こんにちは。THRUSTER採用担当の松崎です。
今回は、2024年に公開された「きらりん☆レボリューション スペシャルステージ」(© 2024 中原杏/小学館)のディレクションを担当したXRディレクターの鈴木さんにインタビューしました。
鈴木さんプロフィール
大学卒業後、アートディレクターとしてゲーム会社数社を経験。転職後、ディレクターとしてVtuber事業の立ち上げに従事し、2021年に株式会社LATEGRAに入社。2024年7月にXR Communication Divが分社化したことで、株式会社THRUSTER所属に。現在はXRディレクターとして活躍。
「きらりん☆レボリューション スペシャルステージ」を実現するまで
まずは、鈴木さんの担当業務について教えてください。
鈴木:XRディレクターとして、様々なVRエンターテイメントコンテンツを楽しめるバーチャルライブ会場「VLA(バーチャルライブアリーナ)」のディレクションをメインで担当しつつ、その他案件でもディレクション業務を担当しています。最近では「小学館Presents マツケン☆トシちゃん☆きらりん☆レボリューション SPECIAL LIVE」の制作にも関わりました。ディレクターとして、クライアントの要望を形にするために企画を立て、仕様書を作成し、チームをつくりながらプロジェクトを進めていくのが役割です。
鈴木さんがメインで担当した「きらりん☆レボリューション スペシャルステージ」について教えてください
鈴木:この作品は、「ちゃお」で連載されていた大人気作品『きらりん☆レボリューション』の主人公 月島きらりちゃんによる全4曲のライブを、VLAというTHRUSTERが制作・運営するバーチャル空間上のライブ会場で楽しめるコンテンツです。参加方法は、スマホやPC、タブレットなどで配信映像を楽しんでいただく形と、ゲーミングPCやVRヘッドセットを用いて決まった時間に参加し、複数人同時接続で会場を動きながら楽しんでいただくVR参加、という2種類を用意しています。配信映像での視聴期間は終わってしまったのですが、VR参加の方は2025.08.09(土)まで開催予定です。
きらりん☆レボリューション スペシャルステージ(© 2024 中原杏/小学館):https://vla.s-pace.land/kirarin/
プロジェクトのきっかけは、『きらりん☆レボリューション』の原作20周年を記念するような施策が何かできないかという相談があったことでした。様々な施策案を検討しましたが、『きらりん☆レボリューション』は主人公で中学生の月島きらりちゃんがアイドルを目指すという作品なので、VLAでライブを開催するのが一番喜んでいただけるのでは、と企画が具体的にスタートしました。
まさにVLAがぴったりな作品でしたね!
このプロジェクトでの鈴木さんの役割を具体的に教えてください
鈴木:まずは、小学館からのアイデアをベースに仕様書やVコンをつくりながらライブの全体構成を考え、どうやったら1つのライブとして実現できるかを具体化していきました。ある程度方針が決まったところからは、ステージのデザインやライブの演出、3DCGモデル、背景映像、照明、などの仕様を決めつつ、社内外の制作者をアサインしていきました。あとはモーションキャプチャーも行ったので、そのディレクションもしましたね。各種制作物の制作進行をしながら、小学館や原作者の中原杏先生からのフィードバックを頂いて、それを実現・調整していき、最終的にデバックをして公開、というのが全体的な制作の流れでした。
ステージデザインや演出からモーションキャプチャーのディレクションまで鈴木さんが担当したんですか??
鈴木:そうですね。ステージや演出については最初の大まかなデザインや仕様は僕の方で作って各制作会社に制作を依頼して、出来上がったものを小学館側とすり合わせて調整していくという流れでした。
僕はデザインもUnityでの開発もモーションキャプチャーも自分でやりたい、というタイプなので全部やっていますが、XRディレクターが必ずしも全部やる必要はないです(笑)。ちゃんとその分野に知見のあるメンバーや外部の協力者がいるので、分担しながら進められます。
特にこだわったポイントは?
鈴木:まずは主人公のきらりちゃんのCGモデルのルック作りです。3Dモデルは小学館ミュージック&デジタル エンタテイメントに作成いただきましたが、そのモデルをVLAでどうアウトプットするか、中原先生のタッチをしっかりと表現しつつ、今の時代にも合うルックをどうつくるかが課題で、特殊なシェーダーを取り入れるなどしてマンガやアニメの雰囲気を活かした仕上がりになるよう工夫しました。たくさんのファンの方がいる作品なので、モデルが受け入れてもらえるかは非常な重要なポイントでしたが、良い反応をたくさんいただけたのでほっとしています。
また、「マンガやアニメの世界観を、XRライブとしてどう表現するか」はこだわったポイントですね。漫画に登場するシーンをライブ演出に取り入れるなど工夫しました。ライブの3曲目で、ネコの「なーさん」がきらりちゃんの衣装についている風船を割っていくと風船の中からキャンディーが飛び出し、それを客席に投げてプレゼントする、という演出があるのですがこれは原作のエピソードを活かしたものです。原作の読者やファンの方に「あのシーンだ!」とわかってもらえるようにしつつ、マンガで表現されている一連の流れを3Dで再現することが難しかったですし、ライブの曲中でどう効果的に入れるかも試行錯誤しました。
器用貧乏を極めていきたい
今後の鈴木さんの目標は?
鈴木:VLAのコンテンツをどんどん増やしていきたいです。自分の中で色々とアイディアはあるので、それを今は社内で提案していって、実現に向けて動いているところです。あと、個人的な面ではスペシャリストというよりはなんでもできるジェネラリストとしての力を伸ばしていきたいです。僕は自分のことを昔から、器用貧乏だなと思っているんですが、ディレクターとしては浅くても広く色々なことが分かっている方が、それぞれの専門家ともやりとりがしやすいなと感じています。
特に今のTHRUSTERのフェーズだと、幅広く対応できる力は求められますし、鍛えられますね。
鈴木:そうですね、会社自体がまだ黎明期でメンバーも少人数なので、一人ひとりの役割が大きいですからね。さらに「自分のやりたいことが明確にある人」であれば、「こんなことをやりたい!」と積極的に提案して実現していける雰囲気もあるので、個人の成長にも繋がっていくのではないかなと思います。
最後に、THRUSTERに興味を持っている方へメッセージをお願いします!
鈴木:先程も言ったように、VLAは今後どんどんコンテンツを増やしていきたいと思っていますし、VLA以外にも様々な案件が待っているので、XRに興味があって、やってみたい!という方には是非仲間になってもらいたいと思っています。ご応募お待ちしています!