Google re:Work - ガイド: 「効果的なチームとは何か」を知る
Google のリサーチチームは、「心理的安全性を高めると、チームのパフォーマンスと創造性が向上する」ということを発見しました...
https://rework.withgoogle.com/intl/jp/guides/understanding-team-effectiveness
こんにちは、aciassの東です。
「失敗を恐れずに挑戦しよう」
「チャレンジが称賛される文化です」
ベンチャーやスタートアップの求人でよく目にする言葉ですよね。
でも、実際に入社してみると
こんな光景、少なからず存在します。
会社は“できること”だけでは前に進めません。
まだ誰も答えを知らない世界に踏み出す以上、挑戦も失敗も不可欠です。
なのに多くの企業が失敗を嫌い、失敗に萎縮し、挑戦から遠ざかっていく。
では本当に「失敗が許容される」職場とは、どんな状態を指すのでしょうか?
それを、少し生々しい現実も交えながらお伝えしていきたいと思います。
まず大前提として、失敗すれば何でも良いわけではありません。
挑戦には必ず意図があります。
仮説があります。
成功のための準備があります。
逆にいうと、次のような状態は “許容される失敗”とは言えません。
失敗とは、未来の成功に必要な情報を得るための投資なのです。
そして、その投資価値を最大化するには
これがひとつのセット。
つまりこの3つが担保されていれば、結果がどうであれ価値があるということになります。
もっと踏み込めば、挑戦の文化には構造的な支えが必要です。
挑戦すれば失敗の可能性が上がる。
失敗すれば、何かが失われる。
その「失われるもの」が大きすぎると、人は挑戦できなくなります。
だから会社側の準備が要る。
挑戦を「システムとして吸収できる状態」にしておくこと。
これは現場の熱量ではなく、経営の意思によって用意されるものです。
「挑戦していいよ」と言うのは簡単ですが、
それを本当に機能させるには、構造に投資しているかが分かれ道です。
人は失敗そのものより、失敗に対する扱いを恐れます。
そう思うだけで挑戦は止まります。
だから必要なのは、挑戦者への敬意です。
結果がどうであれ、それは誇るべき行為です。
失敗した人は、誰より悔しいし、誰より反省している。
そこに追い打ちをかけるのは、会社の未来を閉ざす行為です。
そして、カッコつけて失敗を恐れたり、隠したりする空気があるうちは、挑戦は育たないと思います。
だからこそ、失敗をした時に
「どうしてくれるんだ!」ではなく
「次はどう活かす?」と背中を押せる組織こそ失敗を許容していると言えます。
Googleが研究で示したこと。
それは「心理的安全性の高いチームほど成果を出す」という事実です。
ただし、心理的安全性は「仲良しごっこ」ではありません。
そういう状態が担保されていることです。
失敗しても、「あなたはここにいていい」と伝えられる組織。
それは単なる優しさではなく、生産性向上への投資です。
勢いある会社ほど、「ガンガン挑戦しよう!」と言います。
でもそれは裏を返せば、
そんな暗黙の圧となることもあります。
挑戦の裏には常にリスクがある。
だからそこには経営と現場の相互責任が必要です。
この両方が揃って初めて、挑戦は制度として回り始めます。
会社が小さくても、資金が限られていても、未熟なままでも、
挑戦と失敗を回し続けた会社は、確実に強くなります。
なぜか?
つまり、挑戦と失敗のサイクルは、未来に向けた鍛錬です。
一方で挑戦が止まる組織は、
これでは徐々に静かに衰退していきますよね。
aciassでは少し前に、ある小さな実験を経営陣が主導する形で始めました。
具体的な内容は伏せますが、音を“物理的な形”に変換するという、新しい表現手法への取り組みです。
技術解像度の壁にぶつかり、現状では理想の品質に届かず、一度立ち止まる判断をしました。
正直に言えば、悔しい失敗です。
それでも、企画自体をやめるという選択はしていません。
未完成でも踏み出した一歩は、確実に次へつながっているからです。
実際に取り組む中で、私たちはたくさんの発見を得ました。
どれも、机上で議論しているだけでは手に入らなかった学びです。
成功に近づくために、必要な失敗をひとつクリアしたとも言えます。
そして、「やってみせる」ではなく、
「やってみるところから一緒に始める」
その姿勢を経営から体現していきたいと考えています。
ここまでの内容を一言にすると、ずばりこうです。
失敗を前提に設計された組織であること
この3つが揃って初めて、
失敗は「恐れるもの」から「前進の証」へと転換します。
私たちは、まだこれから成長していく会社です。
正直、未完成な部分はたくさんあります。
だからこそ、挑戦が必要です。失敗が必要です。
「失敗が許容される状態をつくる」ことは、
単に優しい会社を目指しているのではありません。
未来を切り開き、誰も見たことのない景色を実現するために、
次の「ワクワク」にたどり着くために、
挑戦者が失敗ごと抱きしめられる組織でありたいだけなのです。