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【#就業規則をつくる(3)】就業規則を使ってスタートアップの成長をブーストする!コーポレートチームの新たな取り組み

前回までのあらすじ
アイリスの就業規則は代表取締役である沖山翔の思いをベースに作られていきました。結果、従来の枠に収まらない非常にオリジナリティの高いものに仕上がっています。会社がリスクをとってでも、従業員にとっての働きやすさ、生産性の高さが追求できるルールを…言葉にすれば容易いですが、プロセスは非常に困難を極め、2019年5月の着手から完成までおよそ半年かかりました。その間、コーポレート本部の山崎とAZX社会保険労務事務所の社労士、小室理恵子さんは実にさまざまなやりとりを交わしたとのこと。最終回となる今回はアイリスが働きやすさを具現化した制度と、今後の就業規則の活用法について語ります。

働きやすさを形にするということ

小室:対談冒頭で就業規則は直接利益を生まない、なんて言いましたが、アイリスさんのような作り方をすれば目に見えないだけで利益につながると思います。採用力も上がりますし。

山崎:もともとウチの場合は個別最適化と生産性向上の両立が原点にありますからね。リモートワークできる仕組みもみんなで作っていきました。私と同じコーポレートの及川も、普段は岩手県で仕事をしてますが、1ヶ月に1週間だけ東京に滞在して通ってもらっていて、リアルなコミュニケーションも充分取れています。

小室:貴社には働きやすさに絡んだいろいろな労働時間、休日・休暇の制度や福利厚生が存在していますよね。

山崎:はい、ざっと挙げるとフレックスサマー制度、フレックス勤務制度、時間休制度、リモートワーク、インターン制度、産休育休後の早期復帰手当などがあります。たとえばフレックスサマー制度は社内では“フレサマ”と呼ばれていて、3日間有給にプラスされるもの。そもそもフレックスの会社なんだから夏休みだって夏に取らなくてもいいんじゃいの?というところから生まれた制度です。その他、働きやすさにも通ずる福利厚生では、健康診断やインフルエンザワクチン補助、最近では部活動に対する補助も盛り込みました。今後も組織の変化により柔軟に新設していく予定です。

小室:就業規則に副業も規定しましたね。

山崎:副業も大手ではチラホラ見かけるようになりましたが、いまのアイリスほどの規模ならあくまで本業一本で頑張ってほしいという気持ちになりますよね。だからかなり勇気がいる制度といえるのですが(笑)そこは信頼することで一回りまわって生産性が上がったり、他のスキルが身についたりと行ったメリットがあるはずだという考えのもと導入してます。また、採用の際アイリスに入社するからほかの仕事を辞めなければならないという状況を作らなくて済むため、メンバーに我慢させないというのも大きい理由です。

小室:信頼が前提にあると、働く側にも責任感が生まれますよね。アイリスさんの場合、だから短時間勤務の方が多いのか…

山崎:そうです、月曜から金曜は勤務医で、その合間にアイリスで働いている方もいらっしゃいますので。

小室:実際に規則を現場におろしてみて、反応はどうですか?

山崎:まだ1ヶ月足らずなので、浸透にはもう少し時間がかかると思います。もともと就業規則だけだったのが給与規程や育児休業規程などいろいろ派生し、結構なボリュームとなってしまったので。いまコーポレートとして動いているのは、従業員に直接紐付いてる箇所の中でわかりにくそうな内容をピックアップして、週次のミーティングで解説していくことです。

小室:作成プロセスにも驚かされましたが、リリース後の運用でもそこまでやられるとは…すごいです。スタートアップで、就業規則作成後に、そのような運用をしているということをあまり聞いたことがないです。本気で就業規則を使って成長にブーストをかけようとしているんですね。

山崎:今後、アイリスにはいろんな人が入社してくるはず。そのときに、就業規則がきちんとある、しかも社員の働きやすさと正面から向き合った、経営トップの意思を反映させたものがあるということは、入ってきた人にとって安心材料になると思うんです。

小室:まさに理想的な就業規則と会社の関係性ですね。しかも作っておしまいではなく、これからも社員への周知徹底のために説明会を開くなどのアクションが続いていく。その姿勢をいつまでも失わないでほしいと思います。

山崎:大企業だと就業規則もそれこそ何十冊にもわたるし、ガチガチに規制が入りますよね。でもベンチャーだと何もないことが普通だったりする。そういう中で就業規則を作っていくのを義務にするのはもったいない。大手にはできないポジティブな規則が作れるんですよね。これこそスタートアップの醍醐味なんじゃないかと個人的には思いました。

小室:就業規則は会社を守るものでもありますが、経営者の考え方によっては従業員の働きやすさを作ることもできる、ということを今回の取り組みで再確認しました。せっかく作るなら会社のパフォーマンスを上げるものにする、という気概を持って取り組めば労使双方にとってプラスでしかないですよね。

山崎:今回は本当にありがとうございました。

小室:こちらこそ、法改正などあればメンテナンスも必要ですし、いつでも対応しますのでこれからもよろしくお願いします。

(終)

[取材・文] 早川 博通
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