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アンドパッドには、展示会やセミナーなど、さまざまなイベントの企画・運営に携わる専門部署、「イベントマーケティンググループ」があります。一見リード獲得を目的とした部署だと想起されるかもしれませんが、「グロースオーナーとして事業成長にコミットしていく」と所属メンバーのグループマネジャーの長濱と逸見は強い意志で語ります。今回は、イベントマーケティンググループが担うミッションや具体的な業務、本ポジションだからこそ得られるキャリアや業務の醍醐味について話を聞きました。
長濱 純人 事業戦略本部 マーケティング部 グループマネージャー(写真左)
工学修士。前職では不動産管理会社にて物件管理を担当。2018年より株式会社アンドパッドに入社し、当初はフィールドセールスとして100社以上の工事会社様のICT化支援を行う。現在はマーケティング部 マネージャーとして従事。マス、広報PR、リード創出、デザイン、SDRなどマーケティングのあらゆる機能を駆使して事業拡大、ブランディングに従事。
逸見 千晶 事業戦略本部 マーケティング部 イベントマーケティンググループ(写真右)
前職ではイベント代理店でイベントプロデューサーとして数々のBtoBイベント・カンファレンスをプロデュースする。2022年より株式会社アンドパッドに入社し、カンファレンス、ANDPAD AWARDやセミナーを中心としたマーケティングイベントの企画制作に取り組む。
事業成長を強力に支援するマーケティンググループ
――まず初めに、イベントマーケティンググループのミッションから教えてください。
長濱:当部門は、イベントを通じたリードの獲得、そしてブランディングという観点から事業成長に寄与していきます。近年特に注力しているのは、“グロースオーナー”としての意識を持つことです。BtoBのビジネスモデルはセールスドリブンになるため、どうしてもマーケティング組織は事業の支援者というポジションになりがちですが、そこをあえて一歩踏み込み、一人ひとりがグロースオーナーという当事者意識を持って事業成長に貢献していくことを掲げています。
そのミッションのもとイベントグループは、セミナー企画・運営、展示会や業界団体イベントへの出展、ANDPAD AWARDの運営などを手掛けています。
――業務の方向性について詳しく教えてください。
長濱:セミナーは、プロダクトの販売促進を目的にしたものや時流に合わせてテーマ、最近だとAIを軸にした自社企画のものをはじめ、企業主催の協賛セミナー、そして共催という形で他社と一緒にコラボレーションするセミナーを開催しています。展示会は、東京ビッグサイトやインテックス大阪などで開催される建設業界に関する規模の大きなイベントで、ブース造作から対応しています。業界団体が主催するものもブース出展しています。
逸見:業界団体で多いケースは総会です。業界団体では年次総会を開催し、団体の方針や活動計画などを報告しているのですが、その際に賛助会員がブースを出展して、自社プロダクトをPRしています。業界団体にはANDPADをご導入いただいている会員企業様も多くいらっしゃるので、新規リードの獲得だけでなく、ご契約企業様との関係構築や深耕拡大としても有意義なイベントになっています。
ANDPAD AWARDは、ANDPADをご利用になる企業やユーザーを表彰する、年に一度のイベントです。こちらはリード獲得というよりも、ブランディング活動の一環として取り組んでいます。
――どれくらいの頻度でイベント対応を行っているのでしょうか?
長濱:展示会は月に1回、セミナーは月4~5回程度で、業界団体のものはムラがありますが、平均すると月10回ほどはイベントを行っています。2017年からイベント出展をしているので、10回のうち7回は既存の出展となり、残り2~3回は新しいイベントへの出展にチャレンジしています。ANDPAD AWARDは年に一回の開催です。
集客のその先まで見据えたイベント企画
――具体的にどのような業務内容を担っていますか?
逸見:展示会・業界団体対応では、コンセプト企画から運営オペレーションまで設計を行います。具体的には、展示会の開催情報の収集、個別展示会の企画立案、展示ブース造作に関わるグラフィックディレクション、KPIの設計からROIの検証まで行います。
セミナー対応としては、イベント会社主催のセミナーへの協賛、自社・取引先等と共同で実施するセミナーの企画立案から実行、資料作成、LPやメルマガなど集客に関わる制作や、オンライン開催の場合は配信運営を行います。セミナー開催はマーケティンググループが主催するものと、現場からの要望で開催するものがありますが、割と後者のケースも多いですね。
イベント開催・実施で終わりではなく、当社プロダクトに興味を持ってくださったお客様のリストをインサイドセールス(以下IS)やフィールドセールス(以下FS)に引き渡し、その後の商談作成までを追う、リード管理を含めたプロジェクトマネジメントを担うイメージです。
長濱:冒頭でお話ししたグロースオーナーと紐づきますが、イベントマーケティンググループもそこまでやりきることで、事業貢献度の大きさも実感できると思います。
展示会、業会団体のイベント、ANDPADAWARDなど各種イベントの様子
――ANDPAD AWARDについてはどのようなアクションを取っていますか?
逸見:ANDPAD AWARDは建築・建設業界の一歩先を伝えるコミュニティサイト「ANDPAD ONE」の運営部署とともに進めています。その中で、プロジェクトマネージャーとしてディレクションすることが私の仕事です。
長濱:イベントとANDPAD AWARDは、毛色の異なる仕事に思われるかもしれませんが、マーケティンググループは契約企業様とユーザー様の体験価値を高める活動を全て担当すべきだと考えています。リード獲得だけにフォーカスしてしまうと提供できる価値が制限されてしまうので、売上だけではなく会社の価値を上げるため、プレゼンスを作っていくためのブランディング活動も必須です。
――顧客満足度や認知度アップに向けた活動も重要な業務の一つなんですね。イベント企画・運営時に心掛けていることはありますか?
長濱:イベントに参加された企業様のリストを獲得しても、商談や受注につながらなければ会社として投資ではなくコストになってしまうので、商談作成数という目線を強く持っています。また商談機会を増やすだけでなく、ISやFSのコミュニケーションをサポートする意味でも重要な位置づけとしてイベントの企画・運営に取り組んでいます。
逸見:リードの獲得を目指し、イベントの量と質を追求することも重要ですが、当社は事業が年々拡大しているので、現時点でターゲットではない企業様も数ヵ月後、1年後にターゲットとなる可能性もあります。従来、当社がターゲットとして定めていたのは住宅領域の企業様でしたが、事業戦略としてゼネコンや専門工事の企業様をターゲットに定めてからはアプローチすべきリスト群が拡大しました。常に事業拡大している当社なら、その時獲得したリストが今はターゲット外でも、将来的にお客様になる可能性は十分に予想される。だから、一社でも多くリードをとることは決して無駄なことではないと思っています。
数々の試行錯誤を繰り返し、正攻法を探っていく
――リードを獲得しながら潜在顧客の獲得も見据えていると。本ポジションのおもしろさはどこにあると考えていますか。
長濱:私たちは建築・建設業の全事業領域に向け、全ANDPADプロダクトを取り扱ったイベントを開催しています。そのため、同時並行で全事業部とコミュニケーションを取りながら仕事をしており、高速でPDCAを回すことができます。試行回数を増やせることで、成長性を高めることができることが一番大きなやりがいだと思います。
逸見:イベントチームの裁量は大きく、自分で仮説を立てて、企画を実行し、反応まで追える、そのプロセスを経験できます。集客で効果の高かったメルマガ、反応が多かったFacebook広告などのノウハウ、リード獲得につながったイベントでの訴求などは短時間で蓄積していくことができますし、他の事業部へも応用することができます。
長濱:メンバーの自発的なアイデアは、ぜひ積極的に試してほしいと考えています。ミクロな視点で言えば、「Facebookの広告バナーのABテストをしたい」というのもOKですし、コンテンツ企画の刷新も、イベントのパネル制作にもこだわることもできます。打席に立てるチャンスが多いからこそ、マーケティングの正攻法を導き出せるスピードも速いと思います。
逸見:ありがたいことに、予算がネックで実現できないということはあまりないので、チャレンジングに取り組ませてもらえています。
長濱:効果が出たときに、社内から認められるスピードも速いですよね。今年7月、初めてAIに関連したセミナーイベントを実施しまして、充分な集客につながり、経営陣からの評価も高かったためもっと拡張しようと考えています。
逸見:企業様からの声も近く、ダイレクトに響いてくるのは醍醐味の一つですよね。
長濱:特にAWARDではお客様が「アンドパッドと出会えてよかった」と喜ぶ姿をリアルに感じられるのは感慨深いです。
――なるほど。自由度高くチャレンジでき、またその成果も感じやすい環境なんですね。一方で、業務の難所はありますか?
逸見:全カンパニーの全プロダクトの知識を理解するだけでなく、新築・リフォーム、電気工事、管工事、ゼネコンなど、顧客の業態に合わせて「現在のニーズやペインは何なのか」「どういった機能が求められているのか」を顧客の視点で理解しなければならないところです。事業領域ごとに注力しているプロダクトや機能もそれぞれ異なるので、入社当初は戸惑うこともありました。
また、スタートアップゆえのスピード感についていく大変さもありました。市況感に合わせて、短期間で事業戦略が変わることもあるため、少し前に聞いていた情報が古くなることも多いです。いかに新しい情報をキャッチアップしていくかがカギだと思います。
――変化に対応していくために、自ら情報を取りに行く姿勢も必要ですよね。
逸見:あとは、建築・建設業界という限られたコミュニティだからこそ、小さなミスが信頼関係の損失につながりかねません。お陰様でアンドパッドの存在をたくさんのお客様にご認識いただくケースが多くなっているため、良好な関係をいつまでも続けていけるようにリスペクトを持って対応することが不可欠です。
――なるほど。ちなみに逸見さんは、アンドパッドに入社してイベントマーケターとしてのキャリア成長をどのように感じていますか。
逸見:事業会社としての成長を見据え、イベントマーケティングの仕組化を進めています。前職では、クライアントから来た依頼をやりきる意識が強かったのですが、現在はアンドパッドには何が必要か?を考えて動けるようになってきたと思います。
長濱:私から見ると、逸見さんはイベント企画・運営において、何に注力し、何を優先順位とするか、という判断力が磨かれてきたように思います。例えば、完璧なLPを作ることよりも、一定クオリティまで作り、早めに公開してお客様への呼び込みを優先する、ANDPAD AWARDにおいてもタイムテーブル通りの進行を優先するよりも、お客様が有意義な時間を過ごせる会になっているかなどの視点で柔軟に対応しています。これはお客様に向き合い、意識をしているからこそ何が必要なのかを判断できるようになったと思います。
マーケティング活動の中心人物として
――イベントチームの組織構成について教えてください。
逸見:私たちを含め4名のチームです。先日、新しいメンバーが入社しましたが、まだまだ手が足りていません。その理由は、当社が1プロダクト1事業ではなく、「住宅」「ゼネコン」「専門工事」「エンタープライズ」など業態・商流・マーケットに合わせて事業領域を定めているためです。アンドパッドという一つの会社のマーケティング部門ではなく、事業部それぞれが一つの会社というイメージなので、各事業領域やプロダクトに合わせたマーケティングプラン、マーケティングアクションを取る必要があります。また現在、事業部ごとにイベントの実施頻度が異なっており、さらなる効果的なマーケティング施策の実現のためにも増員しなければならない状況です。
――なるほど。事業部ごとのイベントの拡充、効果的な施策を実現していくためには、組織強化が不可欠ですね。イベントマーケティンググループはどんなメンバーが集う組織ですか?
長濱:業界とターゲットと向き合って理解を深めていきたいという前向きな姿勢を持った人が多いです。試行錯誤することにポジティブな人が多く、また個人の特性を上手く活かせている組織だと思います。
逸見:私はオペレーションが得意なのですが、メンバーの中には企画力に長けている人もいますし、業界の関わりが長くてお客様の事業を解像度高く理解し、社内での信頼関係を勝ち取っている人もいます。
――イベントマーケティンググループで活躍するためにはどんなスキルが必要でしょうか?
逸見:建築・建設業界に対する好奇心だと思います。とはいえ、私がアンドパッドに入社した当時は興味・関心が高かったわけではありませんでした。ここ2~3年で知的好奇心が育っている実感があり、それは建築・建設業界に限らず、色々なことが面白いと思うようになり知る楽しみが増えてきました。そういう意味では新しい情報を取り入れる努力ができる人だったら好奇心は広がって来るのかもしれないですね。
――確かにそうですね。また、他部署との連携も多いので、コミュニケーション力も求められそうですが。
逸見:はい。イベントマーケティンググループ単体で動けるのは限界があるので、他グループとの連携は常日頃からあります。一次情報はISやFSから提供してもらうことが多いですし、コンテンツや広報PR、戦略企画部などと連携することも多いです。
――マーケティンググループがハブになって、他部署との連携を強めることも多そうですね。
長濱:その通りです。例えばプレスリリースを打った場合、出口戦略としてイベント実施が必要なこともありますし、新プロダクトリリース時には、マーケティング活動の取りまとめが必要なこともあります。当社グループでは、マーケティング活動の中心人物としてプロジェクトを遂行できることも魅力だと思います。
逸見:イベントマーケティンググループは横断部門なので、すべての事業部に知り合いが増えますし、他部署と連携ができている実感を持てています。
――イベントマーケティンググループの将来像はどのように考えていますか?
長濱:メンバーにはイベント実行スキルを持っていた上で、ある種ジェネラリスト的な存在として各事業部のカウンターパートを担ってほしいと思っています。
――それはなぜですか?
長濱:事業成長をダイレクトに担う事業部と近い目線で物事を語れるイベントマーケティンググループになることが我々の目指す姿です。カウンターパートとして活躍しながら、各事業部のマーケティング全般はイベントチームが窓口となって取り持っていけるよう存在感を発揮していけたらと思っています。