コンサル出身の悪いクセで、会議に入るときは何かしら答えを持っていないといけない気がしていました。聞かれて黙るのが怖いんですよね。だから自分がよく知らない領域でも、それっぽい整理を返してしまう。設備の話でも、現場のオペレーションの話でも。相手はその道を何年もやっているプロなので、たぶん一瞬で見抜かれていたと思います。
厄介なのは、知ったかぶりがその場では通ってしまうところだと思っています。誰も困らないし、会議も予定通りに終わる。で、その曖昧な理解のまま決定になって、実際に現場で動かす段になって初めて詰まる。机の上では同じ「ひと工程」でも、現場では仕込みの順番ひとつで回るか回らないかが変わる。ここは実際にそこに立っている人にしか分からないと思います。
白状すると、自分の浅い理解のまま仕様を決めてしまい、あとから「これ、実際にやると回らないですよ」と言われたことがあります。そのとき返ってきた一言がなかなかきつかった。「聞いてくれれば5分で答えましたよ」。つまり自分のプライドを守るために、相手の5分を、三週間ぶんの手戻りに変換していたわけです。さすがにこたえました。
なので今は、分からないことは早い段階で「分からないので教えてください」と言うようにしています。正直、肩書きや経歴が増えるほど言いにくくなる。今でも少し抵抗があります。ただ、知らないと認めた瞬間に、相手が急に本気で説明し始めることが多いんですよね。答えをたくさん持っている人より、質問が具体的な人のほうが、結局は信用される気がしています。