私は2020年7月に株式会社アジラに入社し、本ストーリーを執筆中の2020年12 月現在までの5ヶ月間さまざまな経験をし、スタートアップで働くとはどのようなものなのかを身を持って体験してきました。昨今、終身雇用の崩壊が囁かれ、多くの若手がすぐに転職するといったニュースが目立ちますが、私もその行動をとった一人です。恐らく同様の考えをお持ちの方も多くいるかと思います。本ストーリーは、そのようにスタートアップへ転職をお考えの方や、新卒で大企業かスタートアップで迷っている方などへ、少しでも参考になればという思いで執筆いたしました。(もちろん、アジラという会社に興味を持ってもらうという目的も!)
略歴
2018年3月 東京工業大学大学院修士修了(電気電子工学専攻)
2018年4月 日揮株式会社(現日揮ホールディングス株式会社)入社
2020年7月 株式会社アジラ入社
JDLA Deep Learning for ENGINEER 2020#1, Project Management Professional (PMP), TOEIC 990
私のファーストキャリア
私は新卒で、日揮というプラント建設会社に入社しました。就活時は“海外” & “プロジェクト“という2つの軸で会社を探しておりましたが、主事業が海外でのプラント建設プロジェクトである日揮という会社は、まさに私の軸に合致した会社であり、強い熱意を持って入社した記憶があります。
なぜ、“海外“と”プロジェクト“という軸だったかというと、まず“海外“という軸に関しては、学生時代に留学した際に形成されたと思っています。私は、スウェーデン王立工科大学(以下、KTH)に交換留学生として1年間留学していたのですが、KTHは留学生を積極的に受け入れており、世界中から非常に多くの留学生がサイエンスやエンジニアリングを学びに来ていました。KTHでの授業はグループワークが非常に多かったのですが、海外に留学するようなアクティブな精神を持ちかつ全く異なる文化で生まれ育った者たちが、一つの目的に向かって互いに協力し合うという私にとって全く新しい経験は、非常に刺激的で魅力的なものでした。その時の経験から、将来はグローバルな環境で働きたいと思い、“海外“という軸が形成されました。もう一つの軸である、“プロジェクト“に関してですが、こちらも前述のKTHでのグループワークの経験から一部影響を受けているのですが、皆で一つの目標に向かって努力し、目標を達成した時の“達成感“、そしてもうこのプロジェクトは終わりなのだというある種の“喪失感“を味わえる仕事がしたいという気持ちがあったためです。
そのような経緯で日揮という会社に入社後は、クウェート駐在を経て、プラント設計IT業務に携わりました。クウェート駐在時の経験は、まさに私が求めていたものであり、困難も多かったですが非常に充実した日々を送ることができました。
漠然としたモヤモヤ感
クウェート駐在後は、プラント設計IT業務を担当する部署に配属になったのですが、その部署では各プラント建設案件で用いる設計ソフトウェアの運用や設計データを管理する業務を行っておりました。素晴らしい上司など人間関係には非常に恵まれていたのですが、業務を行っていくうちに自分の中で漠然としたモヤモヤ感を抱いていきました。というのも、当初希望していた部署とは違う部署に配属となり、その部署の業務は、案件そのものは海外案件であり海外の方とミーティングする機会などもあったのですが、実際に海外に行くことはあまり無く、自分の想像していた仕事とは少し違っていました。また、プロジェクトに関する業務ではあるのですが、基本的には複数のプロジェクトのIT運用を行う業務のため、各プロジェクトに広く薄く関わる業務でした。ここで、当初の“海外“と”プロジェクト“という軸を考えると、半分は合っているけど半分は違うという状態となっていました。
転職という決断
そんなモヤモヤした状況の中で、社内の若手有志でAIに関する勉強会があり、AIに関して勉強していくにつれ、徐々に先端技術に興味を持ち始めました。会社としても先端技術に力を入れ始めていたため、当時の会社で先端技術に触れていくキャリアもありかなと思ったのですが、もしその選択肢をとった場合、当初の“海外“と”プロジェクト“という軸からはさらに離れてしまうという恐さもありました。そんな中、社外の選択肢も見てみたところ、“海外“、”プロジェクト” 、“先端技術“という3つを同時に満たす職種が存在することが分かり、密かに転職活動を行っていました。その後、“アジラ“という会社を知り、自分のやりたいことと非常にマッチしていたため転職を決断しました。他にもいくつかの企業を見ていたのですが、1. 純粋に行動認識AIが面白そう、2.既に海外法人があり、今後も海外マーケットを視野に入れている、3.スタートアップという未知の世界への興味があった、という理由でアジラに入社を決めました。
スタートアップへのマインド修正
アジラへ入社直後は、エリート揃いの海外法人とのコミュニケーションや、慣れない顧客との打ち合わせなど日々苦労の連続でしたが、何より一番大変だったのは、スタートアップという環境への適応でした。スタートアップであるアジラは、組織や事業が常に高速で変化し続けているため、自身も相当な速度で対応していかなければならない。また、スタートアップという性質上、時にはリスクを恐れず大胆になる必要がありました。当時の私はあまりスタートアップマインドでは無く、強烈なカルチャーギャップを感じていました。このままではスタートアップで生きていけないなと思い、スタートアップの文化やマインドに適応するよう脳の回路に切り替えるために、起業やスタートアップ関連の本を読み込みました。正直まだまだマインドを完全には切り替えられてはいませんが、多くの本を読んだり、100%スタートアップマインドの社長直下で働くことにより、徐々にスタートアップという環境を楽しめるようになってきたと感じています。
入社後に読んだ起業・スタートアップ関連書籍の一部
アジラでの業務
現在はプロジェクトマネージャとして行動認識AIに関する複数のプロジェクト運用を担当しています。基本的に担当プロジェクトの運用は自身の裁量に任せていただいているので、非常にやりがいはあります。ただ、任せてもらえるということは、自分で前に進まなければ何も進まないということでもあります。ビジネス面でも技術面でもまだ分からないことが多いので、色々な人に助けてもらいながら、なんとかして前に進めようと毎日必死です。また、プロジェクト運用以外にも会社の主軸であるR&Dの議論にも参加させてもらっています。まだ知識が足りないため関連論文を読み込んだりして、少しでも議論に参加できるようこちらも毎日必死です(笑)。
また、転職して感じた環境の違いは、一般若手社員目線になるのですが、前述の求められるマインドセットと、もう一つは“社員に求められる成長の速度“です。前職の場合、まだ終身雇用を前提とした雇用体系であったため、若手を長期的に育てる文化でした。スタートアップであるアジラは、そんな余裕は全くありません。そのため、新人であろうと誰もがすぐに戦場の最前線に放り出され、瞬時にその戦場で戦えるよう成長することが求められます。そしてその戦場を乗り越えても、すぐ次の新しい戦場へ放り出されるという(笑)。なかなか大変ですが、これを乗り越えられればもの凄く成長できると感じています。
同期入社のジェットソンマン山本氏 (私と同じく未経験だが既にPMもエンジニアもこなす)
将来のキャリア像
将来のキャリア像としては、シンプルに“楽しいことをやりたい“です。正直明確なキャリア像はありません(笑)。今までの自分の経験を振り返ると、やりたいことはその時の心情や環境で変わるということが自分で分かっているので、今キャリア像を決めたところで多分そのうち変わると思っています。もし、学生時代に留学していなかったら、もし、前職とは違う会社を新卒時に選んでいたら、もし、AIに関する勉強会に参加していなかったら、全く違うキャリアを歩んでいたはずです。ただ、どの選択肢においても、当時の自分が楽しそうと思ったからその選択肢を選んできました。将来も、そのように楽しそうと思える選択肢を取れる人間になりたいと思っています。そのためにも、今は自身の経験や今後必要とされるスキルを、現在の仕事を通して広げていきたいですね。
飲み会ではっちゃける、人生を楽しんでいるCFO
最後に
我々アジラは本気で行動認識AI世界一を目指しています。この熱意に共感を持っていただける方、海外エリートと共に働き激しい議論をしたい方、そして日々エキサイティングな経験をしたい方、ぜひアジラで一緒に世界一を目指しませんか?