Profile
S:大手企業を経て、創業半年だったワークス・ジャパンにキャリア入社。現在は、採用管理システム「e2R/e2RPRO」の既存顧客に対する営業・納品の責任を負う。IT部門の受注推進、顧客満足度の向上・契約の継続などに取り組みながら、次世代リーダーの育成や組織体制の変更、業務の最適化にも力を注いでいる。
N:ワークス・ジャパンの前身企業を経て、2010年、事業部譲渡による創業とともに入社。企業の採用支援に携わり、現在はPR部の事業成長・拡大に向けた方針・施策の立案と実行がミッション。予算目標の達成に集中しながら、メンバーがさらなる仕事の広がりや成長を実感できるよう、部の会社貢献への方策を模索している。
Chapter 01 シンプルで、公平なチャンス。
お二人はワークス・ジャパンで10年以上、キャリアを重ねてきました。 その中で、性差を感じることはありましたか。
S:評価において、性差はまったくないですね。取り組みと結果がすべてです。「できる人から抜擢されて仕事が回ってくる」という部分もシンプルなので、性差によって、力があるのに発揮する場が与えられないということはなかったです。
N:同感です。評価とチャンス、いずれの面においても、性差はそもそも基準に入ってこない会社ですね。
では、リーダーとして性差を意識することは?
S:ありません。メンバーに対しても、相手の特性によって変えることはあっても、性別によって指導や業務・案件の差配を変えることはないです。もちろん、リーダーとして大切にしていることはあります。オープンであること、情報を積極的に共有・発信すること、フィードバックは率直に、細やかに行うこと……けれど、相手の性別にそれが影響されることはなくて。
N:私もです。むしろ、私自身が性差や環境を理由にせず、会社に貢献することを重視していますね。ライフステージの岐路に立つメンバーに接する際、最良の落とし所を提示するうえで必要なことだと思いますから。
S:ただ、私自身が仕事と育児の両方を経験している立場としては、相手が事情を抱えていることを理解し、柔軟に対応することはできるかもしれませんね。
N:そうですね。かつて私たちを取り巻いていた社会情勢や就業観と、今の若年層のそれとではまったく違う。こちらの経験を振りかざすのではなく、彼らの話をまず傾聴する姿勢が大切だと思っています。
Chapter 02 人、制度、風土。すべてが支えに。
出産・育児の経験は、キャリアにどう影響しましたか。
N:プラスに働いたと振り返っています。両立しようとすると、どうしても時間の使い方や仕事の進め方を変えなくてはならない。新しい状況の中で最善を目指すことで、そこに工夫が生まれ、結果の出し方が変わったと思います。
S:個人的には、効率化について改めて考える機会になったのがよかったですね。「育児とどう両立するか」という視点を持つことで見つかるムダもありました。最近は、若いメンバーを中心に働き方やこだわりが多様化していますが、いろんな考え方を理解してあげられるきっかけにもなったかなと思います。
お二人は営業職として復帰されたんですよね?
N:私はまず管理部門に行き、それから営業に戻りました。基本的には本人の意向を聞いたうえで復帰先を決めるようになっていますが、当時は人手が今より足りなかったこともあって、強めに背中を押されたかもしれません(笑)。育児との両立は不安でしたが、周りの理解とサポートのおかげで結果を出すことができ、営業でやっていけるかなと少し自信になりました。
S:「戻るなら営業だろうな」と思っていました(笑)。あの頃は、男性上司の奥さんのほとんどが専業主婦だったんですよね。女性にとって「育児と仕事を両立する」とはどういうことか、理解しきれていない上司もいたかもしれない。ただ、その環境は大きく変わりました。子育てに参加する男性社員が増えて、対応も柔軟になった。いまも多くの復帰社員が働いていますが、事業が拡大したこともあり、配属先は営業一択ではなく、希望によって調整が少しずつできるようになっています。
復帰にあたって、支えになった制度や環境はありますか。
S:制度については、あるべきものがしっかりと法律に則って整備されています。それ以上に支えになったことと言えば、仕事の裁量の大きさですね。たとえば、クライアントやチームと調整をつけて、取りたいタイミングで有休を取れる。育児中だから特別な配慮をされたというよりも、もともとあったワークス・ジャパンのスタイルがプラスに働いた印象ですね。
N:私の場合は、周囲の理解の深さと支援がありがたかったです。子どもの体調不良や行事で休むことがありましたが、お客様対応に支障がないように代わりに対応してくれたり、ミーティングやアポの時間帯を早めにしたり。それがなければ、目標を達成することも、改めて営業の面白さに気づくこともなかったかもしれません。
Chapter 03 第二創業期という舞台。
ワークス・ジャパンは今、第二創業期ともいえる大切な時期ですね。
N:そうですね。事業の安定性は見通しがたってきました。今は、その規模をさらに拡大していくフェーズに入っていると思います。
S:その一環として、組織の在り方や働き方の見直しも始まるかもしれません。
この状況は、これからキャリア入社する方々にどう影響しそうでしょうか。
S:これまでのワークス・ジャパンは、1人がいろんなことを兼務しながら、手探りで新しいことを進めてきました。これからは、きちんと専任者を置いたり、部門として独立させたりという動きもありそうです。結果として、ワークス・ジャパンの中にはなかった知見が必要になって、キャリア入社の方が前職を活かせる場面が増えるかもしれませんね。
キャリア入社で活躍している方の共通項はありますか。
N:絶対的なものはないかもしれません。ただ、新卒かキャリア入社かは関係なく、経営側から社員に求めるものとして提示されているキーワードがあります。「役割」と「持論の発信」です。組織やプロジェクトにおいて、タスクではなく「役割」を認識する。正解のない取り組みの中で持論を形づくり、発信していく。それができなければ「プロジェクトに入る意味も、会議に出る必要もない」というくらい大切にされています。これからキャリア入社する方にも同じように求められていくんだろうな、と。
S:まだ若い会社を成長させるうえで、これまでは成果の数字が社員の大きな評価ポイントでした。でも、数字はすばらしいけれど、個人プレーで、会社に好影響を与えるような仕事に参画しない人が高評価でいいのか。逆に、個人としては成績を残せなかったけれど、組織に貢献した人はもっと評価されてもいいんじゃないか。そんな機運が高まりつつありました。それに、新しい何かを積極的に生み出していくためには、一人ひとりが主体的に持論を持つことが欠かせない。そういった要素がミックスされて、「持論の発信」に結びついたのかなと思います。
キャリア入社の評価ポイントも変わりそうですね。
S:これまでのキャリア採用を振り返ると、特に「営業面において即戦力であるかどうか」が重要でした。それも大切なポイントであることに変わりはありませんが、これからはメンバー育成や、会社としてどう進むかといったところにまで目を向けられる方が歓迎されるのかなと思います。ワークス・ジャパンに今あるものが、最適解だとは限らない。そういう前提を私たちも持っていますので、「こうしたほうがいいんじゃないか」というアイデアを積極的に出して、実行できる人ほどチャンスも多いはずです。
N:ワークス・ジャパンの規模感やスピード感を考えると、自分自身が「どうなりたいか」「どうしたいか」を強く持っているほうが楽しいと思います。逆に「提示してほしい」「レールに乗せてほしい」だと、日々の業務や数字に追われるだけになってしまうかもしれません。
S:私は前職で、業界最大手といわれる企業にいました。安定感はありましたが、それと引き換えにチャレンジの機会やスピード感は物足りなかった。その点でいえばワークス・ジャパンのほうがずっと面白いと思いますし、そう感じる方に向いているんでしょうね。
Chapter 04 広い視野と、変化を楽しむ力。
キャリア採用には、将来の管理職採用という側面もあります。どんな方にそうなってほしいですか。
S:私の部署で活躍している方たちのことを考えてみたんですが、やっぱり視野が広い。自分がどう動けば、クライアントや後輩を含めたみんながよくなるかという視点をしっかり持っています。そうして得た気づきを形にする時にも、誰をどう巻き込んで、自分は何をすれば最良かを描くことができる。これからワークス・ジャパンがもっとよくなっていこうとする時には、そういう方に牽引していただきたいと思います。
N:私が携わっている事業については、これからも提供したい価値と、変えなければ成長できない課題が明確になってきました。その解決のために、アイデアを出し、試行錯誤し、活動に落とし込むところを預かっているのは私たちです。答えが降ってくるわけでもないし、同じことを繰り返すわけにもいかない。けれど、それを楽しむことができる人と働いてみたいと思います。ある意味では容赦のない(笑)、ストレッチした課題を任され、苦戦しながらも向き合ううちに自分の幅が思いがけず広がっていく。それがワークス・ジャパンという会社です。かつてはマネジメントの道なんて思いもよらなかった私が、管理職をつとめていること自体、その証拠だと思います。