【CEO×CTO対談】売上前年比150%成長の裏にあった壮絶な組織変革。CEOとCTOが語る、アクトビの「現在と未来」 | ACTBEについて。
私たちアクトビは2018年の創業以来、クライアントの事業成長に徹底的にコミットし、DX支援やシステム開発を手掛けてきました。本記事では、代表取締役CEO藤原とCTO石村の2人から、8期のリアルな...
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こんにちは。アクトビ代表の藤原です。
前回の記事に関連するテーマで創業期にわたし自身が陥った罠と、そこから得た学びについて書いていこうと思います。
創業当初の ガムシャラな日々 から少しだけ落ち着いた今、わたしたちがあらためて向き合っているのは、 夢中の罠 と 持続するための仕組み です。
「なんとか回す」に夢中だった創業期
「判断が属人化する組織」は、長く続かない
そのために、まず取り掛かったこと
ACTBE OSとは、「判断と言語の共有化」でもある
「信頼を前提としたチーム設計」が人を変える
中堅層をどう支えるかが、10年目の分かれ道
創業期こそ、 "文化を共にデザインする" という視点
結局、"残り続ける組織" に必要なのは何か?
創業期は、走るだけで精一杯です。
とにかく受注する。とにかく売上を立てる。とにかく人を増やす。今日を乗り切り、今月を黒字にする。
わたしたちも、目の前の事業を とにかく回す ことに必死でした。
一度は資金ショート寸前までいったこともあります。
月末の支払いをどうやりくりするかを考えて、夜中にスプレッドシートとにらめっこしていた時期もありました。
仕事につながりそうだと聞けば、面識ゼロの交流会にも足を運びました。
何を得られるかもわからないまま、名刺だけを手に会場に向かう自分がいました。
そもそもわたしには経営者の経験がなかったので、学び続けるしかありませんでした。
マーケティングの本、組織論、リーダーシップ、経営戦略……
読んで、実践して、失敗して、また読み返して。
毎日が情報の洪水で、脳みそがパンパンになる感覚を覚えていました。
当時のわたしたちは、これこそが「会社を前に進めること」だと信じて疑いませんでした。
でも、今あらためて振り返ると、そこには大きな罠があったと思います。
続けるための土台より、“成り立たせること”にエネルギーを使いすぎていた。
もちろん、走らないと前には進めない。けれど、走りながら どこに行くのか を描いていなかったら、会社はやがて迷子になります。
当時、意思決定のほとんどがわたしに集中していました。
誰に何を任せるか、どの案件を受けるか、どう値付けするか……
すべて最終的にわたしが判断する。
判断が早いことは、創業初期の強みでもあります。
でも、それが「社長の感覚頼み」になってしまうと、組織はその人がいないと止まる構造になってしまうんです。
このままでは、すべてを判断するために網羅的にすべてを把握している自分の脳がキャパオーバーすると感じました。
「判断軸が言語化されてないから、誰も安心して動けない」
それはつまり、組織としての 再現性 がないということ。
その瞬間、自分の中でスイッチが入りました。
「経営とは、 “判断の仕組み” をつくることだ」
そこから少しずつ、意思決定を言語化し、委ねる構造を整える試行錯誤が始まりました。
藤原個人のマネジメント観にも、大きな転換点がありました。
2期目、3期目頃のわたしは、明らかに 求めすぎていた と思います。
基準が高すぎた。自分が見えている水準に、他の人も合わせるべきだと思っていたんです。
Slackで何気なく送ったフィードバックが、チームにはプレッシャーとして伝わっていた。 「なんでこれでOKだと思ったの?」「なんでこう考えられないの?」
気づけば、メンバーからは「私は藤原さんじゃないので…」と距離を置かれるようになっていた。
あるとき、CTO石村やマネージャーたちが、わたしに "マネジメントから一歩引いてほしい" と提案してくれました。
正直、最初は戸惑いました。でも、心のどこかで納得していました。
そこからわたしたちは、役割を明確に分けることにしました:
コミュニケーションのスタイルも大きく変えました。 以前は「この水準でやってください」という 依頼型 だったのが、 今では「こういう課題がある。どう考える?」という 相談型 になった。
各領域の専門性を信じ、任せる。
ブランド推進室、PR、バックオフィスなど、それぞれのプロが 自分の正解 で動けるようにする。
会社は社長の能力以上には大きくなれない。 だからこそ、自分が 経営者という役割に徹し、 周囲の力を最大限活かす組織構造を整える。
そう決めたことで、今のアクトビはようやく チームで成長する会社 になり始めた気がします。
この属人判断の罠に気づいたわたしが、最初に取り組んだのが「役割を手放すこと」でした。
こうした変化のプロセスは、各所でも語っています。
そして、これらの「判断の分散」が自然と機能するために設計されたのが、次の章で触れるACTBE OSです。
アクトビの組織基盤である「ACTBE OS」は、単なる育成思想ではなく、どう考えるかを共通言語にするシステムです。
「ACTBEではどういう人が評価されるのか?」「どうすればキャリアアップできるのか?」
この問いに 全社員が同じ言葉で答えられる 状態を目指して、僕たちは設計を続けています。
たとえば、以下のようなOS的価値観が存在します:
これらを評価制度、1on1、プロジェクトレビュー、採用基準のすべてに埋め込んでいます。
結果として、トップがいなくても アクトビらしい判断 が現場で起きるようになってきました。
そしてある時期から、明確に「信頼を前提とした組織」に移行することを決めました。
管理される側、監督する側という関係性ではなく、 同じ目的に向かう対等なチーム として機能させること。
そのためにやったのが、以下のような設計です:
特に印象的だったのは、「自分が信じられてるって、わかると頑張れるんですよね」と言ってくれたメンバーの言葉。
そして信頼ベースで成り立ったチームのアウトプットの品質は圧倒的に高い。
信頼は、仕組みでつくれる。その確信を得た出来事でした。
創業から数年が経ち、会社が「人で成り立つ組織」へと進化するなかで、わたしたちが直面した課題があります。
それが、"中堅層をどう支えるか" というテーマです。
わたしたちアクトビでは、「人が成長し続けられる限り、会社も成長できる」と信じています。
そして、その成長の鍵を握っているのが、中堅層です。
この層は、プレイヤーであり、マネージャーであり、プロジェクト推進者でもある、いわば、変化の一番近くにいて、それを 実行できる人たちです。
だからこそ、アクトビでは中堅層を 安定要員ではなく、変化を起こせるプレイヤーとして見ています。
彼らに「意思決定を委ねる文化」「自ら問いを立てられる構造」を提供することが、組織の未来をつくると信じています。
そのためにわたしたちは、「横軸のキャリアステップ」ではなく「深さのある成長設計」を重視してきました。
ACTBE OSでは、こうした問いに向き合う設計がされています。 面談や評価の場だけでなく、日々のSlackや1on1でも、思考と言語のトレーニングが自然にできるような構造を整えられているなと今感じます。
そして何より大切にしているのが、 育成される側ではなく 自分たちで成長構造をつくる側 になってもらうこと。
マネージャーが制度設計に提案を出す。
ブランド推進室が会社の世界観を更新していく。
自分たちがこの会社の文化と成長を形づくっているという自覚が、何よりのドライバーになると僕たちは考えています。
会社の文化って、いつ・誰が・どうやってつくるのか?
これ、わたし自身も創業当初は正直あまり深く考えられていなかったテーマです。
事業が走って、人数が増えてきて、ふと気づく。「あれ、なんか会社の空気、バラバラかも」と。
でも、そこで文化を 後づけしようとすると、大抵うまくいきません。
なぜなら、文化って「言語化されたバリュー」ではなく、「日々の意思決定の積み重ね」だから。
アクトビでは、創業初期から「文化は共創するもの」という考え方を持っていました。
いま思えば、この文化の共創が、アクトビの進化スピードを加速させてきた要因のひとつでした。
特に初期フェーズは「整っていないこと」が多い。でもだからこそ、誰がつくるかが明確に文化になる。
リーダーや中堅だけじゃない。
新人も、インターンも、関わる全員が「この組織を自分たちでデザインしていい」という空気がある。
わたしたちが信じているのは、「文化は創るものじゃなく、一緒に築くもの」だということ。
OS抜粋
売上も大事。利益も必要。でも一番必要なのは
「この会社の未来に、自分も関わっている」と思える状態をつくることだと思います。
それは「帰属意識」ではなく、「共創意識」。
やらされ感でも、空気を読むでもなく、自分が選んでここにいて、選んで未来を描いているという実感。
その実感が、人の成長を支え、組織の再現性を生み、やがて企業の持続性へとつながる。
アクトビは、これからもその 選ばれ続ける会社 でありたいと思います。
100年後も、「あの会社、今もちゃんと残ってるよね」と言われるように!
YoutubeやPodcastでアクトビの経営や考え方についてはなしていますので、そちらもぜひご視聴ください。