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未来予測を楽しみ、本質をつかむ――広告ビジネス推進室・M.Kの終わりなき挑戦

今回紹介するのは、かつてライブドアでM&Aした企業を次々黒字化した経歴を持つM.Kさんです。「金融×IT」に可能性を感じたM.Kさんは、2019年にZUUに入社。その手腕を遺憾なく発揮し、新規事業の立ち上げや新たなサービスの開発に携わっています。

「仮説を立てて未来を当てる、それが楽しいから働く」

「仕事は本質をつかむほど面白くなる」

独自の仕事理論を持ち、誰にも真似できない方法で成果をあげ続けるM.Kさん。今回は、幼少期にさかのぼってインタビューを実施し、M.Kさんの仕事観や生き方に迫りました。

プロフィール

岡山県出身。法政大学経営工学科卒業。富士通、フューチャーアーキテクト、ライブドアにてWebマーケティングに従事した後、2009年エキサイトでCMO兼本部長として大規模ポータルサイトのマーケティング部門からWebセキュリティ部門を統括。2017年CCCマーケティングCOO兼デジタルマーケティング管掌。専門領域は、電子決済、マーケティング、Webセキュリティ、システム開発、コンサルティングなど多岐に渡る。2019年株式会社ZUU広告ビジネス推進室 室長に就任。


小学6年生で目覚めた「未来予測」の面白さ

自分が立てた仮説通りに、人が、企業が、世の中が動くとうれしい――。僕が働く理由は、これに尽きます。実はものすごくシンプルな動機なんです。

仮説は、未来と言い換えることもできます。僕が未来に関心を持ったのは、小学6年生の時です。

僕の家には本がなかったので、幼稚園児の僕は新聞を読み始めました。しかし、小学6年生のある日「ここに書いてあるのは既に起こったことばかりだから、つまらないな」とふと思ったんです。

同時に「未来を予測してその通りのことが起きれば、きっと楽しいだろう」と考えました。そこからは、さまざまなことに対して自分なりの仮説を立てて検証することに没頭しました。

僕は高校1年生で初めて将棋をプレイしたんですが、文化祭で将棋部全員に勝ってしまい、入部することになりました。生徒会にも所属していたので、結局部活にはあまり顔を出せませんでしたが、3年生で県代表になり、将棋道場で講師をしたりもしました。

僕の趣味である未来予測と仮説検証が、戦略的要素の強い将棋というゲームにぴたりとはまったんだと思います。

大学時代は、1年生の時にほとんどの単位を取得してしまい、その後はバイトに明け暮れました。3年生の時に「バイトばかりもつまらない」と思い、人材派遣業で起業しました。

就活が終わった4年生は、働ける期間が短いため、バイト探しで苦労しがちです。僕が立ち上げたのは、能力は高いけどバイト探しで苦労している4年生と、働き手を探す企業をマッチングするビジネスでした。月並みな発想でしたが、学生にも企業にも喜ばれ結果大成功したのでよかったです。

未来予測をする時は、時間と難易度という2つの要素をもとに仮説を立てます。「この人・企業が、この難易度の課題をクリアするには、あと5年かかる」といったイメージです。ここにもう1つ要素を絡めるとすれば、お金ですね。

未来予測は、僕にとっては癖のようなものです。ただ、ビジネスで生きることは多いと思うので、意識してやってみると面白いかもしれません。

「いつも使っているサービス」を作る側に回りたい



インターネット業界に興味を持ったのは、「いつも使っているサービスを自分で創りたい」と思ったからです。物を買う時、旅行に出かける時、知りたい情報がある時。僕らはGoogleやYahoo!で検索します。検索エンジンというサービスは、あまりにも自然に僕らの日常に溶け込んでいます。

そんなサービスを自分の手で創り出せたら、きっと楽しいだろう。20代前半の頃、そう思ってインターネット業界を志望しました。結局、開発系の企業とは縁がなかったんですが、フューチャーアーキテクトというITコンサルの企業に転職しました。

数年間ITコンサルの経験を積んだあと、次はライブドアに入社しました。ライブドアではポータルサイトの立ち上げに参加し、マネタイズも一から経験しました。僕はライブドアの社長室にいて、主にM&Aした企業をグロースさせることに注力していました。

赤字企業を黒字化させることは、今でも僕の得意分野です。その後、ファイナンス事業部に移って仕事をしたあと、エキサイトに転職しました。3年連続で赤字だった事業を3ヵ月で黒字化し、CMOとして8年ほど在籍しました。

2017年に「そろそろ新しいことを始めたい」と思い、かねてから可能性を感じていた「金融×IT」という分野で転職先を探し始めました。そこで出会ったのが、ZUUです。まさに自分のやりたいことと一致していたので、すぐに転職を決めました。

次なる挑戦は「営業×IT」という最新領域



金融業界は変化の遅い業界で、十分にIT化されているとは到底いえません。しかしだからこそ、我々にとってのビッグチャンスがごろごろ転がっています。

ワールドワイドな話をすると、2019年から米中貿易摩擦が勃発しています。アメリカが中国の成長を危惧した結果だととらえていますが、今後10年もあれば、中国はアメリカを追い抜くでしょう。そんな世界情勢の中で、日本が今何をしているかといえば、「ただ見ているだけ」というのが僕の認識です。

でも、常に傍観者に徹する日本のスタンスは、現在に限っていえば間違っていないと考えています。金融もITも二流である日本は、残念ながら、世界に対して切れるカードを持っていません。今はむしろ、日和見を貫きながら力をつけるべき時です。

そんな大きな流れを踏まえて、「金融×IT」というZUUが挑戦するフィールドに僕は今魅力を感じています。

もう少し具体的に現在の仕事について説明すると、ITと営業を組み合わせたソリューションを開発しています。営業では、ローテクとハイテクの間にキャズム(隔絶・溝)が存在します。そのキャズムをITで乗り越えるサービスがあれば、世の中の営業は大きく前進するでしょう。

効率的な営業メソッドの提供は、ZUUの代表取締役である冨田の根幹でもあります。著書「鬼速PDCA」に代表される営業のPDCAを、ITで具現化する仕組みを作りたい。枝葉ではなく、幹や根の部分を事業化することに意味があると考えています。

本質をつかむほど仕事は楽しくなる



仕事は本質をつかむほど楽しくなります。

「営業」というと、「アポをとる」「電話をする」といった行動をイメージする人や、「売上を上げる」という結果で語る人がいますが、本質はそうではありません。営業の本質は、「人と人とのつながり」です。

本質を意識することで、行動も結果も自分の管理下におき、自在に操れるようになります。表面的なことにとらわれず、本質をつかむことが、ビジネスをどんどん面白くしていくことにつながります。

先程から「楽しい」「面白い」という表現を使っていますが、いくつもの企業を見て、たくさんの仕事を経験した僕が、最終的に辿りついた結論はそこでした。働くうえで重要なのは、「楽しいかどうか」です。

だからこそ、理念や夢といった根底に流れるものは大切にするべきです。理念も夢も、「楽しい」の源泉になりうるからです。

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