生成AIを活用したサービスでは、チャットによる文章生成だけでなく、AIが画面(UI)そのものを生成する「Generative UI」が注目されています。
ユーザーの指示に応じて、
- ダッシュボード
- グラフ
- 入力フォーム
- テーブル
などをAIが自動で組み立てられるため、より直感的なユーザー体験を実現できます。
しかし、実際にGenerative UIを開発しようとすると、新たな課題も見えてきます。
今回は、その課題を解決する「OpenUI」を試してみました。
Generative UIの課題は「画面生成」ではなかった
Generative UIでは、AIが画面を組み立てます。
一見すると便利ですが、従来の実装では、画面全体を巨大なJSONで表現するケースが多くありました。
例えば、
- コンテナ
- カード
- ボタン
- テーブル
- グラフ
などをすべてネストしたJSONとしてAIが生成・理解します。
画面が複雑になるほどJSONも肥大化し、
- AIへ送るデータ量が増える
- トークン消費が大きくなる
- レスポンスが遅くなる
- 利用コストが高くなる
という課題がありました。
つまり、Generative UIは便利な一方で、「AIとのやり取りが重い」という問題を抱えていました。
OpenUIは「UIの設計図」を軽量に表現する
OpenUIでは、この課題に対して少し違うアプローチを採っています。
HTMLや巨大なJSONを生成するのではなく、OpenUI LangというUI専用のDSL(ドメイン固有言語)で画面を表現します。
例えば、
- Card
- Form
- Chart
- Table
といったUI部品を、簡潔な構造で記述できます。
AIが生成するデータ量が少なくなるため、トークン消費を抑えながらGenerative UIを実現できます。
「画面を生成する」のではなく、「UIの設計図を生成する」という発想が、OpenUIの大きな特徴です。
一度生成すれば、AIを毎回呼び出す必要がない
OpenUIのもう一つの特徴は、UI生成後の動作です。
記事では、横浜市の人口推移を可視化するサンプルを作成しています。
最初に、「2000年から2026年までの人口推移を表示してください」と依頼すると、AIが画面全体を生成します。

その後、
開始年を変更したり、表示条件を変えたりしても、AIは再びUIを生成しません。
必要なのはデータの再取得だけです。
つまり、
- UI構造はそのまま利用
- データだけ更新
- AIへのリクエストは不要
となります。
この仕組みにより、
- レスポンスが速い
- トークン消費を抑えられる
- AI利用コストを削減できる
というメリットがあります。
AIアプリを「実用的」にする技術
生成AIを業務システムへ組み込む場合、品質だけでなく運用コストも重要です。
画面を更新するたびにAIを呼び出していては、利用量が増えるほどコストも大きくなります。
OpenUIは、
- UIを軽量なDSLで表現する
- 一度生成したUIを再利用する
という2つの工夫によって、Generative UIを現実的なコストで利用できる仕組みを提供しています。
Generative UIを「デモ」で終わらせず、「実際のサービス」で使える技術へ近づけている点が、非常に興味深いと感じました。
まとめ
AIが画面そのものを生成するGenerative UIは、今後さまざまなサービスへ広がっていくと考えられます。
一方で、実際のシステムへ導入するためには、
- トークン消費
- レスポンス速度
- 運用コスト
といった課題も考慮する必要があります。
OpenUIは、軽量なUI記述言語「OpenUI Lang」と、一度生成したUIを再利用する仕組みによって、Generative UIをより実用的なものにしています。
Acroquestでは、新しい技術を試すだけでなく、「実際のシステムでどう使えば価値を生み出せるか」という視点で検証を続けています。
AIアプリケーションやGenerative UI、クラウドと生成AIを組み合わせた開発に興味がある方は、ぜひ私たちと一緒に、新しいユーザー体験をつくっていきましょう。
記事の詳細、検証に用いた実装コードなど詳しくは当社技術ブログに記載しておりますので、詳細を知りたい場合はこちらをご覧ください。
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