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最近、SES業界で「高還元」という言葉をよく耳にします。
「還元率80%以上」「エンジニアに最大限還元」「低マージン」などの文言が求人サイトやSNSに並び、一見すると、エンジニアファーストな優良企業が増えたように感じるかもしれません。
でも、ふと疑問に思いました。
「高還元」って、誰にとっての、どんな基準での“高還元”なんでしょうか?
SESで働いている方やこれから検討している方にとって、「還元率の高さ」は大きな関心ごとだと思います。しかし、この言葉の定義は企業によってバラバラで、本当にその“還元”が納得できる形で手元に届いているかを冷静に見つめる必要があります。
「80%還元」のカラクリ?
例えば、「還元率80%」というフレーズ。
これは一般的に「お客様からいただいている単価の80%をエンジニアに還元している」という意味です。ですが、そもそもその単価情報を開示していない会社も多いのが現実。
仮に、月単価が70万円の案件にアサインされていたとします。
80%還元であれば、エンジニアには56万円支払われているはずです。ところが、実際の給与が45万円だった場合、「差額の11万円はどこへ?」という話になります。
「80%還元」の企業と「単価の60%を給与の額面にする」企業を比較した場合、後者の方が給与は高い可能性もあります。
交通費、会社負担の社会保険料、会社運営費用などが含まれている…という説明もありますが、それがどこまで透明にされているかはまちまち。
また、「還元率○%」の根拠となる数式を公開している企業は、少ないと感じます。
つまり、「高還元」という言葉の印象に引きずられすぎると、実際の待遇とのズレに後から気づくことになるかもしれません。
「お金」だけが還元なのか?
私たちは、還元とは単に「単価に対する給与の割合」だけではないと考えています。
たとえば、以下のような取り組みも“還元”の一部です:
- 単価・契約内容の開示
- 単価と給与の差額の使い道の説明
- 稼働が止まったときの待機補償制度
- エンジニア主導で案件を選べる環境整備
- 月の残業時間を少なく抑えるための交渉
- 技術書・資格・外部研修費用の補助
- キャリア相談やメンター制度の提供
これらは「見えにくい還元」かもしれませんが、エンジニアとして長く、安心して働くために欠かせない要素だと思っています。
仮に給与の還元率が高くても、「長時間労働が当たり前」「案件選択の自由がない」「成長支援がない」といった環境では、最終的に満足度は得られないのではないでしょうか。
私たちの姿勢
私たちは、「高還元です!」と大声で言うことはありません。
むしろ、「どこにどうお金を使っているか」「どうやって働きやすさやキャリア支援に反映しているか」を、可能な限りオープンにし、納得できる形で伝えることを大切にしています。
また、SESという働き方がエンジニアにとって“安定”や“自律的なキャリア形成”につながるよう、マージンの透明化だけでなく、非金銭的なサポートの強化にも取り組んでいます。
一例として、現在私たちの会社では以下のことを実施しています:
- 案件単価の100%開示(契約書ベース)
- 技術学習費用の補助
- 資格手当を最大、20万円または毎月1万円支給
- フィットネスクラブ費用の補助
- 案件相談は随時OK
- 福利厚生にキャリアコーチングを追加
- 全社員の稼働時間は月平均150時間前後を維持
- 社員紹介すると毎月2万円を支給
“数字としての還元率”では見えない価値を提供していきたい。
それが、私たちが掲げる「信頼と持続性を重視したSES」のあり方です。
SES業界で働くみなさんへ
SESに対してさまざまなイメージがある中で、「高還元」を謳う会社も増えました。
それ自体は歓迎すべき変化かもしれません。ただ、数字の裏側にある現実をきちんと見て判断することが、エンジニアにとって本当に必要なスキルのひとつでもあると感じています。
皆さんは、「高還元」に対してどう感じていますか?
単価や給与にまつわる透明性、会社のスタンス、働きやすさへの配慮。
SESで働く中で、納得感を持てた経験や、疑問に感じたことがあれば、ぜひコメントで教えてください。