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ファンレターが届く開発チームになる<制作マネージャー インタビュー>

【お話しを伺った人】


アクトインディ株式会社取締役 制作部門マネージャー吉川崇倫

2008年株式会社サイバーエージェント入社。Amebaのシステム開発に携わる。その後2012年にクックパッド株式会社に入社し、決済や開発基盤の開発に従事。2017年株式会社オウチーノ執行役員CTOに就任。2018年同社取締役就任(現任)、株式会社くふうカンパニー取締役就任(現任)。同年11月に株式会社Da Vinci Studioを設立し、代表取締役に就任。くふうグループのサービス開発支援、新規事業の創出、R&Dなどを行う。現在は株式会社エニマリ取締役、株式会社Zaim執行役員も兼任し、くふうカンパニーグループ全体の技術分野を統括。

2022年3月アクトインディ株式会社 取締役に就任。

第三の組織として、エンジニアのキャリアを広げる体制をつくった

ーー経験豊富な吉川さんのエンジニアとしての経歴をお聞かせいただけますか?

大学卒業後、2008年に株式会社サイバーエージェントへ入社し、アメーバブログやアメーバの基盤開発に携わり、サービス(フロント)からバックエンドまで一通り経験しました。2012年にクックパッドへ入社し、決済や開発基盤の開発を担当し、2017年に株式会社オウチーノに入社しました。

オウチーノでは、過去に様々なベンダーに別々に開発を依頼していた経緯から、Java、PHPなど開発言語やデータベースもバラバラの状態でした。それらを高速に開発できるように、バックエンドを整え、フロントエンドは一気にRailsとReactの構成に切り替えました。

当時は、まだReactの事例やフレームワークも黎明期だったので、パフォーマンス問題など様々な課題への対応が必要でした。いくつかの事例はカンファレンス等で登壇して発表を行ったりしました。

オウチーノではその他にもtoB向けの新しい事業の立ち上げを行ったりもしました。その後オウチーノとみんなのウエディングの二社で「くふうカンパニー(以下、くふう)」が設立され、二社の技術をみることになりました。その後もくふうには複数の会社が加わることになり、各社の技術をみてきました。

例えば、くふうグループの中にZaim(※1)という会社があるんですが、折しも法改正で電子決済等代行業という概念ができたこともあり、セキュリティ強化に尽力するといったように、各社に応じた支援を行ってきました。(※1.株式会社Zaim・・・家計簿アプリサービスを運営)

そうしてくふうグループというものができていく中、開発者の組織についても考えていました。その成り立ちからグループ各社に開発組織がある状態でしたが、それだけだとシナジーや交流はなかなか生まれづらいような状況でした。

他のグループに目を向けると、開発者だけは同じ組織にするという形式も見られますが、それでは各社の事業の距離感の問題も生じるので、別の方法が必要でした。

そんな中、「第三の組織」「第三の形」が必要なのではないかと考え始め、各社のエンジニアとは別で、グループ内も外も担当するエンジニアの第三の組織を作ることにしたんです。


ーー「第三の組織」?グループ内外の開発を担当することでキャリアがどう変わるのでしょうか?

エンジニアのキャリアは、特定の事業に共感してコミットすることもあれば、テクノロジーにコミットして強めたり、いろんな経験を得るということもあります。

両方必要だと思っていて、片方だけでは、特定の事業だけだと技術を深めやすいが、事業が変わらないため真新しい技術を採用しづらく、広げにくい。受託だと技術を広げやすいが、1個のものを末永く腰を据えて深めづらいんです。

両方が経験できて、キャリアが深まっていくことがいいんじゃないか、と思ってDa Vinci Studio(以下、DVS)を作りました。

結果として、DVSをハブにして、各社の情報共有ができる状態になりました。たとえば、アクトインディではDVSのメンバーを介して、くふうの新しい技術・交流が広がっていく状態になっています。


ーーー第三の組織いいですね!キャリアの良いところどりのような印象です。吉川さんはDVSを創設してからはどんな開発をされましたか?

DVS発足後も自分も開発を進めており、コロナ禍の中でウエディング事業をしているエニマリ(※2)のウェディングボード(※3)という新機能を作ったりしました。DVSの新規立ち上げから、レガシー対応のところまで、当初の狙い通り広い範囲で対応してこられたと思います。開発以外では、組織づくりはこれまでも経験してきましたが、社長は初めての経験でした。(※2.株式会社エニマリ・・・みんなのウェディングを運営、くふうカンパニーのグループ会社の一つ)(※3.ウエディングボード https://about.anymarry.com/news/gsjnaggzi)

技術的には、DVSになってから、TypeScriptを進めました。Railsだけではなくて、バックエンドもタイプスクリプトで広げていったり、コロナ禍に入ってからはWebRTCの動画での通信を試したりしてきました。

開発担当からDVSとしてグループ内外の開発支援に入るところまで経験していった中で、下元さん(アクトインディ代表)と出会いました。

ただのお出かけサイトじゃない。「子どもにいい体験を増やしたい」めちゃくちゃ伸びしろのあるサービスだから一緒にやりたいと思った

ーー吉川さんが「いこーよ」にジョインした決め手は何ですか?

当初、連携の話を聞いたときには、いこーよは「おでかけサイトだけ」だと思っていて、ぶっちゃけて言うと、そこまで大きな関心を持っているわけではありませんでした。

二回目に会ったときだったか、下元さんの「本当にやりたいことは、子どもにいい体験を残したいんだ」という発言を聞きました。脈絡なく聞いたので、聞いた瞬間は「???」と思いました(笑)

ですが、その目線で事業計画などを確認したり、今まで聞いた話を振り返ったときに、一気に繋がり、「子どもにいい体験を残したい」と考えたときに、めちゃくちゃ伸びしろがあるサービスだと感じました。

ただし、子どもにいい体験を残すためにはいろんなことをクリア(実現)する必要があると思い、それを任せられる人がまだいないと正直思いました。

ほかでもサービス支援に入る場合によく根本的な課題になるケースでは、サービスのブランドを変える可能性があることに理解があるかどうかだと思っています。

なので、率直に「リブランディングしても大丈夫ですか?」という質問をしたところ、下元さんは即答で「もちろんです」と回答がきました。(当時下元さんも課題を感じていたのかもしれませんが)

デザインやブランドはサービスの象徴的なものでこだわりがあるはずなのに、それをすぐに捨てられるというのは強いと感じました。

だから、自分も直接動こう、と思いました。


ーーーコアな話ですね。

そうですね。よくサービスを作るときに言っているんですが、サービスは「実利と欲求が噛み合うこと」が大事だと思っています。

たとえばクックパッドでいうと、簡単にレシピが見られて決められる、ランキングを見られる、など大多数は日常の便利(実利)なことです。でも、それらの実利は「それがないと死んじゃう」というほど大きいものではなく「ちょっと楽になる」くらいだと思います。

また、それらの実利を生み出しているのはレシピを投稿している人です。レシピを作っている人は「つくれぽ」での「この料理、すごい手が混んでいますね」「美味しいですね!」「こんな工夫でこんな簡単に作れるんですね!」のコメントをもらいたい、承認欲求が原動力となっていることが多いと思うんです。承認欲求は強い「欲求」だと思っています。Instagramなども同様ですね。

そのように実利と欲求を考えたときに、子どもに対する思いはめちゃくちゃ強い欲求だと思うんです。これに実利をのせられたら、噛み合うサービスだし、ほかの事業も巻き込んだ大きいサービスになりうるなと思いました。

開発に「思い出をつくってくれてありがとう!」とユーザーの声が届くチームになる

ーー吉川さんが実際に率いている制作チームについてお伺いします。「いこーよ」を中心とした当社の制作チームを指揮するにあたって、どのような組織を描いていますか?

そうですね、、、まずは憧れられる組織をつくることです。

「あのチームで働きたい」と思われるような組織。技術のスペシャリストだけでなく、ユーザーのことを大切にしている姿勢が周りにも伝わるようなクリエイティブ集団になりたいと思います。

次に、サービスを利用するユーザーからのファンレター、感謝の気持ちが技術者にも届くような組織です。

有名な話ですが、任天堂のゲーム機が壊れたときに修理に出したところ子どもがゲーム機に貼っていたシールを再現された状態で戻ってきた、というエピソードがあります。そのように「思い出や体験をつくってくれてありがとう!」という言葉が技術者、開発チームにも届くような組織をつくりたいと思います。


ーーユーザーから直接ファンレターが届く制作って素敵ですね。ぜひ実現したいです!ちなみに開発者からみる「いこーよ」のサービスの魅力って何だと思いますか?

「子どもにいい体験を作ってあげたい」が仕事にできることです。

子どもがいる方にとっては、特に自分事としてサービスを作ることができると思います。


ーーエンジニア不足でエンジニア採用が難しいと最近よく聞きます。エンジニアさんもさまざまな会社を選べる中で、当社を選んだほうがいいと思うポイントを3つ教えてください!

1)「子どもにいい体験をつくる」ということに寄与できること

2)リアルな体験につながるところ。WEBサービス上だけで閉じられていない。オフラインにも繋がっているサービスであること

3)DVSやくふうグループとの連携で、さまざまな人とコミュニケーションが取れて、刺激がもらえること。エンジニアやデザイナーは交流が持て、LT会など各社の色も違って面白く、刺激を受けられること。

3年後の未来図は「子どもを育てるなら、いこーよで」という確固たる認知をつくること

ーー最後に、アクトインディの取締役としての吉川さんの“未来図”をおしえてください!

2025年には「子どもを育てるなら、いこーよだよね」という確固たる認知をつくることですね。

2030年には「いこーよがあることで、日本って子育てしやすいよね」となり、海外からの移住者が増えること。「いこーよがあるから、世界の中でも子どもが成長しやすい国」となり、海外から本場の日本に訪れる人が増える未来を描いています。


ーーわくわくしますね!一緒にこの未来図を実現させて、子どもにいい体験を残していきましょう!ありがとうございました。

(子どもとお出かけ情報サイト「いこーよ」 https://iko-yo.net/

<インタビュー続編>

「子どものいい体験を増やしたい」という軸でサービスを開発する私たちがディレクターに求めることとは?(制作マネージャー インタビュー)

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