論点を整理し、運用につなぐ。そんな役割を担うことが多かった。
🟦【第1章:自分の仕事は、いつも肩書きだけでは説明しにくかった】
正直に言うと、
自分の仕事を一言で説明するのが難しい時期がずっとありました。
IT担当と言うと、少し違う。
企画と言っても、少し違う。
プロジェクト推進と言えば近いけれど、実際にはもっと泥くさい。
現場で起きている混乱や違和感を拾って、
何が論点なのかを言葉にして、
誰がどこまで持つべきかを整理して、
必要なら運用や仕組みに落とすところまでやる。
そんな仕事をすることが多かったからです。
自分ではずっと、
「何でも屋になりたいわけじゃないんだけどな」
という感覚がありました。
でも振り返ると、
“何でもやっていた”というより、
業務・組織・ITのあいだで混線しているものを整理して、つながる状態に戻す役割
を担っていたのだと思います。
当時は、それをうまく言葉にできませんでした。
だから、周りから見ても説明しにくかったと思うし、
自分でも「これは何の仕事なんだろう」と思う瞬間がありました。
🟦【第2章:現場で詰まっていたのは、“担当不足”より“接続不足”だった】
仕事をしていると、
表面上は「人が足りない」「誰かが判断してくれない」「現場が回っていない」
と見える場面がよくあります。
でも、少し引いて見ると、
本当に詰まっているのはそこではないことが多い。
実際には、
- 業務の現実と制度の前提がずれている
- 組織上の役割と実際の運用が噛み合っていない
- システム仕様だけが先に走っている
- 部門ごとの慣習が残ったまま全体最適が語られている
- 誰が判断するか曖昧なまま案件だけが増えていく
そんな“接続不良”が起きていることが多かったです。
個別に見ると、
みんなそれぞれ正しいことを言っている。
でも全体では前に進まない。
むしろ、それぞれが正しいからこそズレが深くなる。
そういう状態を何度も見てきました。
この時、必要なのは気合いや根性ではなく、
何がズレているのかを整理して、構造として接続し直すこと
だと思っています。
担当者を一人増やしても、
責任の境界が曖昧なままだと、結局また詰まる。
ルールを一つ追加しても、
現場の実態とつながっていなければ、紙の上だけの話になる。
システムを入れても、
前提整理が甘ければ、後で運用がねじれる。
だから自分は、
目の前の作業をただ処理するより前に、
まず「何が接続されていないのか」を見るようになりました。
🟦【第3章:自分がよく担っていたのは、混線した論点をほどくことだった】
では実際に何をしていたのか。
そこをもう少し言葉にすると、
自分がよく担っていたのは、
混線した論点をほどくこと
だったと思います。
たとえば、
- いま起きている問題は、制度の問題なのか、運用の問題なのか
- それは現場判断で済む話なのか、上で決める話なのか
- 誰が責任を持つと自然なのか
- 今回必要なのはルール化なのか、例外処理なのか
- システム対応が必要なのか、それとも運用整理で済むのか
そういうことを一つずつ分けていく。
一見すると地味ですが、
ここが整理されないまま話が進むと、
途中で必ずどこかに無理が出ます。
現場が無理をする。
管理側が曖昧なまま抱える。
システムに変な期待が乗る。
あるいは、できる人の善意で回ってしまう。
それを避けるために、
論点を言葉にして、
関係者の認識をそろえて、
責任と判断の置き場を整えて、
必要なら運用や仕組みに落とす。
そこまでつないで初めて、前に進むテーマが多かったです。
自分はずっと、
派手に何かを変える人というより、
前に進まない原因をほどいて、流れる状態を作る人
だったのだと思います。
🟦【第4章:ただ、この役割は組織の中で便利屋化しやすい】
一方で、この役割には難しさもあります。
なぜなら、
こういう仕事は、
やれる人がその場で何とかしてしまいやすいからです。
目の前で詰まっているものがある。
誰かが言葉にすれば進みそう。
少し整理すれば通りそう。
なら、やってしまう。
実際、自分もそうやって動いてきた場面が多くありました。
それ自体を後悔しているわけではありません。
むしろ必要だったとも思っています。
でも、その積み重ねの先で感じたのは、
役割が定義されないまま広がる仕事は、かなり危うい
ということでした。
やれる人が埋める。
埋められるから、役割定義が後回しになる。
後回しのまま期待だけが増える。
でも、責任範囲も権限も評価も整理されない。
そうなると、最後は本人の頑張りで成立させるしかなくなる。
短期的には、それで回ります。
でも長期的には再現性が残らない。
そして、本人も組織もじわじわ消耗します。
ここはかなりリアルに感じてきた部分です。
便利な人がいるから回る、は、
裏を返せば
その人が個人で構造の穴を埋めている
ということでもある。
だから本当は、
その人の能力を褒めるだけでは足りない。
その人が埋めている“穴”の方を見ないといけない。
自分がずっと違和感を持っていたのも、たぶんそこでした。
🟦【第5章:それでも、自分がやりたいのは“構造を成立させる仕事”だ】
それでも、というより、
だからこそ自分がやりたいことははっきりしてきました。
やりたいのは、
単なる穴埋めではありません。
現場が苦しみながら回しているものを、
構造として読み直すこと。
経営と現場、制度と運用、業務とITのあいだにあるズレを整理すること。
誰か一人の頑張りに乗っているものを、
役割と仕組みとして成立させること。
そういう仕事に、自分は一番興味があります。
派手に前に立つタイプではないかもしれません。
大きな言葉で引っ張るタイプでもないと思います。
でも、組織の中で言葉になっていない詰まりや、
何となく回らなくなっている原因を見つけて、
少しずつ流れる状態へ整えることは好きです。
もっと砕いて言えば、
働く人が無理をしなくても回る状態を作りたい
のだと思います。
そして、
経営側にとっても、
「何が問題で、どこを決めれば前に進むのか」が見える状態を作りたい。
そのために必要なら、
構造を読み、
論点を整理し、
壁打ちをし、
運用まで落とし込む。
そういう形で関わっていきたいと思っています。
🟦【さいごに】
これまで、自分の仕事は少し説明しづらいものでした。
でも最近ようやく、
それは“曖昧だから”ではなく、
複数の領域のあいだをつなぐ役割だったから
なのだと思えるようになってきました。
もし組織の中に、
- 何となく進まないテーマがある
- 誰の責任か曖昧な仕事がある
- 現場は苦しいのに、原因が言語化できない
- 制度・運用・ITがちぐはぐなまま走っている
そんな状態があるなら、
一度整理してみる価値はあると思っています。
Wantedlyでは、
採用でも、副業でも、壁打ちでも、
まずはオープンに相談いただければうれしいです。
“人が悪い”で止めず、
“構造として何が詰まっているのか”を一緒に言葉にして、
前に進める形まで整える。
そういう関わり方ができればと思っています。