こんにちは!Attack黒木です。今回は、2月8日(水)に開催した、弊社代表・村上篤志によるオンラインセミナー「ITエンジニアからの応募を増やす採用広報のテクニック」のレポートをお届けします。
ITエンジニアの採用は大変厳しい状況の中、ひとりでも多くの応募者を集めるためには「採用広報」が欠かせません。特に、ITエンジニアはwebを中心に情報収集する方が多いので、ITエンジニア向けの採用広報コンテンツが充実している企業は、他社よりもスカウト返信率や内定受諾率が高い傾向にあります。
そこで、今回のセミナーでは、採用広報戦略の考え方や効果的な採用コンテンツなどについてお伝えしました。
エンジニア採用の市況感
doda(パーソルキャリア)転職求人倍率レポートによると、一度コロナ禍で落ち込んだ求人倍率はすぐに回復し、現在は右肩上がりになっています。
2022年11月の段階で、全業界・全職種の平均求人倍率は2.23倍、「IT・通信」「人材」「コンサル」の3業界では約6〜8倍、「エンジニア(IT・通信)」の求人倍率は10倍以上となっています。
レバテックの調査では、2022年12月の段階で、ITエンジニア・クリエイターの正社員求人数・求人倍率は15倍以上という数値が出ていました。
このような結果も踏まえ、ITエンジニアの採用は相当厳しいという現実に目を向ける必要があります。
採用広報コンテンツに必要な要素
このように厳しい市況感の中、ひとりでも多くの応募者を獲得するためには、採用広報コンテンツを作る必要があります。スタートアップやベンチャー企業など、知名度で勝負できない場合は、特に採用広報コンテンツの重要性が高くなります。
まず、採用広報は「誰に対して、どういった内容を、どこに掲載するのか」を考える必要があります。
①ターゲット
職種・経験値・必須要件・歓迎要件・年収だけではなく、ペルソナとして、求める人物のキャラクターや価値観を整理します。
並行して、会社・事業・組織を表現するキーワードを挙げます。そして、設定したペルソナに対して、どの言葉が響くかを考え、採用広報として打ち出すメッセージを決めていきます。
②コンテンツ
様々な採用手法に振り回されないためにも、学術的理論を基に、人間の普遍的な心理の仕組みをベースに考えることが重要です。
例えば、弊社では「マズローの欲求5段階説」「マクレガーのX理論・Y理論」「ハーズバーグの二要因理論」を活用しています。自己実現欲求を満たせる仕事内容、自由度や裁量権、承認や成長など仕事から得られる「動機づけ要因」をアピールする工夫が必要です。
そして、伝えるべきコンテンツは大きく分けて4つあります。
1)会社 代表メッセージや企業理念、ニュースなど
2)事業 プロダクトの強みや想い、今後の事業展開など
3)組織 現場社員のインタビュー、社内の組織風土など
4)制度 給与、等級、福利厚生、スキルアップや書籍等の費用補助など
これらのコンテンツの枠組みで、ターゲットに響く、貴社オリジナルのメッセージを設計する必要があります。
③メディア
採用広報において、メディアには大きく3種類あります。
●Owned Media( 会社または代理店が管理するメディア )
自社ホームページやWantedly、noteといった自社で内容をコントロールできるメディアです。その分、クオリティを高める労力が必要になります。
●Paid Media (企業が費用を払い、広告掲載をする従来のメディア)
NEWS PICKS、talent book、PR TIMESといったメディアです。クオリティの高いコンテンツを第三者メディアに掲載することで、ブランディング強化が期待できますが、コストがかかります。
●Earned Media (第三者からの視点で企業情報が掲載されるメディア)
OpenWorkや転職会議といった口コミサイトです。良い内容が掲載されれば採用広報としての効果は高いですが、自社で内容をコントロールすることは全くできません。
採用広報というと、インタビュー記事のイメージが強いかもしれませんが、プレスリリース等も効果的です。著名なエンジニアの役職就任や、エンジニア向けの施策や社内制度の立ち上げ等、積極的に情報発信していくのが良いでしょう。
エンジニア採用に効く採用広報コンテンツとは?
2020年のパーソルキャリアの調査結果によると、ITエンジニアの転職理由は「やりたい仕事」「技術習得」「給与への不満」でした。採用広報コンテンツは、これらの転職理由に合わせた魅力を盛り込む必要があります。
「仕事内容」
機能的特徴や数量的な伸びだけではなく、サービスやプロダクトの魅力、そこから成し遂げたい世界観や開発背景、世の中に与えるインパクトを伝えることが欠かせません。
「スキルアップ」
多くのITエンジニアは、新しい技術に興味を持っています。それゆえ、技術スタックの魅力を伝えると良いでしょう。また、入社後のスキルアップの仕組みや、メンバー同士で切磋琢磨できる環境のアピールも有効です。
「給与」
ITエンジニア採用の大前提として、給与体系を上げることは必須です。しかし、それが厳しい場合は、福利厚生やリモートワークや副業の可否といった働き方のアピールをするのもありです。また、将来的に高い給与を得られるモデルを提示するのも良いでしょう。
ITエンジニアの多くは他社の開発体制に興味を持っているため、プロダクトやサービス開発を中心とした発信をすることで、関心を引くことができます。
また、最近はオンラインでの採用イベントも活発です。定期的にCTOや社内エンジニアが登壇するイベントを行いながら、選考につなげる手法が広まりつつあります。また、エンジニアネットワークを活用した勉強会の開催から、採用につなげる方法もあります。
ITエンジニアの採用広報においては、人事部や広報部だけでは完結できないコンテンツや手法が多数あります。社内エンジニアの協力が必要といえるでしょう。
エンジニア採用を成功させるために
採用広報にどれだけ注力したとしても、前述のとおり、やはりITエンジニアの採用は大変厳しい状況です。しかし、既にスキルのある中途採用の日本人エンジニアを正社員で、というこだわりをなくせば、状況は変わります。
外国籍エンジニアやポテンシャル人材、業務委託や受託開発の人材の採用を視野に入れることで、エンジニア不足を解消することができます。この中でも、業務委託エンジニアの採用は、今すぐ取り組める施策です。
優秀なエンジニアほど仕事が選べる環境にあるため、フリーランスになる傾向があります。レバテックの調査でも、ここ数年でITエンジニアのフリーランスは増加傾向にあるのです。
ITエンジニア採用広報への取り組みを行いながらも、正社員採用の厳しい市況感や優秀なフリーランスエンジニアが増加している実情も、ご認識いただければと思います。
今回は、ITエンジニア採用における広報テクニックとして、広報コンテンツに必要な要素や、効果のある広報コンテンツについてご紹介しました。貴社の採用活動のお悩みに、少しでもお役に立てれば幸いです。
弊社では採用支援サービス『TARGET』を展開し、採用活動の全体から一部まで、貴社のニーズに合わせて採用成功をサポートします。ITエンジニアのスカウト実績豊富な弊社にぜひお任せください。お問い合わせをお待ちしています。