「ハイブリッドイベントの配信支援」と聞いても、どんな仕事なのかイメージできる人はまだ多くないかもしれません。
Airz(エアーズ)は、企業の社内総会や表彰式、学会、官公庁のイベントなど、リアルとオンラインを組み合わせたハイブリッドイベントの配信を支援しています。事業開始から約2年で、支援実績は1,000件を突破。現在も多くの企業・団体からご相談をいただいています。
一方で、Airzは単なる「配信会社」ではありません。
SaaSやWebマーケティング出身のメンバーだからこそ生まれた事業のつくり方や、業界の当たり前にとらわれない配信スタイルなど、他社とは異なる特徴があります。
今回は、共同創業者の小堀雄也に、Airzはどんな会社なのか、ハイブリッド配信市場の面白さ、そしてAirzならではの強みについて聞きました。
ハイブリッド配信とは?
—— 「ハイブリッド配信」と聞いても、あまりイメージが湧かない人も多いと思います。どんな仕事なんでしょうか?
正確に表現すると「ハイブリッドイベントの配信支援」を行っています。
例えば、会社の社内総会や講演会で、会場にいる人とオンライン参加者が同時に参加するイベントがありますよね。そういったリアル会場とオンライン配信を組み合わせたイベントを「ハイブリッドイベント」と呼んでいて、僕たちはその配信を担当しています。
—— 参加者からすると、普通のオンライン配信とは何が違うんですか?
今、多くのオンラインイベントって、PCの内蔵カメラで登壇者を映しているだけですよね。それって、サッカーを上空からの定点カメラだけで見ているようなものなんです。定点カメラだけだと、正直あまり面白くないじゃないですか。
でもテレビ中継は違います。場面ごとにカメラが切り替わったり、テロップが入ったり、観客のリアクションが映ったりするから、見ていて面白い。
Airzがやっているのは、オンラインイベントにそんなテレビ中継のような演出を加えることです。
—— じゃあ具体的に何をしている会社かというと?
イベント主催者から配信部分をお任せいただいて、カメラや音響、配信オペレーションを担当し、オンライン参加者にも伝わりやすい配信を実現しています。
ハイブリッド配信が求められる理由
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—— どんな会社や団体からの依頼が多いですか?
一番多いのは企業の社内イベントです。会社の方針発表会や年間MVPの表彰式、懇親会のレクリエーションなどですね。
—— 最近は社内イベントでもハイブリッド開催が増えていますよね。その背景を教えてください。
そうですね。コロナ以降、リモートワークが定着して、全社員を一つの会場に集めることが難しくなりました。でも会社としては、方針やメッセージは全社員に届けたい。その結果、ハイブリッド開催が一気に広がりました。
オンライン参加者は、どうしても「おまけ感」が出てしまうんですよね。会場では登壇していない役員の表情や会場の空気も見えるのに、オンラインだと登壇者しか映らないことも多い。だから複数のカメラを使ったり、コメント機能を取り入れたりして、オンラインでも一体感のある配信を目指しています。
—— 社内イベント以外では、どんな現場がありますか?
官公庁のセミナーやシンポジウム、学会なども多いですね。
学会は地方開催も多く、オンラインとの相性がいいんです。発表する先生の所属先に合わせて会場が決まることも多いので、毎回東京で開催されるわけではありません。そのため、現地とオンラインを組み合わせた開催が定着しています。
また、全国規模の一般社団法人が開催する定例会などの配信も担当しています。
—— お問い合わせは、どんな状態で来ることが多いですか?
学会や官公庁は、もともと配信業者を入れる前提でご相談いただくことが多いですね。一方で社内イベントは、「自分たちで配信してみたけどうまくいかなかった」という経験をきっかけに、ご相談いただくケースが多いです。
感謝がダイレクトに返ってくる仕事
—— この業界は技術者出身の会社が多い中で、AirzはSaaSやWebマーケティング出身のメンバーが事業を立ち上げています。外から入ったからこそ気づいたことはありますか?
正直に言うと、マーケティングとセールスのハックが全然進んでいないなと思いました。この業界は技術者が創業するケースがほとんどで、マーケティングやセールスという概念があまりないんですよ。「人から紹介をもらって現場に行く」。それだけで成長していく会社がすごく多い。だから、それ以外の手法は業界の外から来たからこそ気づけることだと思います。
—— WebマーケやSaaSに携わっていた時と比べて、やりがいという面ではどんな違いがありますか?
全然違います。WebマーケやSaaSの頃は、お客さんと直接触れる機会がほとんどなかったんですよね。SaaSってオンラインで契約してオンラインで使うから、「使ってみてすごく助かりました」って連絡が来ることもほぼない。マーケだと「リード取れて当たり前」みたいな減点方式の感覚もあって。
でも今の仕事は全然違います。お客さんって費用対効果を求めているわけじゃないんですよ。コストカットしたいというより、「よりよくしたい」「参加者に喜んでほしい」という気持ちで来るから、感謝がダイレクトに返ってくる。
例えば、「このタイミングでテロップを入れたら参加者が喜ぶんじゃないですか?」って提案したら、「それいいですね!」って喜んでもらえる。そういう瞬間がすごく気持ちいいんですよね。
—— お客さんとの向き合い方もかなり違いそうですね。
そうなんです。SaaSとかWebマーケのお客さんは、どこか「マイナスを減らす」という目線で来ることが多い。でも今のお客さんは、「もっといいものを作りたい」「遠くにいる社員にも届けたい」という前向きな状態で来る。起点が全然違うんですよね。
ある意味、贅沢品を一緒に作っているような感覚があります。
配信会社らしくないから強い
—— Airzがハイブリッド配信事業を始めたきっかけを教えてください。
もともとウェビナー支援をやっていて、イベントの企画やマーケティング目線で支援をしていました。アフターコロナになりつつある時期に、ハイブリッドイベントの支援という問い合わせが増え始めて、「市場として伸びるんじゃないか」と宮崎さんが判断したのがきっかけです。
実際にマーケティングを組み合わせると問い合わせも増えて、「市場ニーズがある」と確信できたので、ハイブリッド配信事業に本格参入しました。
—— SaaSやWebマーケティングで培ったノウハウは、今の事業にどう活きていますか?
一番大きいのは、インバウンドのリードが9割以上というところです。リスティング広告とLPで問い合わせを取っていくというやり方は、普通の配信会社にはほぼないと思います。この業界は「人脈と紹介」で仕事を取っていく会社がほとんどなので。
あと営業体制も、SaaS業界でよく使われる「THE MODEL」という分業型の仕組みを取り入れています。リード獲得・営業・支援を役割ごとに分けて、それぞれが自分のKPIに集中する考え方ですね。
「リードをどう取るか」「契約をどうするか」「支援満足度をどう上げるか」の3チームが、それぞれ全力で走っているのが今のAirzの体制です。この業界だと、そういう概念を持っている会社がほとんどないので、そこはすごく強みになっていると思います。
—— 一方で、Airzの強みはマーケティングだけではないですよね。
そうなんです。僕自身、最初は「広告でリードを取れているから伸びている」という発想が強かったんですが、それだけじゃないなと。
業界的に、放送のスタンダードをそのまま配信に持ち込んでいる会社がほとんどなんですよ。大人数クルー、大型機材、スタジオ基準の重装備、みたいな。でも配信って、放送と求められることが全然違うんです。
うちは配信に本当に必要なものを一から考えて、少人数クルーで、小型の最新機材を使って、会場に出張して配信する体制を作りました。だから適正コストで提供できる。Webマーケは集客の手法でしかなくて、サービスの核はそこですね。
—— その強みは、お客さんにとってどんな価値につながっていますか?
そうなんです。予算30万円しかないからうちに来ているけど、既存の映像会社には60万円かかると言われて断られた、というケースは本当にたくさんあります。
世の中にAirzがなかったら、その会社は配信自体をできていなかったかもしれない。そう考えると、そこには意義があると思っています。
配信業界の「当たり前」を変えたい
—— 実際にこの業界に入ってみて、驚いたことはありましたか?
元々配信業界に触れたことがなかったので、最初は「こんな世界があるんだ」という感じでしたね。
入って一番驚いたのは、SaaS業界ではジェネラリストがすごく重宝されるのに、この業界ではジェネラリストよりもスペシャリストが評価されやすいことです。ビデオはビデオ、スチールはスチールというように、完全にスペシャリストの世界なんですよ。
—— Airzは逆に、ジェネラリストを求めていますよね。
そうです。技術部長の櫻井さんみたいに、音も映像も配信も、一人で幅広く対応できるジェネラリスト型の技術者は、Airzが目指す市場ではものすごく価値が高い。でも、この業界ではスペシャリストの方が評価されやすいんです。そのギャップは面白いなと思っています。
—— Airzならではの特徴は、ほかにもありますか?
一つは、配信に特化していることですね。「映像制作がメインで、配信もできます」という会社がほとんどで、配信を専門にしている会社はあまりありません。
しかも配信って一発本番で失敗が許されないから、業界の中でも「やりたくない」という人が多いんですよ。制作なら撮り直しも編集もできますけど、配信はできないので。そこに特化しているのはAirzの独自性だと思っています。
—— Airzは「少人数・コンパクトな機材構成」で高品質な配信を実現していますよね。
そうです。業界的には、放送を基準に考えている会社が多いので、大人数・大型機材でやるのが当たり前なんですよ。でも、配信って放送とは求められるものが違うので、うちは少人数・コンパクトな機材でもクオリティを出せる体制を作っています。
これって技術者の中にも共感してくれる人がすごく多くて、「放送から配信へ」というコンセプトはキラーフレーズになっていると感じています。
スイッチャーをやっている人はミキサーには触れちゃいけない、みたいな業界の常識がありますが、Airzはそこも変えていきたいと思っています。
市場も、商材も、面白い
—— ビジネス職としてAirzで働く面白さは、どんなところにあると思いますか?
一つは、新しい市場で伸びていることです。ハイブリッドイベントの配信市場はアフターコロナからできた市場で、競合もまだ少ないので、自社でできることが多い。成熟した市場だと「やること」が決まってしまっていてつまらないけど、この市場はまだ「啓蒙活動をしましょう」とか、「新しいことを試しましょう」ができる段階なんです。そこが面白いと思う人は絶対いると思います。
もう一つは、商材の良さですね。例えば営業であれば、自分が心から良いと思える商材じゃないと、本気で勧めきれない部分があると思うんです。でもAirzは、社内イベント配信という領域なら、コスト・クオリティともに自信を持って「うちが一番いい」と言える。
心の底から本音で勝負できる。嘘をつかなくていい。それはAirzで働く大きな魅力の一つだと思っています。
—— 最後に、どんな人と一緒に働きたいですか?
市場の伸びや仕組みの面白さに惹かれる人もそうだし、お客さんの「思いを届けたい」という気持ちに寄り添って、一緒にいいサービスを作ることに喜びを感じられる人にも来てほしいですね。
ビジネスとしても面白くて、お客さんとの関係も前向きな仕事なので、そのどちらでも惹かれる人がいれば、ぜひ一度話しましょう。