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「悪魔に魂を売るもんだ」から始まった資金調達の裏側とこれから

「投資家」って、何となくドライな印象がありました。

創業してから10年以上、自己資金だけでwevnalを経営してきたし、「VCは悪魔だ」と信じて疑わなかったです。

ただ、自社のチャットボットプロダクト「BOTCHAN(ボッチャン)」を「BX(Brand Experience)プラットフォーム」と再定義し、事業を加速させるため、12期目で初めての「資金調達」という決断をしました。

ということで今回は、wevnalに出資してくださった2社それぞれの担当キャピタリストの方々に、「出資の決め手」や逆に「懸念していたこと」などをインタビューして、資金調達の裏側を明かしていきたいと思います!

(聞き手:wevnal代表取締役社長 磯山博文)

記事中の写真は、撮影時のみ一時的にマスクを外しています。


①ニッセイ・キャピタル 三野さん

ニッセイ・キャピタル株式会社

日本生命を親会社に持つ、1991年創業の歴史ある日本最大級のベンチャーキャピタル。これまで累計1,500社以上の企業への投資を行なってきており、そのうち260社が新規上場する実績を残しています(2019年度末時点)。


三野 隆博(みの たかひろ)

ニッセイ・キャピタル株式会社シニアベンチャーキャピタリスト。高校卒業後、起業して6年間にわたりプログラマー、インフラエンジニア等の仕事に従事。横浜国立大学を卒業後、2003年新光証券(現みずほ証券)に入社、2010年モルガン・スタンレーMUFG証券に転職。通算して10年以上キャピタルマーケット業務に従事する。2018年米シリコンバレーのスタートアップFlyDataを経て、2019年にニッセイ・キャピタルへ入社。幅広いステージの企業を対象に、新規投資を担当。


磯山 博文(いそやま ひろぶみ)

株式会社wevnal(ウェブナル)代表取締役社長。大学を卒業後、新卒で入社した会社にて新規事業の立ち上げなどに従事した後、2011年にwevnalを共同創業。現在12期目。この度、自社のチャットボットプロダクト「BOTCHAN(ボッチャン)」を、お客様のLTV最大化を実現する「BX(Brand Experience)プラットフォーム」と再定義して事業展開を加速させるため、約6億円の資金調達を実施。


出資の決め手となった2つの理由とは?

磯山(以下:━━):では早速お話を聞いていければと思うんですけど、単刀直入に、三野さんがwevnalへ出資していただいた理由ってなんですか?

三野:大きく2つあるんですが、1つ目は「組織力」ですね。具体的には、事業モデルや企業フェーズに応じて、組織や経営陣が進化してきているのが魅力的だと思いました。例えばwevnalはこれまでの10年間、広告代理業をメインにやってきて、いま自社プロダクトを持ったSaaS企業へ転換しようとしているタイミングですよね。

ただ、こういう転換って難しくて。と言うのも、基本的には多くの会社が創業時の事業モデルをそのまま続けるんです。そして、これまで事業モデルを転換させようとした会社でうまくいってる例って、実はそれほど多くない。それくらい、事業モデルや企業カルチャーを変革するのって難しいんです。

一方で、wevnalは新しいSaaSの事業モデルでも勝負できているところが魅力でしたね。自社プロダクトをやる会社って、創業者がエンジニア出身であることも多いんです。ただ、wevnalは創業者の3名全員が営業出身なのにもかかわらず、代理業から自社プロダクトのモデルへ、うまく切り替えができているなと思いました。

wevnal創業者の3名。左から前田、磯山、森元

━━ありがとうございます。

三野:あと、経営陣の進化についてもう少しお話すると、創業者3名が営業からそれぞれの役割へと分化していっているところも魅力でしたね。共同創業者が喧嘩するのって、だいたい社内の同じポジションを取り合う時なんです。wevnalはそれぞれの創業者がマインドセットを変えて、各自の果たすべき役割を全うしているところが良いなあと感じました。

━━では次に出資していただいた2つ目の理由も聞いていいですか?

三野:市場の「目利き力」ですね。例えば創業当初だと、Twitter広告が日本に入ってきたタイミングでいち早くそれに目を付けて、SNSマーケティング領域でのポジションを確立しましたよね。

今回のBOTCHANでも、毎年約10%ずつ伸びているD2C市場を選定して、且つその市場でのポジションもすごく良いなと感じていて。いまのwevnalって、例えるなら「ゴールドラッシュ時のスコップ売り」なんですよね。

━━金の鉱脈を狙うD2Cブランドの方たちに対して、役に立つ道具を作って支援する役割ということですよね。

三野:ニッセイキャピタルはD2C市場の黎明期から注目してきたので、VCとしてこの市場の先駆者であるという自負を持っています。D2C市場の現状は、市場が盛り上がるなかで多くのプレイヤーが現れて、そこから淘汰の一巡目が終わったタイミングと見ていて。

生き残ったプレイヤーでこれから次の戦いに入るなかで、wevnalは「決済まで可能なチャットボット」という、独特の強みを持ったポジションにいるんですよね。

BOTCHANの実際の画面

━━三野さんは「決済のできるチャットボット」の可能性は、どのように見られてますか?

三野:元々、「オンラインでの接客体験」は個人的にも不満を感じていたんです。僕は1990年代からインターネットの業界に関わっているんですけど、この四半世紀もの間、オンラインでの申し込みや購入フォームの形って、ほぼ変わってないんですよ。そこにすごくもどかしさがありました。

例えば、オンラインで何かものを買おうとしてフォームに記入したら、「この項目が未記入です」とか「入力の仕方が間違っています」とかってアラートが当たり前のように出て、なかなか完了するまでいかない。でも、それって酷くないか?と感じていて。こんなこと、リアルの店舗では基本的に起こらないじゃないですか。しかも今後は、消費者の使用デバイスがPCからスマホへ移り、画面が小さくなっていきます。

━━情報の入力のしにくさが増していきますよね。

三野:それに対して、BOTCHANは一問一答で、入力する項目や方法をその都度インタラクティブに教えてくれます。仮にユーザーが間違っていた場合は、その場で教えてくれて。オンラインでも、リアルのような心地良い接客を実現するためのアプローチのひとつとして、BOTCHANは望ましい姿だと思いました。


最初の出会いは「資金調達はしません!」

━━次に、そもそもの出会った経緯も話したいなと思っていて。個人的には、三野さんとこの場にいること自体、すごく運命を感じているんですよね。と言うのも、僕が生まれて初めて話したVCが、実は三野さんだったんですよ。

三野:あ、そうだったんですか。きっかけは、僕が共通の知人の方に「どこかイケてる会社はありますか?」と聞いて、紹介してもらったことですよね。

━━初めてお会いした時、すごく失礼なんですが、僕は「資金調達はしません!」ってことを意気揚々と宣言して・・・(笑)。一応、事前にその知人の方を介して「資金調達はしないです」ってことは伝えたうえで、お会いはしたんですけど。それが1年半前くらいかな。ただ当然、その時は何か話が進展するわけでもなく「また機会があれば」って感じで終わりましたよね。

三野:そうですね。ただ、一度お会いした後も、ピッチイベントに磯山さんが登壇するのを見かけたら「あ、イベント出られてるんですねー」と連絡するなどして、継続的にコミュニケーションは取ってました。

━━当時、VCは金融領域の仕事で「すごく冷たい」って印象があったんですよね。だから「VCから資金調達することは、悪魔に魂を売るもんだ。自己資金100%が最高にカッコいいんだ!」と思ってました。ただ、BOTCHANの未来に懸けることを決めたので、やっぱり資金調達するという意思決定をして。

三野:それで最初にお会いした数ヶ月後くらいに「資金調達のご相談をしたいです」と、改めて連絡をいただいたんですよね。

━━もちろん通常のVC回りもして、他のVCの方とも色々お話はしたんですけど、結果的に今回、三野さんがリード投資家として入って、資金調達をクローズまで持っていってくださって。。。人生で初めて話したVCに「資金調達はしません!」と伝える無茶苦茶な出会い方を考えると、個人的にはすごく運命的なものを感じてます。

三野:そうですね。これは本当にご縁だなと思います。

━━この話を会社のメンバーにしたら「磯山さん、結局は幼なじみと結婚したんですね」と言われて。まさに言い得て妙だなと思いました(笑)。ちなみに、初対面ですごく失礼な話をしたにもかかわらず、そこからも継続的に気にかけていただいたのはどうしてですか?

三野:「コストサイド」よりも、BOTCHANのような「レベニューサイド」に付いているプロダクトの方が好きだったからですね。ビジネスモデルの思想として、「このプロダクトをこの値段で使ってください」よりも「このプロダクトを使ってもらって、一緒に事業を伸ばしていきましょう。そして、伸びた分を一定の割合で分け合いましょう」の方が好きなんです。

━━三野さんから「売上をアップさせるプロダクトってところが魅力ですよね」という話は、ずっとしていただいていて。「チャットボット」って言葉だけを聞くと、やっぱりどうしても「業務効率化でしょ」とか「儲からなさそう」とかってイメージを持たれてしまうんです。

実際、何人ものVCの方から「チャットボットの市場規模って小さくないですか?」とか「他のチャットボットの会社で大きくなってるところはないですよね?」とかって言われましたね。ただ、我々がやりたいのはこれまでのチャットボットに多かった「業務効率化」よりも、CVR(≒購入率)の改善によるクライアントの「売上向上」なんです。

三野:チャットボットは結局ツールに過ぎないので、それによって「どういう価値を提供しているのか?」を見極めることは、投資家として大事にしているところですね。

━━業務を効率化してコスト削減するSaaSっていっぱいあるんですけど、売上向上型のSaaSって、そんなにないなと思っていて。ただ、いま振り返ってみれば、wevnalが創業からクライアントに提供してきた価値って、ずっと「売上の向上」なんですよね。広告代理業とBOTCHANで、事業モデルやそのための手段は違うんですけど。

だから逆に言うと、いまはチャットボットだけど、クライアントの売上アップにより貢献するために、今後もどんどん新しいプロダクトを開発していきます。三野さんには、我々が提供したい本質的な価値のところに理解と共感をしていただいていて、そこがすごくありがたいですね。


「クライアントのインフラ」から「D2C市場のインフラ」へ

━━ここまでwevnalの良いところを中心にお話しいただいたんですけど、逆に検討の際に懸念された部分ってありましたか?

三野:「決済」の部分ですね。僕はエンジニアとしてキャリアを始めてるんですけど、「決済まで可能なチャットボットです!」って、まさに「言うは易く行うは難し」なんですよね。難易度の高さが参入障壁にもなっているので、諸刃の剣なんですけど。

例えば「お客さんからの質問に答えます」という業務効率化に特化したチャットボットであれば、最悪トンチンカンな回答をしても大きな事故にはならないじゃないですか。それが決済まで絡むと、クライアントの売上に直結するので、エラーがあった時の影響が一気に大きくなりますよね。実際、プロダクトの立ち上げ時期にはいろいろな問題が起きたというお話も聞きました。

三野:ただ、CTOのアレンさんとも議論するなかで、そういった困難を乗り越え、いまはしっかりとした技術基盤やチームの上に成り立っているプロダクトだと感じて。もちろん、このリスクがゼロになることは永遠になくて、今後も付き合い続けるものなんですけど、そこに対するフォロー体制もきちんとされているなと思いました。

━━決済まで提供するリスクは、僕自身も痛感していて。エラーが起きる度に「ああ、インフラをやるってこういうことか」と、いまでもやっぱりヒヤっとしますね。D2C市場でBOTCHANがいま一定のシェアを持っている状況で、仮に1日のBOTCHAN経由の購入数が10,000個だとして、その商品の値段やLTVが数千円とか数万円とかだったら、BOTCHANが1日で市場に与える影響って、もうとんでもない額になるじゃないですか。

「俺らキツイことやってんなあ」と思うこともあるんですけど、これってどこかの会社が絶対にやらなくちゃいけないんですよね。実際、クライアントにとって必要なプロダクトだからこそ、wevnalの売上も着実に伸びてきているので。クライアントの心臓部分を担う怖さと覚悟は、一生持ち続けようと思ってます。

三野:まさにその「心臓部分」が、僕が今後wevnalに期待することですね。これからD2C市場のプレイヤーが増えるなかで、wevnalにはそれらを繋ぐハブになってもらいたくて。広告ツールやECカート、CRMツールなど、周辺領域の手段が多様化してきているんですよね。

それ以外にも、例えば消費者の支払い方法も「銀行振り込み」に「カード」、あと「後払い」や「QRコード」など、本当に増えてきている。それら全てを繋ぎ合わせるハブのようなポジションを確立してほしいですね。そうすればまさに「インフラ」として、クライアントにも消費者にとっても必須の存在になれるんじゃないかなと期待しています。


②アーキタイプベンチャーズ 福井さん、野村さん

アーキタイプベンチャーズ株式会社

Archetype Venturesは、シード/アーリーステージのB2B Tech Startupに特化した独立系ベンチャーキャピタルです。2013年の創業以来、2つのファンドにて計約70億円を運用し、次の時代の創造に挑む起業家達、約40社に投資支援をしてきました。”Entrepreneur First”を使命に、起業家に一番近い存在として資金だけではないあらゆる付加価値を提供し続けていきます。


福井 俊平(ふくい しゅんぺい)

Archetype Ventures Managing Partner。2005年にNTT Data入社。企画営業を担当後、2008年の起業・会社経営を経て、2010 年よりPepperdine University MBA Programへ入学(Entrepreneurship専攻)。その間、ロサンゼルスのNPOにて映画祭“LA EigaFest”の立ち上げや、サンフランシスコのVCでのインターン経験を経て、2013年にアーキタイプベンチャーズの立ち上げ、B2B Tech特化型のファンドの組成・運営を行う。1号ファンド2号ファンド合わせて約70億を運用し、累計40社以上の投資支援を実施。


野村 美紀(のむら みき)

Archetype Ventures Senior Associate。2019年よりArchetype Venturesにて投資・バリューアップ業務を行う。Archetype Ventures以前は、Yコンビネーター卒業であるサンフランシスコの教育系スタートアップ Make Schoolのジャパンカントリーマネジャー、米国本社のGrowth Leadを務める。クリエイティブ制作会社にてソフトウェア開発の経験も持つ。東京大学卒、UCバークレー留学。


BOTCHANは「めちゃくちゃ楽しい社会実験」

磯山(以下:━━):ではまず、福井さんと野村さんがwevnalへ出資していただいた理由から早速聞いてもいいですか?

福井
大きく3つあって、1つ目がプロダクトの提供価値が「売上向上」だったことですね。提供価値の型って、「売上向上」以外にあと「業務効率」と「リスク検知」の3種類くらいに分けることが一般的かなと思っていて。そのなかで、直近のAI、DXというビジネストレンドでは「業務効率型」のプロダクトが多かったんです。ただ、「売上向上型」は成果が出れば「導入しない理由がないですよね」となるので、すごく強くて。そこが面白いなと思いました。

2つ目の理由は、1つ目に付随するんですけど「売上向上型」のなかでも「成果連動型のSaaS」であることが魅力でしたね。SaaSって、元々の性質が「クライアントの成功が自分たちの成功」なんです。これは突き詰めると「クライアントが成功した程度と、自分たちが受け取る対価が連動する」ことに繋がって。

そうなると、今後SaaSの議論は「どれくらいの比率で対価を受け取るべきなのか?」や「適切なプライシングとは?」といったものに向かうんですよね。ただ、BOTCHANは既にその「成果連動型のSaaS」を実現していて。これはある種のめちゃくちゃ楽しい社会実験であり、一緒にこの事業モデルの最適解を探していきたいなと思いました。

━━ありがとうございます。では最後3つ目の理由も聞いていいですか?

福井
社内に「新しいプロダクトを作っていきたいんだ」という気概を持った方がいたことですね。いまwevnalは「決済までできるチャットボット」としてのBOTCHANを中心に事業を展開しているんですけど、今後は決済部分だけではなく、より大きなLTVの視点で考えていくべきだと思っていて。

そうすると、バリューチェーンに沿ってプロダクトラインを拡充していくことが必要なんです。その意味で、前田さん(※wevnalのプロダクト責任者)の存在は大きかったですね。

wevnalの取締役副社長でありCPO(プロダクト責任者)を務める前田

━━野村さんはいかがですか?

野村
もうほとんど福井が話してしまったんですけど(笑)、前職でマーケターをやっていた私自身の経験からお話しすると、プロダクトの提供価値が分かりやすかったですね。

マーケターって、やっぱり数字を気にする生き物なので、BOTCHANのように売上の向上に直結しているプロダクトの方が刺さりやすいんです。もちろん業務効率化のプロダクトも素晴らしいんですけど、それだけだとどうしても導入や継続にあたって社内を説得しにくい部分もあって・・・。

野村
あと「分かりやすさ」の部分で、wevnalの方々が私たちにすごく分かりやすくプロダクトを紹介してくださったんですよね。これって大事なことだなと思っていて。

と言うのも、他の会社さんとお話していると、良いプロダクトなのにその価値を伝え切れていないなって感じる場面が少なくないんです。その一方で、wevnalの皆さんは簡潔に「誰にどういった価値を提供しているのか」をお話しされていて、そこも良いなと思いました。


危機一髪でのトップの熱弁

━━アーキタイプベンチャーズさんとの出会いのきっかけは、西田(※wevnalの取締役COO)が福井さんとお知り合いだったことでしたよね。

福井
そうですね。西田さんから「資金調達を考えているので、お話を聞いてもらえないですか?」と連絡をいただいて。ただ、当時我々は既に1社チャットボットの会社さんに投資してしまっていたので、まずはその会社さんとコンフリクトしないかどうかが気になりました。VCは、やはり信頼関係が大事なビジネスなので。既存の投資先の会社さんにも確認して、幸いなことに競合にならないと判断したので、実際にお話を伺うことにして。

野村
最初に福井がwevnalさんとお話しした後、福井から「面白い会社があるよ」と紹介してもらって、私も2回目のMTGから参加させてもらうようになりました。興味を持った理由は2つで、1つ目が私自身が前職でマーケターとして、LTVや解約率の改善方法などにまだまだ進化の余地があると感じていたんですよね。逆に、私自身の知見で何かお役に立てることがあるのではとも思いました。

2つ目は、受託開発事業から自社プロダクトの会社へ転換中のwevnalと似た状況の別の投資先を、私が担当していたんですよね。その経験を、wevnalさんに伝えられるのではないかと思いました。最初に紹介をいただいた時点では、国内外にチャットボットの会社が数多く存在するなかで、他との違いは何だろうということを気にしていて。

ただ、「決済」が差別化に繋がっているなと理解できましたし、そのうえで実際のクライアントの一覧や数値も細かく拝見したんですけど、しっかりと実績も出されていたんですよね。我々は基本的にシードやアーリーの企業に投資していて、wevnalさんのようなレイターステージは珍しいのですが、結果的に初回投資としては過去最大の金額で出資させていただきました。

━━なんか、お二人の話を聞いてると「俺って時価総額300億円くらいの企業を経営してるんじゃないか?」と思えてきました(笑)。逆に、投資検討の際に懸念されたことってありますか?

福井
「会社を変革する覚悟は本当にあるのか?」というところですね。前提として、ここまで10年以上も会社を存続させて、社員の皆さんを食わせてきたということは、それは即ち「経営している」ってことなんですよね。

僕自身も起業家の経験があるんですけど、会社を経営するって良いことばっかりじゃないし、人が増えればそれだけ問題も増えます。そして「売上がある」ことは、積み上げてきたクライアントとの信頼関係や、対価を払ってもらうだけの何らかの価値を提供してきたってことの証明にもなるんですね。

それらに加えて、これまでやってきた事業があるからこそ、そことシナジーを効かせたり、今後の新規プロダクトにリソースを投入できたりします。それはゼロからスタートアップでプロダクトを作る会社にはできないプレースタイルなので、wevnalさんの強みでもあるんですよね。ただやっぱり、組織の事業モデルやカルチャーを変えるっていうのは、とても難しくて。

野村
懸念点は私も同じところでしたね。カルチャーの変革って、失敗するとそのまま組織を壊すことにもなりかねなくて。ただ、とは言え組織作りに正解はないので、大事なのは経営者がそこにどれだけリソースを割いて、私たち投資家とも含めてどれくらい対話できるかなんです。

そして正直、最初のMTGではその本気度に確信を持てませんでした。ただ、3回目くらいのMTGで、磯山さんが急に組織への想いを語り始めてくれて。「プロダクトは前田に任せていて、俺は組織をやるんです。この変革と事業は覚悟を持ってやり抜くんです」といった話を、何かのスイッチが入ったかのように熱弁し始めたんですよね。

福井
そのタイミングあったよね。我々としては、あの瞬間がターニングポイントだったなと思います。やっぱり、変革の成功を最後に左右するのは、トップのコミットメントに他ならないので。逆にあのMTGがなかったら、投資してなかったかもしれないです(笑)

━━え!そうだったんですか!?

野村
磯山さんのお話を聞きながら「その熱量はどこに隠してたの!?もう、あるなら早く言ってよ!」と心の中で思ってました(笑)

━━本当ですか!いやーなんでだろ。もちろんプロダクトにも興味はあるんですけど、僕は組織に対しての方が熱量は高いんですけどね。

野村
いま思うと、磯山さんの中で「VCにはプロダクトの競合優位性とか数値とかを話さなくちゃいけない」って考えが、あったのかもしれないですね。実際、私たちも最初のMTGではプロダクトのことを中心に質問したので。

━━まあでも、よく考えたら「事業を伸ばしたいのでお金ください。競合優位性はこれで、数値はこうです」みたいなだけの会社に、VCの方々も投資したくないですもんね。いやー、僕の組織への想いを聞いていただけて良かったです(笑)


「絶対にハードシングスは起こる」

━━では最後に、これからのwevnalに期待する部分を教えてください。

野村
むしろもう、期待しかないんですけどね(笑)。現状として1つのプロダクトではなくて複数のプロダクトがあるので、いかに各チームが同じ目線を持って走り続けられるかが大事だなと思ってます。そして今後の新たなプロダクトに関しては、私たち含めた社内外の人や知見を良い意味で利用しながら、日本を代表する会社になって欲しいなと思います。

━━ありがとうございます。では福井さんもお願いします。

福井
BOTCHANの「BXプラットフォーム」という新たなタグラインも決まって、ミッション/ビジョンを実現する道筋もクリアになってきているので、良い状態だなと思ってます。とは言え、ここから企業を変革して事業を伸ばしていく過程は茨の道で、絶対にハードシングスは起こるんですよね。

そして、その時に投資家として一番辛いのは、起業家からその大変な事態を知らせてもらえないことなんですよね。逆に早めに言ってくれさえすれば、私たちが解決方法を知っているかもしれなくて。そこの信頼関係を大事にしながら、ここからの道のり、困難はいっぱいあると思うんですけど、楽しみながらご一緒できたらいいですね。


VCさんへのインタビューを終えてと、これからの抱負

代理業から自社プロダクトの会社へ切り替えて思ったことのひとつは、「めちゃめちゃ金がかかるな!」ということです(笑)。ただ、今回の資金調達で得たものって、もちろん「お金」はあるんですけど、それと同じくらい「経営陣のアップデート」も大きいなと思っていて。

やっぱり我々はビジネスの現場のことは分かるけど、よりマクロな視点での俯瞰とか、海外や他社の事例とかは、3名の存在がものすごく心強いです。そこに外部とか内部とかはもう関係なくて、wevnalの事業価値を上げるための最高の布陣が揃ったなと思ってます。

例えばニッセイキャピタルの三野さんは、いろんなことをやりたがりな我々に対して、「まずはD2C市場の決済領域でNo.1になりましょう」って指針を示してくれました。そしてアーキタイプベンチャーズの福井さんと野村さんは、良いことも悪いことも本音でズバズバ言ってくれるので、こちらも誇張することなく自然体で現状を伝えることができます。特に福井さんの「既存の代理事業のままで組織を伸ばしていくのも、それはそれでひとつの幸せだよ」って言葉は、いまでも覚えてますね。

ただ、いまのEC市場って、法律スレスレの過激な表現で騙すように商品を買わせて、効果が出ないから解約するっていう、誰も幸せにならない課題があるなと思っていて。それを今後、BOTCHANを「BX(Brand Experience)プラットフォーム」として、集客から商品理解、購入、アフターフォローまでの全工程をワンストップで提供することで解決していきたいんです。

ブランド側は、自分たちの商品を理解してもらって、本当に必要な人に届けられるように。そして消費者は自分にとって必要な商品を、本当に好きな状態で買えるような世界を作っていきます。めっちゃ頑張ります!!!

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