ビジネスメディア「Yellowpage」にて、代表・渥美まいこさんによる社員インタビューを掲載いただきました!
先週に続き、今回もアグリゲート代表・左今さんのインタビュー記事が公開されています。
今回は、第2部のインタビュー記事となります!
第1部:都市型八百屋 旬八青果店について(6月15日公開)
第2部:SPFモデル、IPOを目指す理由←本日はココ!
第3部:アグリゲートのミッション(6月29日公開予定)
第1部をまだご覧になっていない方は、そちらからお読みいただくと、より一層内容を深くご理解いただけるかと思います。ぜひご一読ください📚✨
店舗営業利益率10%超え。高収益を実現する旬八の「SPF」モデル
ー旬八青果店の凄みは店舗営業利益率が10%を超え、高収益な点があげられます。そのエンジンとも言える「SPFモデル」について教えてください。
左今さん:はじめに「店舗営業利益率」という指標について説明します。
これは売上高に対してお店がどれだけ効率的に利益を出せているかを示すもの。優秀なSPA企業(例えばJINSやABC Mart、UNIQLO、成城石井)は10%を超えています。私たち旬八青果店の多くの店舗が10%台を突破(2025年5月時点実績)しており、コンビニなどの小売店と比べても高収益となっています。
この高利益を実現しているのが、「SPFモデル」です。
これは主にアパレル業界で使われている「SPA (Speciality store retailer of Private label Apparel )」モデルを食品業界に応用したものです。商品の企画・仕入れから販売を一貫しておこない、流通コストを削減して生産者の収益を向上させ、消費者には豊かな食生活を提供することに繋がります。このSPFモデルを通じて「三方よし」のビジネスを実現し、食農業界における持続可能性を提案できればと考えています。
ーこのモデルを検討しはじめたのはいつごろですか?
左今さん:創業当初から考えていましたが具体的に始めたのは2015〜2016年頃です。「ニーズがある商品を流通させ、高収益を実現する」ことを目指していましたが、実際にはイメージと現実が一致しない時期も長く続いていました。
一時は事業規模を縮小し、SPFモデルを磨き上げた
2016年頃には農場運営や弁当製造、また大量の青果仕入れから運搬・卸売・小売など、生産から製造、卸売、人材、宣伝までサプライチェーンの全プロセスに同時に取り組みました。しかし、期待とは裏腹に全事業で赤字が続いたんです。なぜかというと、全プロセスを柔軟で効率的に無駄なく”筋肉質に”やり遂げることで、収益性の低い業界が高収益になると信じていたのですが、実際は全ての事業が利益に繋がらず無駄な資産つまり”贅肉”が残る結果となっていたのです。そこで、収益構造の改善を目指し2019年に大幅な事業見直しを行いました。
少しだけ立ち止まり、改めて「SPAとは何か?」を調べると、私たちのビジネスモデルは「販売起点から考えるSPA」なのですが、その「販売起点から考えるSPA」にもいくつか種類があります。"製造から販売の全てを自社で切り盛りするやり方”もあれば、”市場に出回っている商品も買いつつ自社ブランドもつくるやり方”もあり、青果業界で私たちが目指すのは後者であることが明確になったんです。そこで改めてビジネスモデルを磨き直しました。
ーどんな点を改善されたのですか?
左今さん:「販売起点から考えるSPA」では、高収益になるために不可欠なのが「売る力」です。そして「お店が支持されている状態」になる必要があります。一時的に規模を縮小した後、パンデミックとなってしまったこともあり、全社としてお店の運営に集中し始めました。人材育成システムの改革を行い、独自の人材教育によって商品の魅力を効果的に伝えられるスタッフを育成できるようになりました。単なる「安いから欲しい」を「魅力的だから欲しい」へと変えることで、客単価が上がって高収益店舗を実現する運営ノウハウを強化したのです。
なぜ旬八はIPOを目指すのか。
ー創業以来たくさんの挑戦をしてきた旬八青果店は、今後はIPOを視野にいれた壮大なチャレンジをされていくんですよね。なぜ、こんなハードな挑戦をするのでしょう?
左今さん:食農業界はとても難しいところもあって、いつの間にか優秀な若手が目指さない業界になってしまったことに危機感を感じています。既存のビジネスを変えるには、高収益を実現できる会社を創り、高収入を得られる環境をつくる必要があります。それは非上場企業でも可能ですが、私たちの目標は「インフラになる」ことなので、収益力をクリアに示せる「IPO※する」道を選ぼうと思いました。ハードな道ですがその方が私自身「たのしいな」と感じることも大きな要因です(笑)
※IPO(Initial Public Offering)=未上場企業が初めて株式を証券取引所に公開し一般の投資家が売買できるようになることで日本語では「新規株式公開」と呼ばれる。
ー常に成長することを求められるIPOの道を選んだのも、そんな理由があったんですね。
左今さん:「IPOした」という事実も、食農業界にとって勇気になると思うんです。IPOを通じて多くの人々が関与することで、社会への周知や影響力も高められます。事業規模を大きくすることで、この業界を「変えられる」と示していきたいです。
今回の掲載は以上となります。
最終の第3部は、6月29日(日)10:00に公開予定です!
次回は、アグリゲートがIPOを目指し事業を拡大することで、どのような可能性が広がっていくのかについて、詳しくお話しします。
食農業業界に関心のある方はもちろん、アグリゲートそのものに興味を持っていただけるきっかけになれば嬉しく思います🍎どうぞお楽しみに!