店長になるまでの心境の変化
晃平:入社3年目に「店長不在のときは、自分のやりたい仕事をしなさい。まずは、自分が何をしたいか、人に何を与えたいのか、その考えを持つことが店長を目指すために大切なこと」と上司から言われたんだ。当時は、お店で責任のある仕事を任されるようになり、比較的楽しく仕事に取り組んでいたけど、いざ「店長にならないか」と声が掛かった時、まだ店長になれる器ではないと自分では思い〝嫌だ″という気持ちが強かったな。
千尋:え⁈私も店長になる前は同じ気持ちでした。私の場合は、辞めたいと思うほど凄く苦しい時期に「千尋が店長候補に挙がっている」と聞かされました。「嫌です、無理です」という言葉しか返せませんでしたが、その「店長」という言葉をきっかけに、もう少しだけやろうと前向きに考えてみることにしました。悩んでも何も前に進めないし、一歩踏み出すことで自分のキャリアアップにも繋がるならと考えて、半年悩んだ末に店長になろうと決心しました。
晃平:覚悟を決めるって大切だよね。俺も迷っていた時は、周りの人に沢山相談もしたし「上長が声を掛けてくれたのだから、失敗しても推薦したのは上長だからいいんだよ」とアドバイスを貰ってから、〝よし、やるか!″と決意したよ。やると決めたからには、必死で店長の仕事を覚えていったな。
千尋:店長になることの不安はあるけど、その位置まで自分が成長出来ていることや、誰しもがなれる役職ではないから、推薦してもらえたことに感謝すべきだなと感じます。自分を見てくれているという実感も持てますし、絶対店長をやる価値はある!と今は思います。
異なる業態での「店長」という立場とは
晃平:猪口猪口は、会社での接待利用や宴席利用のお客様が多いため、その雰囲気に合わせたサービスをしないといけないし、お客様から名刺を求められることも多いです。そのため、こちらも会社の顔として必ずお客様と名刺交換をしているよ。
千尋:街によってお客様は異なりますよね。アロハテーブル星ヶ丘は圧倒的に女性のお客様が多いです。お店の雰囲気が良いという理由で選ばれてもいますが、ハワイが好きというお客様も多くて、海外の様な距離の近い接客が好まれる傾向があります。
晃平:店舗の業態も来店されるお客様も違うから同じ接客は出来ないよね。スタッフには他のお店では通用しても猪口猪口では通用しないことがあること、どんな接客が求められているかをしっかりと伝えています。例えば、うちのお店は、お客様と名刺交換をする時にちゃんと顔を見て挨拶をしているのでお客様の顔を覚えているんだ。だから、お客様が忘れ物をしたとしても、人が多い駅改札前までスタッフがお客様を追いかけて忘れ物を届けることができる。一例だけど、お客様のために行動した方が良いと思ったことはやってもらっているんだ。
千尋:いいですね。お店のスタイルに合わせてどんな仕事をしてほしいか伝えることも必要ですよね。私はスタッフに、〝ここで働いて良かった″と思ってほしいので、自分の気持ちを伝えることも大切にしています。「ここで1人前になれば、どこでも自信もって仕事が出来るよ!」と伝えているので、部下や後輩の成長が感じられると自分の想いが届いているなと実感します。
晃平:想いが伝わると嬉しいよね。業態は違えど、お店・お客様・スタッフに対して〝強い想い″をもって仕事をすることが店長の役割だと思うよ。だから、お店にも愛着が湧いてくるんだろうね。