面白法人カヤック / プロジェクトディレクター・プランナー
渋谷区|渋谷おとなりサンデー「お手軽 開催キット」開発
--------------------------------------------- ■ すべての区民が、誰かの「おとなりさん」になれる日を目指して --------------------------------------------- 渋谷区 区民部 地域振興課では、毎年6月の第1日曜日を「渋谷おとなりサンデー」の一斉開催日とし、地域のつながりを深める取り組みを行っています。この活動を通じて、ご近所同士の交流を促し、いざというときに助け合える関係づくりを目指しています。 「渋谷おとなりサンデー」のモデルは、1999年にフランス・パリで始まった「隣人祭り(Neighbours' Day)」です。「おとなりさんと仲良くなろう!」を合言葉に、地域の人たちが集まり、手作りのパーティーを開くという素敵な取り組みが元になっています。 事業の支援にカヤックが参画して3年目を迎えた今年度、私たちが新たに挑んだのは、「もっと小さく、もっと気軽に開催できる人を増やす」というテーマ。昨年度の渋谷本町さくら公園での実験で生まれた「場のしつらえ」 の発想を元に、渋谷区全体のすみずみへと届けるための新しい道具を発明しました。それが、「お手軽 開催キット」です。 --------------------------------------------- ■ 開催者を阻む見えない2つの壁 --------------------------------------------- おとなりサンデーを「やってみたい」と思っている区民は、実は少なくありません。しかし、その気持ちの前には2つの見えない壁が立ちはだかっています。 ひとつは「企画の壁」。準備はどうする?、手ぶらで来てもらうのは申し訳ない... 人を招くなら、ちゃんとおもてなしをしなきゃ、という日本人特有のある種「まじめな呪い」があります。この「ちゃんとした企画がないと... 」がそのまま諦めに変わってしまいます。 そしてもうひとつ、より根深いのが「立場の壁」です。こうした催しを開くのは、町内会や商店会、地域活動をしている団体の人たち。何の肩書きもない、ただの一般人の自分が「開催者」を名乗っていいんだろうか? そんな遠慮が、手を挙げる前のブレーキになっています。 だからこそ、私たちは考えました。「あなたも開催しませんか?」という言葉の代わりに、手に取った人が思わず「これならできるかも」と思える道具を渡せないか、と。良い免罪符、良い集いの言い訳を。 --------------------------------------------- ■ 渋谷おとなりサンデー「お手軽 開催キット」が誕生! --------------------------------------------- 「集まったら、まずカンパイしよう」。そのための道具が全部入っています。テーブルを用意しなくても、料理を作らなくても、このキットを手に取った瞬間から、あなたはもう「おとなりサンデーの開催者」です。 配布は数量限定。「チャレンジしたい」と申請した区民に届けられました。受け取った方々は、自宅の玄関先で、マンションの共用エリアで、近所の公園で——それぞれの「ちょうどいい場所」で小さな乾杯を開きました。 --------------------------------------------- ■ 「やらなきゃ」を「やってみよう」へ。クリエイティブで文化をつくる --------------------------------------------- 3年間を通じて、カヤックが一貫してこだわってきたのは「ハードルの引き下げ」です。 1年目は、開催者同士が横でつながるブレスト交流会とデジタルスタンプラリー。2年目は、広げるだけで公園がリビングになるオリジナルのストリートファニチャー。そして3年目は、肩にかけて持ち歩けるキット一つで「開催者になれる」という体験設計。 毎年アプローチは変わっていますが、目指している場所は同じです。「義務でも使命でもなく、楽しいからやる」という気持ちで地域に集まれる、渋谷らしい文化を育てること。 「ちゃんとしなくていい」という空気が根づいたとき、それが結果として最も強い防災にもなる——顔の見える関係は、そういう積み重ねの先にあると信じています。 ■ 支援内容 ・要件定義 / リサーチ ・企画プランニング ・クリエイティブ制作・ツール開発 └ Webサイト 改修 / 運用 └ オリジナル ツール 制作 / 運用 └ オリジナル Tシャツ 制作 └ ポスター / チラシ 制作 ・開催者サポート └ 事務局 構築 / 運営 └ 開催者サポート └ アンケート調査 └ 実施 報告書 作成 / 報告 ■ プロジェクトチーム ・全体プロデュース : 井野 貴亮、松本 亮平 ・プロジェクトマネジメント : 井野 貴亮、松本 亮平 ・クリエイティブディレクション : 松本 亮平 ・アートディレクション / デザイン : 大瀧 迪子 ・リソグラフプリント協力 : Slogan Studio ・キット配布オペレーション計画 : 松本 健太郎 ・開催者サポート / 事務局 : 松本 健太郎 ・写真撮影 : 元木 駿 ■ メンバーズボイス --- 今年度のおとなりサンデー一斉開催日も準備、運営 お疲れ様でした。「主催者側のハードルを下げる」お手軽 開催キットの活躍もあり、今年は過去最大の主催者の参加を呼び込むことができました。銀色の乾杯用マグカップや、青色のロゴ入り風船は当日、区内全域様々な場所で映え、区内全体がおとなりサンデー 一色に染まっておりました。これからもおとなりサンデーの発展を通して、渋谷区の皆様が地域に愛着を持ち、より良く思っていただけるような後押しをご一緒できればと思います。 渋谷区 区民部 地域振興課 仙北屋 匠 --- --- 2026年のおとなりサンデーに向けて、カヤックさんにはいろいろなアイデア出しや準備をしていただきありがとうございました。 誰でも気軽に開催者になれるようにという想いを込めて作ったお手軽 開催キット!狙い通り、特別な企画はないけどやってみようと開催者になってくださった方が去年より増えました。区役所に受け取りに来てくださった方々の「かわいい~!」「こんなに入ってるんですか!」というコメントと笑顔が印象的に残っています。 6/7 は、あちこちでおとなりサンデーTシャツを着ている人を見かけ、おとなりサンデーが渋谷の街に根付いてきていることを実感しました。もっともっと笑顔が溢れる渋谷になるよう、おとなりサンデーを広めていければと思っております。 渋谷区 区民部 地域振興課 後藤 恵理 ---