電気炉補修の見える化
操業のコアである電気炉は、鉄スクラップをおよそ1600度もの高温で溶かすため、内部はレンガ張りになっている。このレンガは操業を行うにつれて損傷していくため、週1回の交換が必要である。レンガ交換の基準は「およそ20㎝損傷したら」と決まりはあるが、実際に解体して測定しなければ測定はできない。そのため、職人やスタッフの長年の経験によりレンガの解体範囲を決めていた。しかし、施工職人も減少している中、適切な解体範囲を指示できる人数が減ってきており、コスト優先でレンガの解体範囲を少なくすると、電気炉から溶けた鉄が漏れ出す危険性があった。 そこで、3Dスキャナの導入を計画し、レンガの損傷具合をわずか1分程度でミリ単位の精度で測定することを可能にしたことで、だれが測定しても定量的に損傷具合が確認できるようになり、俗人化の解消を達成することができた。 また、見える化を行ったことで、過去のデータと比較することも可能になり、必要な資材の発注や特定の部分のレンガの損傷に関しての対策を検討できるようになり、より業務効率を上げることができた。