今日は各地の職員が京都大学百周年時計台記念館に集結しました。明蓬館高等学校での実践について指定討論者に神奈川大学の杉山崇先生、横浜市立大学の新免玲先生をお招きして会員シンポジウムを開催しました。
日々の実践の成果をまとめて今回は京都大学で行われた日本心理療法統合学会第4回学術大会にて当社職員がシンポジウムにて話題提供を行いました。
広域通信制高等学校における大学進学を希望する特性のある生徒へのオンライン環境を活用したキャリア支援の実践について
企 画 者:吉田敏明(明蓬館高等学校)
司 会 者:後藤のぞみ(明蓬館高等学校 品川・御殿山SNEC)
話題提供者:髙橋香帆(明蓬館高等学校 品川・御殿山SNEC)
鈴木優里香︎(明蓬館高等学校 品川・御殿山SNEC)
根津優美香(明蓬館高等学校 東京・国立SNEC)
福本みなみ(明蓬館高等学校 岐阜SNEC)
指定討論者:新免玲(横浜市立大学)
杉山崇(神奈川大学)
■ 発表内容の一部抜粋 ■
広域通信制高校へ進学を希望する生徒数は年々増加傾向にあり、通信制高校に在籍する生徒の実態についても注目が集まってきています。「令和5年度学校基本調査(文部科学省,2023)」によると1,065,592人の高校進学者の内、55,867人の生徒が通信制高校に進学しており、昨年度よりも約14.6%増加していることがわかっています。「「定時制・通信制高等学校における教育の質の確保のための調査研究」報告書(平成29年度文部科学省委託事業,2018)」によると広域通信制高校の在籍生徒のうち、約66.7%は不登校等を経験しており、心療内科等に通院歴のある生徒が約4.8%もいることもわかっています。
「高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン(文部科学省,2023)」の中でも通信制高校の中に養護教諭、 スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを配置したきめ細やかな生徒の支援の充実やキャリア支援を得意とする教職員やキャリアカウンセラーを配置し、生徒の社会的・職業的自立に向けた支援をすることの重要性が示されています。
日本の学校臨床の現場には、思春期・青年期への支援は不登校問題等多くの課題を残しているように感じています。今回は心理支援の中でも通信制高校におけるオンライン環境を活用したキャリア支援に焦点を当ててお話をさせていただきました。
生徒たちから生まれてきたSNECのアプローチ、人間関係形成能力の育成の大切さなど、シンポジウムの中では、不登校や様々なニーズを持つ高校生への支援について貴重な意見が飛び交いました。
明蓬館高等学校では心理師だけではなく、教員など多職種の職員も心理支援を学び、実践をしています。
学会発表は、改めて我々の心理支援の多様性を確認し、一人ひとりの職員が新しい気づきを得るとても良い機会になっています。