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こんにちは、1PAC. INC. の桑原です。
2018 年からデザインチームのリーダーという肩書きをいただき、気づけばもう8年目になります。
デザイナーやディレクター、エンジニアとしてキャリアを積んでいる方の中には、「リーダーって実際どうなの?」「どうやってその立場になるの?」と気になっている人もいるかもしれません。
先に正直に言ってしまうと、桑原自身はリーダーになること自体を「目指していた」わけではありません。プレイヤーであることを軸にスキルや専門性を掘り下げ、仕事の質を高めることを積み重ねた結果、いつの間にかリーダーという役割が「ついてきた」という感覚に近いように感じます。
この記事では、なぜ職位ではなく職能を追求してきたのか、そして結果としてどのようにキャリアが広がっていったのか、自身の系譜を振り返りつつ、1PAC が大切にしているキャリア観についてご紹介したいと思います。
目次
肩書きとスキルは別のもの
肩書きはあとからついてくる
キャリアが転換するとき
「良きライバル」でありたい
リーダー職は自身の成長も促進させる
まとめ──職能を深めることがキャリアを広げる
肩書きとスキルは別のもの
皆さんは「キャリア」と聞くと、何を思い浮かべるでしょうか。
昇進や肩書きのステップアップ? それともスキルアップや経験値?
1PACでは、この「キャリア」という言葉を以下の 2 つに分けて捉えています。
● 職位(Position)
組織の中での肩書き・責任範囲・意思決定権など、いわば「役割の示し方」。
管理職・リーダー職と聞いてイメージするものはこちらです。
● 職能(Expertise)
デザイン・開発・ディレクションといった専門スキルそのもの。
組織の外に出ても価値として残る“個の力”。
キャリアを考えるとき、「職位を目指す」のか「職能を磨く」のかで、日々の行動もキャリアの広がり方も大きく変わります。
肩書きはあとからついてくる
本稿は職位と職能のどちらを取る?という二元論ではありません。
どちらも重要な要素ですし、どちらか一方だけの視点でキャリアを見ることは望ましくないでしょう。
私たちが1PACの文化として大切にしているのは、職能を軸にキャリアを築き、職位はその結果としてあとからついてくるもの という考え方です。
1PACは比較的人数規模の小さい組織ということもあり、職種や肩書きという概念がやや希薄です。あらかじめ定められた「枠」の中で活動するのではなく、プロジェクトのゴールのために個々人が主体的に行動していくなかで「職能の輪郭」を有機的に拡張していくようなイメージです。
高い専門性が身についていくにつれ、自然と責任と信頼の深度が増し、意思決定を任されるようになり、プロジェクトやチームを牽引するようになっていく。
職位を得ることはあくまで「結果論」であり、
キャリアにとって重要なことはそのために「職能を磨く」過程の方にあるのではないでしょうか。
1PACの評価制度としても、職位/肩書だけを見た単眼的なものではなく、むしろ職能(自らのスキルをもってしていかにプロジェクトを牽引できるか)に対して着目した評価を実施しています。
キャリアが転換するとき
少しだけ、桑原自身のキャリアを振り返ってみたいと思います。
ここまで何やら偉そうに語ってしまいましたが、先述の通り、桑原は最初からリーダーを目指していたわけではありませんでした。当初も今も、「チームを率いたい」というより「より良いクリエイティブを達成したい」というモチベーションが強かったと記憶しています。
● デザイナー期 (20代)
入社当時から「枠にとらわれたくない」という気持ち(むしろ反骨精神) が強く、
デザインとエンジニアリングの両軸に踏み込みながら、専門性を磨いてきました。
● ディレクター/デザイナー期 (20代後半)
1PAC では制作メンバーもクライアントのフロントに立ちます。
自分も例外ではなく、デザインを直接プレゼンし、フィードバックを受けながら進める案件が多かったため、その中で自然とディレクションにも興味が湧いていきました。
「指示に従う」のではなく「自分がプロジェクトをドライブする」ことに楽しさを感じ始めた時期です。
● キャリアの転換点 (アラサー)
専門性を突き詰めていたつもりが、気づけばプロジェクト全体を見る視点が育っていた。周囲から相談される機会が増え、意思決定を任されるようになり、ほかのメンバーをサポートする場面も増える。
● リーダー (30代前半〜)
結果として、自然と“リーダー的な役割”が自分の中に形成されていきました。
肩書きが変わる前に、役割が変わっていた。という感覚です。
「良きライバル」でありたい
やってることはデザインマネージャー的なモノに近いかもしれませんが、桑原が「マネジメント」という言葉をあまり顕に用いない大きな理由には以下のような考えがあります。(※個人的な見解を含んでいます)
● マネジメント (=管理) という関係を表面化させたくない
「マネジメント」という語は、なんだか「管理する人/管理される人」という意識構造を必要以上に漂わせてしまう気がしてしまいます。
メンバーの活動や成長というのはそもそもコントロールできるものではなく、メンバーの自発性の中で偶発的に爆発していくべきものだと思っているからです。
もちろん、管理職としてデザインマネージャー的なことをしていることは事実なのですが...それ自体はあまり観測可能なものとして表面化させなくても良い事柄と捉えています。
● リード (=「牽引」)する人
一方、「リーダー」は「牽引する」というスタンスです。
プロジェクトが持つ“大意”の達成を第一に考え、現場に立ち、旗を振りながら牽引したり、必要に応じて背中を押したりすることがリーダーの肝要なミッションと考えているため、「管理する」「育てる」という側面は、自分の場合、副次的な効能という風に思っていた方が上手く回るような気がしています。
●チームにとっての 「良きライバル」
私は「リーダーはメンバーにとって良きライバルであるべき」と言う持論があり、折に触れてこの思考をメンバーに語っています。
並走しながら切磋琢磨できる存在であること。そのためにも、自分自身の専門性を磨き続けることは欠かせません。
リーダー職は自身の成長も促進させる
同時にリーダーの職位を「教育者」のようにも捉えていません。
むしろプロジェクトの中でメンバーのアイデアから学ぶことも多く、自分とメンバーがフラットに切磋琢磨する中でアイデアやデザインをぶつけ合う技能を持っていなければなりませんから、あぐらをかくことはできません。
そのため「プレイヤーであり続ける」スタンスを軸に、例えば以下のような心がけをキープしています。
- 手を動かす時間をゼロにしない
- 技術や知識を常にアップデートする
- 社外の人と積極的に会い、価値観を広げる
- 自分の枠を固定化させない
チームが成長していくと、自ずとリーダー自身が新たな地平を開く余裕が生まれていきます。
メンバーの成長のために投じたエネルギーは、巡り巡って自分自身の成長も促してくれる。リーダー職は、そんなポジティブな循環をつくり出せる立場だと感じています。
まとめ──職能を深めることがキャリアを広げる
リーダー職は「目指してなる」だけが道ではありません。
専門性を磨き続けることで、周囲から求められる役割が自然と変わり、結果としてキャリアが広がっていくことがあります。
職位のために職能を犠牲にするのではなく、
職能の土台の上に職位が築かれる。
1PAC では、この考え方を大切にしており、こうした成長を尊重する文化が息づいています。
雑感も混ざってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
これからキャリアの転換点に立つ方にとって、少しでも参考になれば幸いです。