天王寺高校ラガーマン、日本の大学を選ばず、中国の名門国立大学へ進学
卒業後アメリカの大学院で国際経済の修士課程修了間近、
外資コンサルティングファームや総合商社キャリアを選ばず、
日本のスタートアップベンチャーへの就職を決意
グローバルな異色学歴と、日本語・中国語・英語を使いこなすトリンガルは
海外で何を見たのか?
ー 日本の大学ではなく中国の大学を選んだ理由を教えて下さい
私が小学校から高校の間に、中国が日本のGDPを抜いて世界2位になると言われていたことが大きなきっかけです。家が事業をやっていた関係もあり、仕事をするなら世界の先端で仕事がしたいと言う想いがあり、大学から海外の大学に行くのが一番早いと思い、当時一番成長を続けている中国の、中でも上海の大学を選びました。
高校時代の教師の方々からも、日本の大学を卒業した後に、MBA等で海外大学院からチャレンジしたら良いのでは?と勧められました。
しかし、言われるがまま学歴社会のレールに乗ることがしっくりこなかったので、学ぶなら早い方が良いと思い、高校卒業後すぐに中国で当時一番経済成長を続けていた上海に移住し、中国生活スタートと同時並行で、現地の名門国立大学に入学しました。
世界1位の経済成長を体感すべく上海へ上陸。
大学はGDPを軸に選定。
ー 中国で学んだこと、過ごし方はどうでしたか?
専攻は中国語と経済でした。日本に居る際に、TOEFL90点超えていたので、語学は比較的得意で、日本に居る間から独学で中国語はある程度マスター出来ていたと思っていたのですが、実際に現地の中国の方々と話すと、話す速度が早すぎて上陸1ヶ月目はほとんど聞き取ることも出来ず、日常生活にも支障をきたしていました。
4年間の中でも特に大変だったのは、アルバイトと学業の両立でした。生活費も稼がないといけなかったので、昼は学校、夜は日本人向けのテレアポと工場夜勤の掛け持ちの毎日でした。
高校時代はラグビーと勉強を両立させて比較的ハードな生活を過ごしていたので体力には自信があったのですが、慣れない環境ということも在り、1年目は、過労と栄養失調で2回ほど倒れてしまいました。
お金が無くて本当に困った時は、市場まで買い物に出るのは良いのですが、買うお金が無いので、結果的に市場でおそらく廃棄される予定と思われる草などを貰って、おかゆ生活を続けていた時期もありました。この時は、経済成長軸で上海を選んだことを後悔した時期でもありました。
また、中国語習得の為だけに勉強しているのではなく、あくまで専攻主体が経済学でしたので、慣れない中国語の経済専門性の高い言葉が授業では多様されていて、毎夜、授業中わからなかった単語レベルから予習・復習する時間も確保しなければならず、最初の一年は授業内容を理解することだけで過ぎていっていた気がします。
ディスカッションレベルでの中国語はまだまだ弱かったとは思いますが、2年目からは多国籍の方々が集まるゼミの中でゼミ長もやらせて頂き、グローバルな知見を育む上で、本当に良い経験をさせて頂けたと感じます。
苦しかった学生時代。
ー アメリカの大学院にチャレンジしようと思ったのはなぜですか?
在学中から企業を知りたい想いがありましたので、中国企業の経営者の方々とも積極的にディスカッションの機会を作り、大学4年間の中からも、経済の強さと大きさを知り、その根源である中国の方々の貪欲さやハングリーさを感じることが出来たのですが、その半面、一つ一つの議論への分析の粗さ、模倣ビジネスの多さ、0→1を生み出せる企業は相対的には少ないのでは?と多くの課題も感じていました。
この根底は、政治のみならず、13億8000万人という大規模人口と広大エリアといった、ある意味国民性部分が強いと感じたので、だからこそ、より世界の最先端に近い環境に触れるべきであるという想いから、IT先進国であるアメリカへの進学とシリコンバレーでの就職を決意しました。
大学院もGDPで選定。シリコンバレーを目指す。
ー 中国やアメリカでのキャリアや、総合商社や外資コンサルティングファーム等、 多方面キャリア選択が出来る環境の中、日本のアーリーベンチャー企業を選んだのはなぜですか?
一度日本に帰省した際に、就職イベントに参加したことがきっかけです。アメリカ就職を目指していたので、本格的な就活と言う訳ではなかったのですが、総合商社、メガバンク、大手メーカー等、グローバルに活躍する企業が多数出店していると聞き、企業勉強も兼ねて参加させて頂きました。中国語と英語が話せるということもあり、グローバル系商社を中心に何社からパスも頂いたのですが、海外生活で感じてきたスピード感が感じられず、一緒に働きたいという気持ちになれませんでした。
そんな中、片隅小ブースで社長がひたすら大声で演説している企業があり、それがVisionaryとの出会いでした。興味を持ってセミナーに参加したのですが、会社説明会なのに自社の説明をするのではなく、若者・学生に「日本人の生き方」と「世界への挑戦」をメッセージとして発信し続けていました。私達学生のことを「顧客」と呼び、顧客から求められることを私は発信しているんだ、とユニークな話し口調で。
ただ、その中で高度経済成長期から失われた30年の歴史、私達の親世代の先代達への感謝の念、日本人としての誇り。私達の世代は、経済が停滞する中で安定就職を求めがちな世代だが、停滞世代だからこそ、日本は世界へ飽くなき挑戦を続けなければならないんだと話をされてました。
私自身、5年間海外で生活を続け、多くの異文化・異国民に触れる中で、日本にこだわる想いが徐々に高まっていました。アメリカで働こうと思ったのも、IT産業最先端であるシリコンバレーで身に付けたスキルナレッジを元に、将来的には日本に戻って何かしらビジネスで貢献出来るよう、最先端技術の逆輸入といった発想から考えていました。
社長の話を聞く中で、自分が本当にやりたいことは海外で働きたいのではなく、「日本への貢献なんだ」と改めて気付かされました。海外は手段であり、目的は日本だと。
社長の言葉の中に「長い歴史、何時の世も、時代を動かすのは高き志を持った20代。私は今、採用活動をしてるんじゃなくて、明治維新の志士を募ってるんだ。」
この言葉に魅了されて、この会社で働いてみたい、他の社員の方々とも話しをしてみたいと思うようになりました。
「熱量が非常に高く、この人達は本気だ」と感じ取れた、と話す。(KOHEYさん)
日本に居れる期間も限られていたので、個別相談で選考を進めて頂き、短期間で内定を頂くことが出来ました。内定後も、他の社員の方々とお話をさせて頂く機会を設けて頂いたのですが、皆さん、独自のキャリアビジョンを明確に持っていて、ビジネスを通じて国内外の社会課題解決を目指されている方ばかりでした。
更には、新卒1~2年目の社員の方々がビジネスマンとして成熟されている感じにもびっくりしました。1秒が惜しい、時間が無いと皆が口を揃えて自分達の仕事への情熱を話されるのを聞く中で、外資コンサルティングファームのようなスピード感がベンチャー企業にもあるんだと知りました。
また、大学院で学んでいる学問は非常に貴重な経験でしたが、どこか机上の空論を学んでる感覚もあり、本当に何かを成す人達、社会を動かす人達は、志を持って働ける環境で経験を積む以外に無い、すぐにでも一緒に働きたいという気持ちに駆られました。
中国の人達はお金の為に事業をやる。
アメリカのプレミアム世代の人達は社会貢献の為に事業をやる。
停滞経済を続ける日本人は志の為に事業をやるべきなんだと。
どんなに最先端のスキルやナレッジをインプットしても、高い志と情熱がなければ大事は絶対成せない。世界から日本へ輸入することを考えるのではなく、日本から世界に発信することに誇りを持った生き方がしたいと。
結果、大学院を中退し、翌月からVisionaryでお世話になることになりました。
外資系企業での経験よりも日本への貢献にこだわる。
ー Visionaryではどのようなキャリアを歩んでいますか?
入社後1年半はモバイル領域の営業職でコンサルティングサービスに携わっていました。何も分からない中で単身海外に2回飛び込んで、即座の変化への順応力には自信があったのですが、この1年半は、海外学生生活5年を超える変化(課題)を目の当たりにしました。
中でも目から鱗だったのが、高速PDCAサイクルと言われていた即日課題解決。課題を明日に持ち越さない文化があり、先輩社員の方々のスピード感が凄かったので、付いていくのが大変でした。ただし自ら成長したい部下を見捨てるような上司の方々は一人も居なかったので、本当に上司の方々に恵まれていると感じています。
結果、1年半のコンサルティング業での実績を評価され、新規事業であるINBOUND事業の立ち上げメンバーに抜擢されました。国内でも限られた成長産業であるインバウンド観光領域、その中でも最川上となるホテル事業。
私達の規模のベンチャー企業でホテル事業に参入する企業はなかなか無いと思いますが、Visionaryの理念である「新規事業創造」を実現すべく、デジタルマーケティング力を活かした高回転なホテルを運営しています。
アナリティクスな領域であるデジタルマーケティングのみではなく、空間デザイン、資材仕入交渉、海外から宿泊に来られるお客様への接客対応まで、幅広い業務に携わっています。
今後のキャリアとしては、FITインバウンド観光客向けのホテルの全国20店舗展開と、FITビッグデータ蓄積から生じる、新マーケティングサービスのプロジェクトマネージャーを狙っています。
今の業務一つ一つに本気で取り組むことが、日本から世界への発信に繋がる。創ることのやりがいを感じながら、日々仕事に打ち込んでいます。
遊びにいらしてください!
ー ありがとうございました!