―社会インフラを人と技術の力で支え、「価値創出型アウトソーシング企業」 を目指しています。
当社は 1979 年に化学プラントの設計事務所としてスタートしました。
二度のオイルショックを経て産業界の構造が変化していく中、当社もまた、アウトソーシング業界へと業態転換を遂げています。
これまで、携帯電話の無線設備を運用する業務や、医療機器や産業用計測制御装置を配備し、運用支援から保守までを請負う業務など 「産業装置の導入・運用・保守」 を中心に、派遣や業務請負事業を展開して参りました。
今、これらのアウトソーシング事業の高付加価値化に取り組んでいます。
現場作業の付加価値を向上させるために、IT を中心とするデジタル技術の活用は避けて通れません。
そこで、ソフトウェア受託開発事業の大幅な強化と方針転換を計画しています。
受託開発ではこれまで、大手電機メーカ系の技術情報管理システムを皮切りに、様々な業務システムを開発して参りましたが、これからは、従来型の開発から脱却を目指しています。
主軸となるのはAI に関わる実証的なシステムの構築と、自社アセットの構築です。
主なテーマは、現場作業(フィールドサービス/エンジニアリング)の付加価値生産性の向上や実践的な技能継承となります。
例えば…
【AI-OCR エンジン】
書かれているコンテンツが同じ種類でも、企業ごとの体裁や仕様、フォーマットによって結果として異なるレイアウトになるデータがあります。例えば製品の製造仕様書や企業ごとに異なる勤務表などもそれに該当します。当社では単純に機械学習によって情報を抽出するだけでなく、異なるレイアウト(帳票のフォーマット)を識別し、新しいレイアウトそのものを学習し、汎用性を高めることにこだわっています。
【産業廃棄物処理受発注プラットフォーム】
産業廃棄物の回収は、一般ごみと比較してかなり複雑です。生活の中で出されるごみと異なり、内容によって専門的な処理が必要となります。不法投棄を防ぐため契約・収集・運搬・処分までの全工程を記録するマニフェスト制度が義務付けられています。企業が産業廃棄物や事業系一般ごみを出す場合は自らの責任で処理しなければならず、廃棄物処理業者にコンタクトし、各種の廃棄物を的確に申告して見積もりを取り、回収スケジュールを決定しなければなりません。
これらの複雑な処理を効率よく行うために、当社では廃棄物運搬・処理を司る企業とタイアップし実践的なプラットフォームを開発しています。
【仮想環境 x 生成 AI を活用した技能獲得プラットフォーム】
実践的な技能の習得は、失敗やトライアル&エラーの繰り返しの中から生まれます。
例えばサーバ運用に関する知識や技能で言えば、"安全に失敗できる環境" や "ブラウザから簡単に実機にアクセスできる環境" が必要だと考え、Docker コンテナと WebSocket で接続されたブラウザを経由して学習者が自由に Linux カーネルを操り、その応答を確認できるシステムを開発しました。
そして今、効率よく知識を獲得する手段として生成 AI が注目を集めています。生成 AI は、人間の理解を補うという側面において絶大な効果を発揮していますが、この力をユーザ自身の理解の深化に繋げたいと考えています。
産業界で起こる事象は確率論的な推論で意思決定するには重大な事柄が多く、求められるのは明快なロジックに基づく合理的な判断と決定論的なアプローチです。現在のところ、人間の意思決定を完全に置き換える役割を与えるまでには至っておりません。
エンジニアリングに対する理解はタマネギの皮のように重層的で多面的です。生成 AI を活用して、試験対策などによる表面的な理解に止まる点や誤解によって理解の妨げになっている点を浮き彫りにし、より本質的な理解に効率よく到達できるようなシステムの開発に取り組んでいます。