船を動かすのは、みんなのリーダーシップだ!
なぜ“チームは船”なのか?
今日は、このメタファーに込めたリアルな意味についてお話しします。
昨日公開したホームページのキービジュアルには、“船”というモチーフを選びました。
たくさんの方がこの比喩に共感してくださり、本当に嬉しく思っています。
今日は、その「船」というモチーフに込めた、もう一つの“リアルで人間くさい意味”についてお話しさせてください。
【船という“チーム”のメタファーが持つ、リアルな構造】
船には目的地があります。
目的地を定めずに出航することはありません。かのコロンブスでさえ、当初はインドを目指して航海に出ました。
そして、船は目的地に向かって、キャプテンを中心に乗組員が役割分担をしながら、連携し、共に進んでいきます。
この点において、「チーム=船」という喩えは、直感的にもわかりやすいのではないでしょうか。
でも、私がこのメタファーにこだわる理由は、もっと現実的で、少し“耳の痛い”構造にあるのです。
【船は“フリーライド”できてしまう】
船という乗り物の特徴は、たとえ自分が動いていなくても、船が進めば目的地に着けてしまうという点です。
つまり、誰かががんばって漕いでくれれば、自分が何もしなくても成果を“分けてもらえる”可能性があるということ。
この構造は、現実の組織にもよく当てはまります。
「たいした貢献はしていないのに、成功プロジェクトの表彰に並んでいる人がいる」
「本当に尽力していた人が、静かに組織を去っていった」
こんな“もやもやする光景”を、誰もが一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
【船を動かすのは、みんなのリーダーシップだ】
私は、チームでの仕事において、全員が自分の意思で動くことが何よりも大切だと考えています。
もちろん、仕事の役割や強みは人それぞれです。
でも「自分はこの船を前に進めたい」と思っているかどうか。
そして、その意思を“行動で”示せているか。
この違いが、チームの成果と信頼感に直結すると信じています。
誰かひとりだけが必死でオールを漕いでいるチームではなく、全員がそれぞれのリーダーシップを発揮し、船を進めていくチーム。
私は、そんなチームが最も早く、遠くへ、しなやかにたどり着けると考えています。
【“調和型チーム”をつくるために欠かせないこと】
私が実現したいのは、メンバー一人ひとりのリーダーシップが響き合う「調和型チーム」です。
そこでは、誰かが突出するのではなく、全員の力が自然に交わり、目的地へと導かれていく。
でも、それを実現するには前提があります。
それが “対話” です。
対話とは、ただ言葉を交わすことではありません。
お互いの価値観や背景、思いを理解し合い、そこから共通の目的を見つけていくプロセス。
それは時に、正解のない問いを一緒に抱え続けることでもあります。
調和型チームとは、対話の上に成り立つチームなのです。
【あなたのチームは、どんな船ですか?】
誰か一人がずっと舵をとり続けていませんか?
一部の人だけがオールを漕ぎ、他の人はただ乗っているだけになっていませんか?
「船」というメタファーを、自分のチームに重ねて考えてみると、たくさんの気づきがあるかもしれません。