朝日新聞社といえば、138年もの歴史をもつ新聞社ですが、今回お話を伺う佐藤敦さんが所属するデジタル本部では、ニュースサイト「朝日新聞デジタル」、「ウェブマガジン&(アンド)」、甲子園をライブ中継する「バーチャル高校野球」など、WEBやアプリをはじめとするデジタルコンテンツサービスの開発を行ってきました。
会社全体の社員数が約5,000名なのに対し、デジタル部門の担当者は200名強。佐藤さんが朝日新聞社に転職して同部署に配属された1999年には70名ほどだったそうなので、その当時と比べると3倍の規模にはなっているものの、「現在会社から期待されている事業成長率と合致していない」という判断から、急遽、人事部と連携してメンバーを増員することに。今年の3月から、佐藤さんの先導でWantedlyを使っていただいています。
Wantedlyなら求めている人材に出会えると思った
お話を伺った佐藤敦さん
— なぜWantedlyを使おうと思ったのですか?
それまでは新聞広告や、WEBの求人サイトを使って募集をかけていたのですが、すでにこの業界で働いている方からの応募が多くなる傾向がありました。我々に必要なのは、「朝日新聞社でデジタルコンテンツを発信してみたい!」という方ではなく、今あるコンテンツをビジネスに転換できる力のある人です。記者は社内にたくさんいますので(笑)。Wantedlyを使えば、「おもしろそうな会社で働いてみたい」という考えのもと、ベンチャー企業も含め仕事を探している方にアプローチできると思いました。
ソーシャル連動なので、自分たちで拡散できるのも大きかったですね。ビジネスパートナーがFacebookで「バーチャル高校野球をやっている朝日さんが募集してますよ」とシェアしてくれたこともありました。
— その後はどのように運用されたのですか?
まずは会社の紹介ページを充実させました。トップの写真を居酒屋での写真にしたんですけど、それはいろんな人が働いていることを知ってもらいたかったからなんです。おそらくWantedlyユーザーが想像するIT企業って、CEOが30代の会社だったりすると思うんですけど、デジタル本部の場合は年齢層が幅広く20~50代までいますし、男女比は6対4で意外と女性も多く働いています。
それから、社員たちにWantedlyに登録してもらいました。「え?これ自分のFacebookのIDで登録するんですか?」と言われながら(笑)。
人事部主体の採用から、事業部主体の採用へ
ペンを耳に挟むのが癖なのだとか
— みなさん、よく動いてくださいましたね(笑)。
Wantedlyを使おうと呼びかけたのは僕ですが、あとは早々に現場に投げちゃったんです。各チームでどういう人材がほしいかをディスカッションしてもらって募集することで、現場のニーズにあった採用ができましたし、我々とエントリーする側とのマッチにもつながったと思います。従来の採用方式だと人事部主体だったのが、今回は事業部主体で進められたという感じです。
結局、現場に予算を作らせても、ヒト・モノ・カネが集まらないと物事はうまくいかないので、未達成になることが多かったんですよね。なので、予算と人員計画の承認を取ったので、あとは目的達成のために採用を現場に任せた。彼らも一緒に働き、一緒に目標を達成できる人を自分で選定するプロセスに変わったので必死になってました。
—事業部主体だからこそ生まれたエピソードもありましたか?
エントリーボタンが押されて、現場の人間と話をすることで、「この人は良かった」「この人はどうだろう?」とみんなで審査できるのはいいなと思いました。なかには、現場でOKが出た後に、形式的に面接をするということもありましたよ。上流工程で見るだけだと現場にマッチするかどうかは賭けでもあるじゃないですか。そういう意味でも今までにないやり方でよかったなと。
—今年3月から導入されて、何名の採用につながりましたか?
5名です。職種については各チームが決めたものなので僕は関与していないのですが、結果をみてみるとWEB業務のハンドリングができるディレクターが多いですかね。最近だと、マーケティングツールを入れているので、分析の経験者や、WEBマーケティングプロモーションができる人を採れたらいいねと話しています。
大企業だからこそベンチャーマインドを持つ人材が必要
野球好きの佐藤さんはオフィスにもグローブを置いています
— Wantedlyで出会う候補者に対してどのような印象をお持ちですか?
「ここって、何をしているんですか?」と聞いてくるような、こちらとあまり距離を作らない方が多い気がします。お願いします、チェックするよといった関係ではなく、フラットな印象です。
あと、冒頭でも話したように、ベンチャー企業も視野に入れて仕事を探している方たちに出会えるのは大きなメリットです。大企業だからこそ、「世の中ひっくり返してやろう」みたいなモチベーションを持っている人が必要なんですよ。Wantedlyにはそういう人がいて、他の大企業もみんな使うべきだし、今後みんなが使うようになると僕は思いますよ。
—Wantedlyで採用できた人のエピソードを具体的に教えてください。
WEBとスポーツの両方に強い人材が採れたのは大きかったです。その人は、大学でスポーツ系のコーチングについて勉強されて、スポーツ業界で働こうと思っていたそうなのですが、残念なことに希望が叶わなかった。その間、WEBの仕事をやっていたという経歴の持ち主で、こちらとしてはドンピシャですよね。「キター!」みたいな(笑)。WEBに強い人を求めていますが、やっぱりそれだけだと厳しいです。漫画でも、映画でも、ニュースが好きでもなんでもいいので、情報感度の高さは弊社で働くうえで必要だと思います。
—今後はどのようにWantedlyを使っていきたいですか?
こうしてお話ししてきたように、我々はWantedlyの使い方がわかったんですけど、別の部署から「使い方を教えてほしい」と声をかけられることが出てきたんです。でもね、その人たちは漠然と「人がほしい」としか言わないのでおもわず説教してしまいました(笑)。そのチームは何をするのか、どんなスキルが必要なのか。それを把握していないと、募集要項も作れないし、ユーザーとコミュニケーションがとれないじゃないですか。Wantedlyは、ビジョンを具体的に語れないと成立しないサービスだと思うんですよ。
—お見事です!佐藤さんはもはやWantedlyマスターですね(笑)。
今回の取材を通して、現場のみなさんが自分ごととして採用に関わることや、会社のありのままの姿を伝えることがマッチ度を高める秘訣なのだと実感しました。
佐藤さん、貴重なお話ありがとうございました!!
今後もWantedlyをお使いくださる皆さまのストーリーを紹介していきます。
どうぞ、お楽しみに(^^)