025年に新卒入社し、大手製造業グループのERP導入プロジェクトの上流を担う髙橋にインタビューを実施。配属直後に自身の課題と向き合いながらも、AIを武器に急成長を遂げてきた髙橋に、これまでの歩みを語ってもらいました。
▼プロフィール
氏名:髙橋 賢一郎(kenichiro.takahashi)
役職:Analyst
職種:Digital Advisory
「コンサル×IT」でアバナードにたどり着いた理由
―就職活動では、どのような軸で企業を探されていたのか聞かせてください。
「コンサルティング」と「IT」の2軸で企業を探していました。コンサルを志望したのは、クライアントへの提案や資料作成を通じて、論理的思考力とコミュニケーション能力を磨きたいと思ったからです。高校はカナダ、大学はアメリカという環境で過ごしていたので、相手に合わせて情報を整理し分かりやすく伝えることの重要性を、強く実感していました。
もう1つのITについては、大学時代からテクノロジーや社会がビジネスに与えるインパクトに関心があったんです。特に興味を持っていたのが、AIが人間を超えるとされる「2045年問題」、いわゆるシンギュラリティでした。そうした未来が訪れる頃、自分はちょうど社会人真っ只中になるので、若いうちから、ITに触れ、使いこなせる人材になる必要があると考え、ITも軸に加えました。
―数あるコンサルティングファームの中で、アバナードを選んだ決め手は何だったのでしょうか。
マイクロソフトのテクノロジーに関する知見と、アクセンチュアのコンサルティング知識を併せ持つアバナードは、自分の就活軸にもっとも合う会社だと感じました。就職活動は東京とボストンのキャリアフォーラムを中心に進め、両方に参加していた複数のコンサルティングファームを比較検討したうえでの決断でした。
中でもアバナードが際立っていたのは、面接の質問の質の高さです。「その時どう考えたのか」「今はどうなのか」と自分の経験を深掘りしてくる質問が多く、自分自身を振り返るいいきっかけになりました。
若手ながらERP導入プロジェクトの上流工程に挑戦
―入社後、どのような業務からキャリアをスタートされたのか聞かせてください。
入社後すぐの頃は、資料作成や分析など、プロジェクトを支える業務を中心に担当していました。 私が最初に携わったのは、官公庁のセキュリティアセスメント案件でした。官公庁が扱うシステムの概要及び実装状況について、Excelで届く運用資料をもとに、定められたフレームワークに沿って脆弱性の有無を判断していく仕事です。
ただ、私自身は就活の頃からお客様と直接対話しながら課題解決に取り組む仕事を望んでいたので、その思いを上司に伝えていました。そうしたところ、2つ目のプロジェクトとして声がかかったのが、大手製造業グループのERP導入プロジェクトです。お客様と直接対話をしながら要件定義を進める、上流工程のPMO(プロジェクト全体の進行管理を担う役割)コンサルです。
ERPプロジェクト参画1週間で受けたアドバイスが成長の原動力になった
―実際にプロジェクトに入ってみて、いかがでしたか。
正直、最初の数カ月はかなり苦戦しました。1つ目の官公庁案件では資料作成の機会がほとんどなく、身についていたのはその現場特有のスキルだけでした。まったく畑違いの2つ目のプロジェクトに移ったことで、コンサルタントとして本来求められる資料作成力などの汎用的なスキルが、自分にはまだ十分に備わっていないことを痛感しました。
参画から1週間ほど経った頃、ディレクターとマネージャーからそれぞれフィードバックを受ける機会がありました。そこで、資料作成をはじめとするコンサルタントとしての基礎スキルについて、さらに成長していく必要があることを率直に指摘されたんです。クライアントに提出する資料を扱うプロジェクトだったため、若手であっても高い品質が求められる環境でした。その言葉をきっかけに、自分自身の課題と真剣に向き合うようになりました。
―そこで感じた課題に対して、どのように向き合ったのでしょうか。
自分の力不足は自覚していたので、その悔しさをバネに奮起しました。AIを活用しながら資料作成の進め方を工夫したり、日頃からニュースや書籍を通じて知見を広げたりと、自分なりに学び続けました。指摘を受けた翌日には改善を実践することを意識し、一つひとつ積み重ねていった結果、「成長速度がとても速いね」と言ってもらえるようになりました。
Copilotとプロンプトエンジニアリングを活用し、資料作成力を高める
―資料作成力を伸ばすうえで、具体的にはどのような方法を取ったのでしょうか。
ゼロから座学的に関数やクエリを学ぶか、AIの活用にシフトするかという2択で悩んだのですが、最終的にはAI活用を選びました。今のプロジェクトにはAI活用に精通したメンバーが多く、日々の会話を通じてAIの可能性に触れる機会が多くありました。資料作成などの業務においてもAIの活用がますます進んでいくと感じており、コンサルタントとしてより高い価値を発揮するためには、AIを使いこなす力が重要になると考えるようになりました。
具体的には3つの工夫をしました。1つ目はプロンプトを改善したことです。以前は漠然とした質問しか投げていなかったのですが、AI自身に「良いプロンプトとは何か」を聞き、目的や背景を伝えること、記号を効果的に使うことなどのコツをつかみました。
2つ目は、プロンプトエンジニアリング(AIへの指示の出し方を設計すること)を担うエージェントを自分で作ったこと。背景を説明する工程自体をエージェントに任せています。
3つ目は、マイクロソフトの生成AIアシスタント「Copilot」の使い分けです。ExcelやPowerPoint上で利用する場合と、Web上で利用する場合では、それぞれ強みが異なると気づきました。資料作成にはExcelやPowerPoint上のCopilotが向いていると感じ、用途に応じて活用しています。
―そうした工夫は、先輩から教わったのでしょうか。
いえ、すべて自分で試行錯誤しながら習得したものです。AIの進化に関するニュースは日頃からよく見ていたので、それだけの機能があるのに使いこなせていない自分の現状に、正直不満を感じていました。AIと徹底的に対話を重ねるうちに、今の3つの工夫にたどり着いたという感じです。今の上司がよく言っているのが、AIを使いこなすとは結局は言語化能力だということです。私は、自分がやりたいことを正確に言語化できて初めて、AIから良い成果を引き出せるんだと思っています。
挑戦を奨励する上司の後押しと、若手を育てる手厚いサポート体制
―そうした成長の背景には、周囲のサポートもあったのでしょうか。
当社ではPeople Leadという立場の方がメンターについてくれる制度があります。また、 直属の上司からも「最近大丈夫?」と声を掛けてもらうなど、周囲の方々から気にかけてもらっています。
実力不足に悩んでいた時期には、以前の上司にも相談しました。その際、 「間違えていいんだよ。2年目だからこそたくさん失敗して、成長していけばいい」と声をかけていただいたんです。あの言葉には本当に助けられました。入社前は外資系コンサルらしい成果主義・競争的な環境をイメージしていたのですが、実際は周囲がとても協力的で、若手に挑戦機会を与えながら成長を支援する文化があるんです。
―髙橋さんご自身が成長のために意識していることがあれば聞かせてください。
3つの時間軸でビジョンを語れるようにすることです。5年後・10年後という長期、3年後の中期、そして今週・今月の短期、この3つの軸で自分がどうなりたいかを考えるようにしています。上司からはいつも、そのビジョンを論理的に語れることが重要だと言われますね。
―若手がチャレンジできる環境について、どう感じていますか。
同期にも、自ら手を挙げて提案活動に携わっている人がいます。アバナードが案件を獲得するための提案活動を通じて、クライアントと直接向き合う経験を積んでいて、本当に尊敬しています。私自身も、お客様の前で説明する機会や資料作成を担当したいと自ら希望し、挑戦する機会をいただいてきました。若手であっても、意欲を示せばさまざまな経験を積める環境だと思います。
5年後は自立したプロフェッショナルへ、意思表示できる人がアバナードで活躍する
―AI時代に、コンサルタントという職業の必要性についてはどう感じていますか。
AI時代でもコンサルタントは求められる存在だと思っています。企業のAI活用は進みつつありますが、その価値を十分に引き出せている企業はまだ多くないと感じています。
実際にお客様と接する中でも、AIの活用方法を模索している企業はまだ多いと感じています。それぞれの業務や課題に合った活用方法を一緒に考え、実現を支援していくことが、コンサルタントの役割だと思っています。
これから求められるのは、テクノロジーの変化を見据えながら、お客様の将来像を描けるコンサルタントです。日々の情報収集をもとに、5年後、10年後にどんな人材がバリューを出せるのかを考えながら動けるコンサルタントが活躍できると思います。
―髙橋さんご自身は、これからどのように成長していきたいと考えていますか。
5年後、10年後は、自立して全体を俯瞰しながら物事を回せる人になりたいと思っています。そのために今意識しているのが、どんな粒度であっても一つのタスクをまずは完全に一人でやり切ることですね。
―最後に、アバナードに興味を持った方にメッセージをお願いします。
伝えたいのは、自分は年次が低いから、若手だからといって萎縮する必要はないということです。将来どうなりたいのか、どんな価値を生み出したいのかという思いを強く持ち、「挑戦させてください」と意思表示できる人であれば、アバナードという環境でどんどん活躍できると思います。
※本記事は連載企画として発信しています。AI時代に求められる力は、技術力だけではありません。業務理解を深めながら成長する若手エンジニアのストーリーも、ぜひご覧ください。
→ 「技術だけでは足りない」新卒3年目が学んだ、業務理解というもう一つの専門性 | アバナード株式会社