ウォンテッドリーは、企業と働き手の双方に対して行った、デジタル人材に関する調査結果を発表します。
69%の企業がデジタル人材不足。最もニーズが高い職種はエンジニア
ビジネスSNS「Wantedly」ユーザーの中で、2021年8月13日から8月19日にかけ1,191名の働き手を対象に、また企業側の声を集めるべく2021年8月18日から8月24日にかけ148社の人事・採用担当者を対象に「デジタル人材に関する調査」を実施しました。
※デジタル人材:本調査においては、エンジニア、デザイナー、WEBディレクター・プロデューサー、データサイエンティスト、プロダクトマネージャーなど、デジタル領域の業務を行う人材のことをデジタル人材と定義
企業側調査サマリー(回答企業のうち55%に当たる82社がIT系の業種に該当)
- デジタル人材不足企業は全体の69%。不足人数としては1〜5名という回答が62%で最多
- 職種別のニーズ1位はエンジニア(67%)、2位はプロダクトマネージャー(53%)
- デジタル人材に期待すること1位は既存サービス改善(63%)、2位は新サービス開発(59%)
- デジタル人材充足・不足企業の雰囲気の差で最も大きかったのは「新たなスキルを磨くことを奨励する」という項目で、充足企業が12%上回るという結果に。
働き手側サマリー(回答者のうち29%に当たる351名がデジタル人材に該当)
- デジタル人材が魅力を感じる会社のカルチャー1位は「仕事を楽しんでいる社員が多い(51%)」、2位は新しいスキルを磨くことを奨励(39%)」、3位は「風通しが良い(38%)」
- 現職の他の人への推薦度が高い人の共通点は「仕事のやりがい」「働き方の柔軟性」に高満足な点
- 推薦度が低い人の共通点は「行動指針・カルチャー」「成長環境」に不満を抱えている点
- 魅力を感じるカルチャー別に平均年収を比較した結果、「裁量が大きい」と答えた人の平均年収が最大
企業側のデジタル人材に関する声
デジタル人材に関する調査について、148社の人事・採用担当者に回答いただきました。
全回答企業のうち、69%の企業がデジタル人材が不足と回答
148社のうち69%にあたる102社がデジタル人材が不足していると回答しました。
不足人数で最も多かった回答は1~5人(62%)
デジタル人材が不足していると回答した102社に対して、不足人数を聞いたところ、1~5人(62%)という回答が最も多く、29%の企業が6人以上デジタル人材が不足していると回答しました。また、企業の社員規模別では、企業が大きくなるにつれて不足人数も比例して大きくなっており、企業規模に関わらず一定割合のデジタル人材が不足しているという傾向も見られました。
デジタル人材の中ではエンジニア職のニーズが最も高いという結果に
デジタル人材が不足していると答えた企業に対して、特にどんな職種の人が不足しているか質問したところ、1位はエンジニア(67%)、ついで2位はプロダクトマネージャー(53%)という結果に。
デジタル人材に期待すること1位は既存サービス改善(63%)、2位は新サービス開発(59%)
デジタル人材が不足していると答えた企業に対し、デジタル人材に期待することを聞いたところ、1位は既存サービス改善(63%)、ついで2位は新サービス開発(59%)という結果に。
デジタル人材が充足している企業と不足している企業の雰囲気の差
企業の雰囲気※を、デジタル人材が充足している企業と不足している企業に分類して比較すると、最も差が大きかったのが「新しいスキルを磨くことが奨励されている(12%差)」。次いで「女性が活躍している(10%差)」、「意思決定がボトムアップだ(8%差)」、「意思決定スピードがはやい(7%差)」という結果に。
※企業の雰囲気について「非常に近い」あるいは「どちらかというと近い」と回答した数をカウント
設立年数による企業の雰囲気の違い
企業の雰囲気について、デジタル人材充足企業が不足企業と比較して高ポイントを示す項目について設立年数別に比較してみると、「新しいスキルを磨くことが奨励されている」は設立年数が長いほど高いという結果に。
一方、デジタル人材充足企業が高ポイントを示す他の項目に着目すると「意思決定がボトムアップだ」「意思決定スピードがはやい」「仕事を楽しんでいる社員が多い」「裁量が大きい」といった項目については設立年数が長くなるにつれてポイントが低くなるという結果が得られました。
働き手側の声
351名のデジタル人材を含む、1,191名の働き手に働き方について回答いただきました。
魅力を感じる会社のカルチャー1位は「仕事を楽しんでいる社員が多い」
「どんなカルチャーの会社に魅力を感じるか最大3つまで教えてください」と質問したところ、デジタル人材、非デジタル人材ともに「仕事を楽しんでいる社員が多い」が1位に。デジタル人材の2位は「新しいスキルを磨くことが奨励されている」、非デジタルは「多様な価値観を受け入れる」が続き、3位はどちらも「社内の風通しがよい」がランクインしました。
現職の他の人への推薦度
「今いる会社を他の人に勧めるかどうか10段階で教えてください」という問いへの回答を元に回答者を「9~10点:推奨者」「7~8点:中立者」「1~6点:非推奨者」と分類し、デジタル人材、非デジタル人材それぞれの現職に感じる満足点、不満点について比較しました。
デジタル人材の推奨者は「会社のビジョン・ミッション」などに満足。非推奨者は成長環境に不満が
デジタル人材の推奨者と非推奨者がそれぞれ満足・不満に感じる点について分析をしたところ、推奨者が満足に感じる点は「会社のビジョン・ミッション」「働き方の柔軟性」「行動指針・カルチャー」が98%で同率1位。一方で非推奨者が一番不満に感じる点は「成長できる環境かどうか(69%)」という結果に。
非デジタル人材の推奨者の満足点はデジタル人材と同様。非推奨者は行動指針・カルチャーに不満が
同様に非デジタル人材についても現職で満足・不満に感じる点について分析してみると、推奨者が満足に感じる点はデジタル人材と同じく「会社のビジョン・ミッション」。一方、非推奨者が不満に感じる点は「行動指針・カルチャー(72%)」となりました。
高年収層が会社のカルチャーで重視するのは「裁量の大きさ」
魅力を感じる会社のカルチャー別に平均年収を算出したところ、「裁量が大きい」ことに魅力を感じると回答した層が最も平均年収が高いという結果に。「裁量が大きい」と答えた層の平均年収を100としたとき、「意思決定スピードがはやい」が92で2位、「挑戦することが評価される」が88で3位と続きました。
デジタル人材に関する考察
デジタル人材について企業と働き手の双方に対して調査を行った結果、デジタル人材充足・不足企業の雰囲気の違いや、デジタル人材が魅力を感じる企業カルチャーランキングから、デジタル人材を獲得するためには「新しいスキルを習得することを奨励する雰囲気」≒「成長環境」を整えることが重要と思われます。
また現職を他の人に勧めたいと強く感じるデジタル人材は「会社のビジョン・ミッション」「働き方の柔軟性」「行動指針・カルチャー」という3つの項目に満足しているという結果も得られました。この中で「働き方の柔軟性」は企業側の対応次第で調整できる範囲と考えられます。
一方で「会社のビジョン・ミッション」「行動指針・カルチャー」に関してはそれらの一貫性が重要でもあるため、いかに採用時点で共感してくれる人を招き入れるか、という点が、ゆくゆくは他の人に現職を勧めてくれるデジタル人材を採用するにあたり重要と思われます。
ビジネスSNS「Wantedly」が2012年2月から一貫して創出してきた「共感」を軸にした人と会社の出会いが、満足度高く働き、そして他の人にも自社を勧めてくれるデジタル人材を仲間にする上で重要である、ということが示唆される結果となりました。
ウォンテッドリーは、企業の潜在転職者への認知形成、共感を軸とした人と企業の出会いの創出を提供しながら、入社後の従業員の定着、活躍を支援するエンゲージメント事業を推進しすることで、Wantedlyが「はたらくすべての人のインフラ」となる世界の実現を加速させてまいります。
ビジネスSNS「Wantedly」のユーザーについて
Wantedlyユーザーの職種別構成比ではエンジニア、デザイナー、ディレクターの合計が56%と、デジタル人材が大半を占めております。(引用:21/7/15に開示した決算説明資料)
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