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【Glossom大学レポート】社長と社員の圧倒的な差は「当事者意識」。―元バンドマンの私が社長になって気がついたこと。

Wantedly利用者のみなさま、こんにちは!

本連載では、Glossom株式会社の社員育成プログラム、「Glossom大学」についてご紹介していきます。「Glossom大学」とは、当社のビジョンである「広告業界のリーディングカンパニーとなる」人材を育成するため、スキル/ナレッジを習得できる各種プログラムを用意した、Glossom独自の新しい教育プログラムです。役員が直々に講師を受け持つ講義も多く、中には人気で予約ができないほどの白熱講座もあるとか!講義のラインナップは、役員による「勝つための事業戦略」「インターネット入門」「キャリアプランの考え方」「クライアントコミュニケーション」のほか、コーポレート本部による「内部統制と業務プロセス」「労務基礎知識」「社内ツールの使い方」まで多岐にわたっています。毎月新規講座がどんどん開設されていくので、常に新しいスキル/ナレッジを習得することができます。

今回は、「資本の論理 ~私が社長になって気づいたこと」講座に潜入取材を行いました!

バンドマンから社長を経験した私がお伝えしたいこと

今回は、Glossom株式会社 執行役員兼、株式会社ADFULLY 代表取締役の小室喬志さんを講師に迎えます。サラリーマンから社長に抜擢され、マインドセットが大きく変化した経験から学んだ、資本の論理やビジョンの重要性を語っていただきました。20代前半は金髪のバンドマンという異色の経歴を持つ小室さんが、ADFULLY代表取締役として活躍するようになった経緯とは?
Glossom大学の中でも人気な「社長育成塾」とも言える本講義、なんとか公開の許可をいただけましたので、みなさまのお役に立つと幸いです! 小室さんのパッションに触れて、社長になりたくなっても責任は負いません。

【目次】
①私が社長になって気づいたこと
②想いとビジョンと事業計画
③資本の論理

①私が社長になって気づいたこと

株式会社ADFULLYが運営する「アドフリくん」は、「メディアによるメディアのためのSSPサービス」として、寺島情報企画で産声を上げました。その後、2015年6月にサービスをスピンアウトさせて法人化し、2016年6月末よりGlossomの仲間になりましたが、Glossomにジョインするまでには数々の危機があったそうです。

様々な逆風が吹き荒れる中、会社が倒産しないよう、とにかく利益を出すために、土日出社して深夜まで知恵を振り絞ったり、借入のために個人口座の情報を金融機関に提出したり、ウン千万の連帯保証人のハンコを押したり……。眠れない日々が続く中で、それまでは「一社員」だったマインドセットが、「社長」へと一気に変化しました。



そこで小室さんが再発見したのは、「一番ADFULLYのことを真剣に考え、最もリスクを背負って動いているのは自分自身だった」という事実。ADFULLYという船には社員だけでなく、顧客や取引先も乗っています。顧客の収入源や社員の家族の生活を守るため、この会社の舵を切れるのは取締役だけです。ですから、もし会社が倒産したら、付いてきてくれたユーザーへ不義理をし、株主からの資本金が立ち消え、社員とその家族の生活を危機にさらすことになるばかりか、築き上げてきたアドフリくんというサービスの価値までも失われることになります。そして、これらすべての最終責任を負っているのは社長。つまり、会社の中でもっともリスクを背負い、自分の生活を犠牲にし、会社やサービスの存続を考えているのは社長の自分であることに気が付きました。結果、何があってもそれを受け入れた上で前に進むという覚悟が決まったそうです。この経験から、小室さんはマインドセットの重要性に気が付いたそうです。

②想いとビジョンと事業計画

さて、会社や事業(サービス)はどのようにして興るのでしょうか? さまざまな可能性が考えられますが、事業はまず、社長や発起人の「想い」から立ち上がるものです。

画期的なサービスを開発して

・「社会貢献をしたい」という想いだったり、
・「お客様を幸せにしたい」という想いだったり、
・「とにかくお金を稼ぎたい」という想いもあるはずです。

これが社長や発起人の「想い」の根幹です。「想い」を「ビジョン」に落とし込み、「ビジョン」は「事業計画」となっていきます。ビジョンは、社員や顧客を引っ張っていくための指針となります。そして、「想い」を「事業」にし、「成功」させるために必要なものは、「お金」です。投資家や銀行の融資を受ける際も、ビジョンに共感してもらって初めてお金を集めて来られます。(計画の実現性ももちろん重要)



ADFULLYの場合のビジョン/事業計画の根幹ができた経緯は、ADFULLYがGlossomにJoinする前、創業当時の経験にさかのぼります。
寺島情報企画で「メディアによるメディアのためのSSPサービス」として生まれたADFULLY。創業当時は、他社SSPのように大手資本や後ろ盾、ブランド力もなく、苦戦を強いられていました。ですが、当時、アプリ市場で活躍し始めていた個人開発者がアドフリくんを利用し、開発者仲間に積極的に紹介してくれて、サービスの立ち上げ期を支えてもらったことでサービスが成長しました。アドフリくんは、個人開発者に育ててもらったサービスなのです。

ADFULLYの創業当初(2013年頃)のアプリ市場は、大手企業の大型プロモーション(CM等)がまだそこまで積極的ではなかったため、個人の開発者がランキング上位に入ってくることも多々ありました。けれども最近では、資金力のある企業がランキング上位に入るように。個人開発者は、大手企業と厳しい戦いを強いられ、どんなに面白いアプリを作ってもランキングに埋もれてしまう状況です。ADFULLYとしては、素晴らしいアイデアを持った彼らがもっと活躍できるサービスを開発していきたいと考えています。これがADFULLYの「想い」です。

それを昇華したADFULLYのビジョンは……

「全てのアプリ開発者が自分のアプリを通して「自己実現」ができる世の中に! 日本のアプリをもう1段上のステージへ押し上げ、日本から世界で通用するアプリをたくさん輩出したい!」

です。さらにそれをミッションにおとしこむと……

「全てのメディアが「広告主」になれる世の中にする。広告主も、広告実装をした「メディア」にする」となります。

そしてこのミッションをもとに、ADFULLYの事業内容が策定されます。

戦略=SSPに留まらない課金/プロモ/コンテンツ支援事業

このように、「想い」がなければ「ビジョン」が描けません。そして「ビジョン」がなければ、「ミッション」が決められません。そして「ミッション」がなければ、事業内容(戦略/戦術)を立てられないのです。サービスが社長や発起人の「想い」から立ち上がることの意味をご理解いただけたでしょうか。次の項からは、「資本の論理」の説明に移っていきましょう。

③資本の論理

まずここでお伝えしたいのは、資本主義の社会で企業を運営する上で、「お金を稼ぐ」ということは絶対的で唯一の共通価値ということです。良い/悪いなど倫理的な価値観や、価値がある/ないなどは千差万別の解釈があり、一律に測ることはできません。けれど会社経営の上では、お金を稼ぐサービスに価値があり、出資者が一番の支配力を持っています。たとえあるサービスが「社会的意義」を持っていたとしても、会社に利益を生み出さなければ意味がありません。利益がなければ、事業の存続ができません。もし、利益が出ずに会社が倒産したら、顧客の信頼を裏切り、株主からの投資金をなくし、社員やその家族の生活を危機にさらすことになります。だから、赤字は会社経営で「一番の悪」なのです。



会社は、利益の追求(資本の論理)だけでも、社会貢献(想い)だけでも成り立ちません。「想い」と「資本の論理」両方を満たす必要があります。そのうえで、利益を出して、その利益でサービスを永続的に発展させ、より多くのステークホルダーを幸せにする(社会貢献)会社が本当の意味での良い会社です。とはいえ、ステークホルダー自体の利害は一致しないのが、会社経営の難しいところです。下の図をご覧ください。



株主、社長、社員、顧客、それぞれの立場の人たちが会社に求めるものは、見事に食い違っています。

株主:企業価値と株価を高める「ビジネス」と「経営者」に投資をしたい。(企業価値を貶める取締役には、株主代表訴訟)

社長:利益を生む事業/社会貢献/会社の存続がすべて。そのために利益を生んでくれる社員に報酬を与えたい。

社員:普段の幸せな生活/それを支える給料。その給料をもらうために仕事をする。できれば働きやすい職場で働きたい。

この、それぞれ思考の異なる人をうまくまとめ、顧客ニーズに応えて、利益につなげるのが社長の役割です。
では、この利害の不一致の中で、社長はどちらを向いて仕事をすればいいのでしょうか? 一緒にサービスを作り上げる仲間としての社員でしょうか? 事業に出資してくれる株主? それとも、商品やサービスを購入してくれる顧客でしょうか。
小室さんの考えでは、答えは「株主」と「顧客」=「口座にお金を振り込んでくれる人」です。ですが、株主や出資者のことを心配するのは社長だけで良いので、あなたが社員という立場であれば、顧客の方を向いて仕事をすべきです。



上の図をご覧ください。冒頭でもお伝えしましたが、社長は会社で一番リスクを負っている立場です。一般的に、会社組織ではポジションが上がっていくごとに、負うリスクが増えていきます。社員としては、会社が合わなかったり、経営が傾いたりしても職を変えることができるので、そういう意味では、会社に対して負っているリスクはほぼないと言えます。だからこそ社員と取締役の思考には溝があるのですが、もし一社員から経営層に食い込みたいのであれば、経営者の思考を理解すべきとも言えます。

もし社長をやるなら、確かめるべき2つのこと

小室さんが社長になってわかった、「社長に必要な装備」は以下です。

武器

・自分が作りたい世界(ビジョン)への強い想い

・それを叶えるための事業計画

・圧倒的な実行力/巻き込み力/リーダーシップ/マネジメント力

防具

・ストレス耐性/感謝の気持ち/知識⇒総じて、覚悟(覇気/人間力)


もし、「この会社で経営層を目指したい!」とか「いつか社長になろう!」と思っている人がいたら、この2つのことを確かめてみてください。

①想いを確かめる

・何のためにこの事業をやっているのか?

・顧客の幸せは何? 社会貢献しているか?

想いがないと、心がどこかで折れます。投資家や銀行を説得できず、社員や顧客を導くことができません。今までの事業の延長線上で「会社」をやると、失敗します。

②お金になるか確かめる

・IPOするのに必要な売上は?

・M&Aの価値がある事業か?

お金にならないと、事業をやる意味がない。いくら社会貢献ができる事業でも、会社やサービスが存続できなくなってしまいます。①も②もあるのであれば、覚悟を決めて飛び込んでみましょう!

Glossom大学潜入レポートは今回で終了です

Glossom大学は、2018年10月末をもっていったん終了いたしました。今後、別の形の社員研修として生まれ変わる予定ですので、また改めてご報告させていただきます。今まで「Glossom大学潜入レポート」をお読みくださり、ありがとうございました!



(所属部署/役職はインタビュー当時のものです)

企画/取材:Glossom広報チーム

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