3Hメディソリューション株式会社 / 人材開発グループ長
認知症という社会問題との出会い
この2年は認知症という問題に医療現場から少しでも解決に向かうよう取り組んでいる。日本は認知症の最先端にいる、世界の認知症モデル国。しかし日本には認知症を専門とする医療機関は少なく、その専門知識を持つ医師も決して多くはない。 大きな医療機関でも患者は抱えきれず、新規患者は3か月から長い場合は半年近く待たされる。認知症患者にとって半年という時間は非常に長い。 そもそも認知症という疾患に対する国民の病識は低く、10年前のがん、20年前のエイズのような感覚を覚える。誰もがかかりうる病として、その病識を深め、早期に診察、治療ができるようにしていくことが重要だと思われる。 私は今、医療の現場で、認知症を目の当たりにしながら、少しでも認知症のリアルを伝えられるように患者やその家族に語り掛けている。 認知症の課題は多い。治療薬はもちろん、上記のような病識の低さ、受け入れる側の社会も病識を上げなければならないし、早期診断のマーカーや手法の確率も重要、さらにこれからは企業も認知症に取り組む必要が出てくるはずだ。 私は決して医療人ではないが、子を持つ人の親として、超高齢社会の日本をこのままにしておくことには不安を感じている。 これから認知症とどう付き合っていくかは分からないが、その大きすぎる課題に触れ、今まで経験したことやITの力で何かできればという思いはある。